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ミステリの祭典

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女王の百年密室
百年シリーズ

作家 森博嗣
出版日2000年06月
平均点6.37点
書評数19人

No.19 4点 Tetchy
(2016/08/08 00:01登録)
森氏独特の価値観が横溢したルナティック・シティの文化や価値観は我々の社会とは一線を画し、非常に興味深いものがある。

この、完全に支配されたシステムを敢えて壊したくなるという衝動は一連の森ミステリの共通項だろう。先に読んだ『そして二人だけになった』も全く同じ動機だった。完璧だからこそ壊し甲斐があり、また完璧の物が壊れる姿もまた完璧に美しいものだと思っていたのかもしれない。

思えば森氏は閉鎖された特殊空間で起きる事件を主に扱っていた。デビュー作の『すべてはFになる』然り、またその作品から始まるS&Mシリーズでも大学の研究室や実験室というこれもまたいわばそれを研究する者にとって恣意的に作られた空間である。
『有限と微小のパン』に出てくるユーロパークもまたそうであり、さらに『そして二人だけになった』のアンカレイジもそうだろう。しかしそれらはまだどこか現代と地続きであったのだが、とうとう本書では2113年という未来を設定し、中国とチベットの辺りにある完全に秩序化されたルナティック・シティという世界を作り上げてミステリに仕上げた。これぞ森氏が望んでいた箱庭だったのだろう。そしてこのルナティック・シティはまだまだこれから出てくる森氏が神として作り出した世界のほんの足掛かりに過ぎないことだろう。

『笑わない数学者』で犀川が「人類史上最大のトリック……?(それは、人々に神がいると信じさせたことだ)」と呟いたが、まさしく森氏は自身が神になることで最大のトリックを考案しようとしたのではないだろうか。
閉鎖空間、秩序、システム、そして崩壊が森ミステリの共通キーワードと云えよう。
あとはそれに読者がフィットするか否か。私はややピースとして当て嵌まらないようだった。しかしそれもまた慣れるかもしれない。次の作品に期待しよう。

No.18 8点 ∠渉
(2015/05/16 16:45登録)
これもカテゴライズしにくい、というかする必要はないんだろうけど、あくまで密室をタイトルに冠するところが森博嗣のぶれない強さというか、ミステリィ愛というか。
そして、本作における密室も、ミステリィとは思えない(!?)メッセージ性の強いものになっていると思う。森博嗣が凄いなぁと思うのは、密室という要素の形骸化を指摘しながらも、ちゃっかり新たな密室を仕掛けてくるところ。舞台設定や時系列もちゃんと意味があって、意味なし冗長トークもあって、読者に考えを促す要素も多い。
森博嗣って、もう宇宙だね笑。

No.17 4点 ムラ
(2011/08/19 11:49登録)
世界観が面白かったというより、世界観のみの作品(もちろんいい意味で)
ただ、最後にその世界観がちょい現実味を帯びて安っぽくなってしまった感じなのが個人的に残念。
文章も面白い。ただキャラの個性が珍しく薄いせいか、たまに誰が誰だかわからなくなったりもする。
殺人関係の謎はオマケみたいなもの。てかSFだねこれは。
個人的にこの小説も単品としてではなく、『四季』を楽しむための一つとして捉えている。
真賀田博士の○も出てきたことが個人的に嬉しい。

No.16 6点 touko
(2011/04/08 20:50登録)
SF異世界ものならではのトリックに騙されました。
この設定であれば、ありだと思います。

いつにも増してポエミーでセンチメンタルなモノローグにちょっと辟易していたのですが、それもミスリードのうちだと思えば許容できました。

No.15 6点 yoneppi
(2010/06/26 15:03登録)
この世界観は嫌いじゃない。なんとなく村上の「世界の終わりと~」を思い出した。

No.14 5点 vivi
(2008/04/12 00:10登録)
密室なトリックは、やはり強引とも言える力技。
でも、森作品をず~っと読んでいると、予想がつきます。
主人公についても、色々伏線はあったし、
語られて納得、という感じですね(^^)

ただ、この作品はその世界観こそがメインです。
そして、違う世界観の場所にいきなり入って、
混乱したり、憤ったりという主人公の思考の展開は、
確かに読んでいて苦しい、重いものではあるけど必要ですね。

No.13 9点 jj
(2004/10/25 01:32登録)
「やられた」としか言いようがないです。
あのミッシングリングをここでも使ってくるとは…。
完全に読者の心理を掴んでるというか…脱帽です。

No.12 8点 バファックス
(2004/07/03 00:54登録)
初期の作品を読んだときのような、おもしれえっていう気持ちはないんですが、(そして、点も高くなりにくいんですが、)森博嗣から一冊選ぶなら、これ。
「知る」ことと欲望の対象の関係性を見事に描いていると思う。謎としては、ミステリーファンなんかにはゆるく感じられるかもしれませんがね。

No.11 8点 なりね
(2004/01/05 19:25登録)
ううん……、8点をつけてはいるけど実はそんなに心を振るわせるものでもなかった。
まずどんでん返しが複雑。話も曖昧で分かりにくいのでただでさえ長いのにさらに読みにくい。
森先生特有のぽんぽんとリズム良く読むことができなかった。
でも、純粋にストーリーは良い。世界観も好きだしキャラもまずまず。
もう少し短ければ9〜10点。

No.10 10点 ぉぉ
(2003/11/04 19:52登録)
けっこうサラサラっと読めた。
ミステリーのようなSF。
最後のどんでん返しにビックリした。

No.9 7点 ディラン
(2003/08/11 19:13登録)
この作品を、SFだとか、ミステリ小説だろうかとか、カテゴリを決めて評価する必要はないのでは?と思います。シンプルに「小説」でいいと思っています。
 確かに、SF的な要素もありますし、ミステリしてるところもありますが、それらは楽しいおまけだと思います。トリックとその正解を出すのが目的ではなくて、人間にとって通常、「解なし」となる問いを敢えて取り上げて、何とか「解」を求めようとするその過程を取り上げているのだと思いました。
 下の方が言われる通り、「人間とロボットは違わない」としたら、人間の自尊心はどこから来るのか?そんなことを考えさせる小説です。
 楽しめましたが、最近出た続編の「迷宮百年の睡魔」の方がテンポ感があり、さらに良いです。一部の方が言われるように、この作品は少し、緊張が途切れ気味なります。続編のほうが惹きつける力が強いと思いました。
 

No.8 5点 ゴット・セイヴ・ザ・クイーン
(2002/08/07 13:12登録)
この小説をSFだと思うようではまだまだ想像力が足りない。森博嗣の感性は我々の遥か上をいっている。ロボットと人間が同じように生活する世界を描いているのではない。我々はロボットだといっているのだ。

No.7 10点 一千花
(2002/07/15 14:10登録)
ミチルがなぜ不安定なのか理由付けされているし    最後はどんでん返しは純粋に面白かった^-^
まさに<百年密室>タイトルどおり
いくつか言うと 
生と死の観念がついていけなくなった
言いたいことはわかるんだけど
曖昧すぎるかな 
文章(会話)が細切れなのも
ちょっと馴染みにくい(そこが独特なのだろうが)

それでも 現時点では森氏作品の中で一番好き
森氏はファンタジイを書くつもりはないかな      人が死んでもいいから ぜひ書いてほしい
 
       

No.6 5点 forest
(2002/04/22 00:42登録)
ミステリィとして読み始めたために拍子抜けした感あり。SFだとしても、このネタであの長さはバランスが悪いかな、とも思う。

No.5 3点 G?予想家K
(2002/03/20 16:19登録)
SF的世界観は好き。でもストーリー展開がまどろっこしい。間延びしてテンポがない分、メインの謎のインパクトが小さくなったと思う。めずらしく会話も楽しめなかった。

No.4 4点 jyungin
(2001/12/25 22:33登録)
相変わらず、新しい概念でのデザインセンスがいい。ミステリとするなら、この話のどの部分が「謎」か、が謎。でも、ストーリーが単調でちょっと退屈。相棒同士の会話もいつものように笑えなかった。

No.3 9点 MASA
(2001/06/02 17:46登録)
森先生の作品を皆さんミステリだと勘違いしているようですね。森先生はミステリだと意識して書いていないはず。ただ周りがそのように言ってるだけ。それにトリックを書いてその謎を解く。それだけがミステリではないと思います。

No.2 5点 すー
(2001/05/18 02:16登録)
「ミステリ」としては相も変わらずの「アンチ」
SFとしても結構あっさりしてる。
ジャンクフードみたい。

No.1 5点
(2001/04/22 23:36登録)
森博嗣の未来観が垣間見える一冊。
だんだん生と死が曖昧になってくる。
そうなるとミステリが成立しない時代がやってくるのだろうか。
ミステリというよりSF。

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