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ミステリの祭典

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4000年のアリバイ回廊

作家 柄刀一
出版日1999年07月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 4点 nukkam
(2010/06/01 11:43登録)
(ネタバレなしです) 「3000年の密室」(1998年)の姉妹作的な1999年発表の本格派推理小説です(前作ネタバレはありません)。光文社文庫版の巻末に紹介されている参考文献の多さにびっくり。1冊書くのにここまで下調べしていることに感心しました。ただ小説としての面白さという点では残念ながら満足できませんでした。地の文も会話も抑揚に乏しく展開も地味過ぎます。過去(4000年前)の謎はユニークですがDNA鑑定の結果から生じた謎なので芦辺拓の「十三番目の陪審員」(1998年)のような作品を読んだ読者には「そもそも鑑定方法に問題はないのか」という疑惑が先立って、推理の楽しみが減ってしまうと思います(ちなみに芦辺作品のネタバレにはなってません。念のため)。

No.2 8点 vivi
(2008/05/08 20:53登録)
『3000年の密室』も読み応えありましたが、
今回もかなりのボリュームで考古学のロマンを描いています。
そもそも最初の死体発見シーンにやられました。
深海1000メートル。マリンスノーが降る静かな海底に立つ死体・・・
立っているところが、何ともファンタジーですね。

ところが、その謎を超える興味の中心が、
やっぱり遺跡から発掘される縄文のムラの謎。
小出しにされる様々な情報が、じれったいのが玉に瑕ですが、
読者を焦らすのが柄刀氏の目的なら、見事達成と言えるでしょう。

ラストシーンは最初は蛇足かと思ったけど、
これがあるからいいのかも・・・と最後にはジーンとして読みました。

No.1 6点 ギザじゅう
(2005/04/15 10:27登録)
 アイデアそのものは大胆で凄い!コード化された何対もの化石人骨の人物相関図を考えつつ、そこで提示された謎を推理するというのだから驚きである。ただし、それが非常に複雑で、真相そのものには意外性があまり感じられなかった。
 それと並行して語られる現実の事件もイマイチ。あのアリバイトリック自体はもっとはやくから検証されても良かっただろうし、これもまた複雑。現実とのつながりはそれなりにあったのだが…。
 だが、このような推理小説を書けるということは凄い。

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