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ミステリの祭典

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てのひらの闇

作家 藤原伊織
出版日1999年10月
平均点7.33点
書評数6人

No.6 7点 SU
(2023/12/12 21:10登録)
なかなか覗こうとしなかった過去が、鮮烈な形で浮かび上がり、男の生き方が問われることになる。破滅することも厭わない苛烈な精神性が緊迫感みなぎる闘いの中で屹立する。
暴力と陰謀に巻き込まれながら、高潔な姿勢を崩さない男の姿が力強く、作者らしい抒情性の中で捉えられている。

No.5 7点
(2019/07/18 23:06登録)
飲料会社の宣伝部課長堀江が六本木のバーの前の道で、酔いつぶれて寝ていたのが雨で目が覚める、というシーンから始まる作品です。その日、彼は部長と一緒に、会社の会長に呼び出されてある依頼を受けるのですが…という展開で、最初のバーがある建物も実は会長の依頼と関係を持っていることがわかってきます。このバーをやっているナミちゃんとマイクのキャラが実に楽しいのです。堀江の人物像も、彼の過去をかなり早い段階から少しずつ明かしていくことで、鮮明にしていきます。
しかし印象に残る登場人物と言えば、最初の方で会長の通夜に姿を見せた坂崎組長です。なんともクールで礼儀正しくかっこいい。もう1回、最後に彼は顔を見せなければならないはずと思っていたら、こういう登場の仕方でしたか。
しかし事件そのものは解決した後、翌日の最後の数行は、あまりにもベタに抒情的すぎるかなあ。

No.4 7点 yoneppi
(2013/05/01 20:40登録)
かっこいいとはこのことだ!

No.3 7点 E-BANKER
(2010/03/02 20:26登録)
まさに、この作者らしい作品でしょう。
やっぱり、主人公の造形がいいですね。
最初は、単なるくたびれた中年サラリーマンかと思いきや、実は深くて底知れぬ過去を持つ男・・・
主人公は、自らの体も省みず、過去に恩義のある男の死の謎を追っていくわけですが、読者の方も途中までは事件のカラクリがどうなっているのか全く分からないまま、終盤を迎えます。
ラストは、糸がほどけるように一気に解決し、読了感もスッキリします。
まぁ、惜しむらくは、ワキ役の方々があまりにも映画的なカッコいい人揃いなんで、なんかちょっとリアリティに欠けるというか、そんな感じはします。

No.2 7点 vivi
(2008/05/06 01:50登録)
『テロリストのパラソル』ほどの疾走感は無いけど、
キャラクターが等身大で非常に魅力的です。

主人公が知りたいと願っているのは、「犯人」などではなく、事件の奥にあるもの、「心」だったのですよね。
読者も次第にその1点に興味を追いやられていくので、
それが分かったときに、主人公同様「もういいや」と思いました(笑)

思うけど、ハードボイルドと言うには「甘い」のですね。
そこが私にとってはいいのですが。

No.1 9点 ガッツ
(2004/07/17 23:59登録)
「てのひらの闇」セリフが巧い。セリフ回しも巧い。
活字のチカラを再認識させてくれる。
終盤の某対決シーンでは、両手が震えた。

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