home

ミステリの祭典

login
zusoさんの登録情報
平均点:6.24点 書評数:250件

プロフィール| 書評

No.50 5点 階層樹海
椎名誠
(2021/06/08 22:47登録)
文明が崩壊し、あらゆる生物が樹海でしか生きられなくなった近未来の惑星。階層を成す熱帯雨林の中ほどで樹上生活を送っていた12歳の少年スオウは、虫の集合体につかまり、上へ上へと連れ去られていってしまう。やがてスオウの前に、奇妙な飛行体「コウクウキ」に乗ったアインシュタインと名乗る男が現れるが、その口から発せられるのは終末の黙示録なのか。濃密な謎をはらむ密林を舞台にしたSF冒険小説。


No.49 5点 ラスト・トライアル
ロバート・ベイリー
(2021/06/08 22:36登録)
老弁護士の真摯な姿に心を揺さぶられる法廷もの。情熱だけではなく、精緻な構成にも驚かされる。どっぷり浸かれる物語。なお、シリーズ第三作なので、ぜひ第一作「ザ・プロフェッサー」、第二作「黒と白のはざま」と合わせて楽しんでほしい。


No.48 5点 競作 五十円玉二十枚の謎
アンソロジー(出版社編)
(2021/05/28 23:17登録)
実際にあった不思議な出来事について、推理小説家たちが謎解きにかかる。飲み会で盛り上がるネタではあるが、それを本にしてしまう試みが面白い。


No.47 5点 浦賀和宏殺人事件
浦賀和宏
(2021/05/22 22:56登録)
浦賀作品を読んだことが無い人、作者のイメージに知識が無い人にはミスディレクションが効果を上げないように書かれている。クリスティーの「メソポタミヤの殺人」と同じでセルフイメージをトリックに用いているため、いくつか他作品を先に読むことをおすすめする。


No.46 6点 希望荘
宮部みゆき
(2021/05/16 23:32登録)
謎が解けてから、さらに深くえぐる感じ。人間の心理に踏み込んでいく果敢さが、事実以上の真実を引き出してミステリの陰影を濃くしている。


No.45 6点 体育館の殺人
青崎有吾
(2021/05/16 23:18登録)
探偵がアニメオタクというキャラ付けがやや鬱陶しい。ロジック部分は、鮎川哲也賞の選評にも載っているが、確かに飛躍しすぎの感はある。ただし、取りあえず説明はついているというか、大筋で問題は無いレベルではないだろうか。


No.44 8点 斜め屋敷の犯罪
島田荘司
(2021/05/02 22:53登録)
大掛かりな物理トリック(バカトリック?)を中心に据えているが、決してそれだけに頼ったゴリ押し的な作品ではない。細部に渡るデリケートな演出によって大胆な着想がいっそう鮮やかに盛り立てられている点にこそ、その真価が認められる。


No.43 5点 ある少女にまつわる殺人の告白
佐藤青南
(2021/04/26 23:17登録)
児童虐待や負の連鎖が怖い。重いテーマだけど、それだけでは終わらない。読み進むほど展開のスピードが増していく。そしてまさかのラストに驚愕。


No.42 7点 十二国記
小野不由美
(2021/04/26 23:11登録)
古代の中国思想に基づいた世界観に圧倒されるファンタジー冒険ストーリー。登場人物が全て素敵。


No.41 8点 推定無罪
スコット・トゥロー
(2021/04/17 22:36登録)
ドキュメンタリーを思わせるリアリティーのあるストーリー。緊迫した法廷での戦い、特に弁護士の芸術的な戦略は必見。


No.40 5点 KAPPA
柴田哲孝
(2021/04/17 22:30登録)
謎、冒険、感動、驚きと納得の生物ミステリ。
濃いキャラクターの登場人物とスリリングな展開に引き込まれる。バス釣りにハマったことのある人は一読の価値あり。


No.39 8点 戦場のコックたち
深緑野分
(2021/04/01 00:10登録)
謎解きの出来もさることながら、死と隣り合わせの戦場だけでしか成立しないトリックや真相を介して、極限状況ならではの皮肉な人の運命や、正義という言葉の裏にある欺瞞や矛盾までも剔出してみせるところが素晴らしい。


No.38 6点 夏と花火と私の死体
乙一
(2021/03/24 23:16登録)
怯える妹と冷静沈着な兄の行動に、終始ハラハラさせられる。ラストはまさかのどんでん返し。物語としての完成度はまずまずだが、ミステリとしては今ひとつ。


No.37 5点 重力ピエロ
伊坂幸太郎
(2021/03/17 22:25登録)
ミステリですが、家族について考えさせられる小説。お父さんの台詞が印象的で、テーマは重いのに物語は温かく爽快。


No.36 6点 アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂幸太郎
(2021/03/06 23:24登録)
現在と過去が同時に描かれるカットバック形式の小説。ミステリなのかコメディなのか独特の雰囲気を持っており、途中はどうなるかと思ったが、読み終えると不思議と優しい気持ちになる。


No.35 5点 殺人鬼
綾辻行人
(2021/03/06 23:20登録)
殺人描写がグロすぎて、人によっては吐き気を催すレベルのサスペンスホラー。ここまで人を不愉快にする描写をするとは驚き。作者の覚悟を感じた。


No.34 5点 イニシエーションラブ
乾くるみ
(2021/02/20 19:02登録)
ラストのどんでん返しを味わいために、あまり好みではない恋愛小説を途中で何度も嫌になりながらも読み終えた。
ストーリー自体は面白くありませんが、アイデアは素晴らしい。


No.33 6点 葉桜の季節に君を想うということ
歌野晶午
(2021/02/20 18:56登録)
本に書いていないことに関しては、読者が想像するしかない。そのほとんどの人がするであろう想像が、すでに間違っていて騙されてしまう。
こちらが勝手に思い込んでいた主人公のイメージがガラリと大逆転をする。映像化したらネタバレする内容なので絶対できないでしょう。


No.32 7点 IT
スティーヴン・キング
(2021/02/03 19:38登録)
舞台はアメリカの田舎町デリー。1958年、町から次々と子供たちが消える。犯人はピエロのお化けペニーワイズ。「それ」は大人には見えない。「それ」は子供に恐怖を与えることで美味にする。そして「それ」は美味になった子供たちを食べてしまう。
少年少女が直面するのは、ピエロに姿を変えた成長恐怖。子どもたちだけで、信じ協力し合って乗り越える、十代の通過儀礼の物語。


No.31 7点 フィルムノワール/黒色影片
矢作俊彦
(2021/01/15 19:50登録)
全編に映画の台詞や先行作への言及が散りばめられたスタイリッシュで遊び心に満ちたハードボイルド。宍戸錠も本人役で登場している。

250中の書評を表示しています 201 - 220