| zusoさんの登録情報 | |
|---|---|
| 平均点:6.16点 | 書評数:296件 |
| No.96 | 7点 | 愚か者死すべし 原尞 |
|
(2022/05/29 22:17登録) ハードボイルドならではの自嘲思索的なモノローグ、洒落ていながら無駄のない、それでいて皮肉に満ちた会話。そして意外性たっぷりの複雑なプロットと期待通りに優れたミステリを堪能。 |
||
| No.95 | 6点 | BRAIN VALLEY 瀬名秀明 |
|
(2022/05/12 23:34登録) 最新科学の知識と想像力によって、臨床体験による幻覚的な啓示の謎に迫ろうとしている。 全ては「脳」がみせる幻なのだろうか。「脳」がみせる幻と現実の間には、どんな違いがあるのか。読み進むうちに次々に湧いてくる疑問が物語の中で解消され、さらなる疑問に結びついてゆく。その加速感が心地良い。 |
||
| No.94 | 7点 | 盲目的な恋と友情 辻村深月 |
|
(2022/05/12 23:30登録) 思春期の少女像を引きずる女たちの、一途で愚かな純情が、憎悪と悪意へと変貌する。独占欲と嫉妬を隠しながら、被害者と加害者を綱渡りで演じて罪を犯す様が、驚きのどんでん返しとともに描かれ何とも鮮やか。 |
||
| No.93 | 4点 | 中空 鳥飼否宇 |
|
(2022/04/27 22:24登録) 異空間と外部の現実との関連付けが中途半端。異空間と現実の接点に伏線やトリックを置くならば、両者の関係をしっかり描かないと、作品世界を支えきれない。 竹の花が咲く村の様子が魅力的だっただけに、書き込み不足が惜しまれる。 |
||
| No.92 | 5点 | 狐罠 北森鴻 |
|
(2022/04/27 22:21登録) 事件の不可能性を論理で解明するという派手な性質はもたないものの、メンタルな部分が解き明かされてゆく過程はなかなか読ませる。 骨董美術という情報は興味深く読めた。 |
||
| No.91 | 8点 | カマラとアマラの丘 初野晴 |
|
(2022/04/14 22:24登録) 奇抜なトリックと複雑な人情の機微が鮮やかに直結する。 意外な真相が明かされると同時に、感動が押し寄せてくる。トリックと人間ドラマが融合した本格ミステリ。 |
||
| No.90 | 6点 | Fake 五十嵐貴久 |
|
(2022/04/14 22:21登録) 優れたコンゲーム小説の条件である、計画実行までの手間暇かけた周到な仕込みの様子がディテールたっぷりに描かれている。 しかもカンニング作戦と似た二番煎じ作戦自体が、相手はもちろん読者も欺くミスディレクションであるという二重三重の企みには驚く。 |
||
| No.89 | 6点 | デス・コレクターズ ジャック・カーリイ |
|
(2022/03/30 22:50登録) いったんは解決を見た事件が、三十年後に再び災いをもたらす、という不可能性がスリリング。 殺人者にまつわる品々に執着する病んだ収集家たちの世界という題材も面白い。 |
||
| No.88 | 9点 | 六人の嘘つきな大学生 浅倉秋成 |
|
(2022/03/30 22:48登録) IT企業の新卒採用の最終選考に残った六人の学生たちの密室劇。 一人の内定を決める課題を会社から出された学生たちが、告発文を交えた暴露合戦を行うのだが、後半になると別の視点から本当の犯人探しが始まる。イヤミス全開の暴露合戦が、最終的には心温まる展開に。これが見事。 |
||
| No.87 | 5点 | R.P.G. 宮部みゆき |
|
(2022/03/14 22:46登録) ネット上の疑似家族を巡る事件を扱っていて「理由」の変奏的なところもある。 疑似家族のテーマを語るために、あえてフェア・プレイを破った形でミステリ的な仕掛けを使っている。 |
||
| No.86 | 6点 | 怪盗グリフィン、絶体絶命 法月綸太郎 |
|
(2022/03/14 22:44登録) 絵本のタンタンみたいな世界観のもとで行われるドタバタ私立探偵もの。二転三転する展開が論理的で作者らしい作品。 |
||
| No.85 | 6点 | 交渉人・爆弾魔 五十嵐貴久 |
|
(2022/02/26 23:44登録) タイムリミットが迫る中で犯人と爆弾の所在を突き止めなくてはならない。サスペンスの王道のような作品だが、常に予想を裏切る展開が待ち構えているのに加え、奇抜なアイデアと意外な真相が絡み合っている。 |
||
| No.84 | 7点 | 鴉 麻耶雄嵩 |
|
(2022/02/26 23:40登録) 異郷という舞台を綿密に構築し、そして破壊する手腕の鋭利さが際立つ。 対比・対照の秀逸さも印象に残る。ミステリのエッセンスが詰まっている。 |
||
| No.83 | 5点 | さよならドビュッシー 中山七里 |
|
(2022/02/13 22:48登録) 延々と続くヒロインの独白と少女コミック風のお話作りにいささか食傷したが、終盤それは十分に報われる。前半の伏線やミスリードが一気にカタルシスとなって実を結ぶ終盤は圧巻。 |
||
| No.82 | 6点 | 嘘をもうひとつだけ 東野圭吾 |
|
(2022/02/13 22:46登録) 加賀恭一郎シリーズ。バレエ団をめぐる殺人事件の顛末を描いた表題作・他五編は、謎解きよりも人間洞察に長けた加賀のキャラクター造形や、嘘をモチーフにしたドラマ演出が味わい深い。 |
||
| No.81 | 8点 | 告白 湊かなえ |
|
(2022/01/29 22:27登録) 二転三転する真相、新たに起こる事件など各章、異なる類の衝撃が待っている。感情を抑えたドライな口調で緊迫感を煽る一方、あまりの毒々しさが時にどこかユーモラスにも感じられ、その緩急のバランスが読み手を飽きさせない。最大の衝撃は結末だが、嫌な気持ちになるか、清々しく思うかは意見が分かれるでしょう。 |
||
| No.80 | 9点 | 幻の女 ウィリアム・アイリッシュ |
|
(2022/01/29 22:23登録) 殺人犯と間違われた男が潔白を証言してくれる女を必死に探す。発見できなければ、主人公は死刑台に上がらなければならない。 刻々に迫る死刑の時刻を逆表示することで焦燥感を倍加する。大都会の詩情で包んだ傑作サスペンス。 |
||
| No.79 | 5点 | 赫眼 三津田信三 |
|
(2022/01/11 22:47登録) 奇妙な吸引力を持つ転校生の住む河原の廃屋に、崖の上からこちらを見つめている新築住宅。裏山へ続く道の先に潜む者の影、路地を歩く後ろにひたひたと迫るものの気配。古典的な幽霊譚が時に本格推理や文体トリックに結び付くホラー短編集。 |
||
| No.78 | 7点 | ストロボ 真保裕一 |
|
(2022/01/11 22:44登録) 写真家を主人公にした連作で、フィルムを巻き戻すように人生を振り返る。第五章「遺影」から始まり、第一章「卒業写真」で終わる仕掛け。 情感豊かな逆成長小説・青春小説であり、さりげない夫婦愛の小説としても良く出来ている。 |
||
| No.77 | 8点 | 兇人邸の殺人 今村昌弘 |
|
(2021/12/28 22:41登録) 舞台となるのは、古さを売りにしたテーマパークにたたずむ「兇人邸」。そこに秘匿されている「重要なもの」を回収するのに同行してほしいと依頼を受けた剣崎比留子は、同じ大学の後輩葉村譲らと共に深夜、屋敷に侵入する。しかし、鉄の扉の先で待っていたのは、大なたで人間の首を刈る隻腕の巨人だった。 外部への脱出が困難になるだけでなく、脱出方法によっては巨人を外界に解き放ってしまう恐れもあるという仕掛けがユニーク。死体が増えていく中で、巨人以外にも殺人者がいることが判明、幾重もの謎が巨人の生まれた悲しい過去に結び付く。物語のラストでは意外な展開が待っており、次作への期待も高まった。 |
||