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ミステリの祭典

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化身

作家 宮ノ川顕
出版日2009年10月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 文生
(2021/09/22 12:24登録)
全3話収録の中編集。

都会の喧騒の逃れて南の島を訪れた男が、密林で四方を崖に囲まれた池に落ちる表題作は抜群の面白さです。奇想に次ぐ奇想でぐいぐいと引き込まれていきました。さすがは日本ホラー小説大賞で大賞を受賞作しただけのことはあります。ただ、プロセスの面白さに対して、オチが少々凡庸なのが残念です。

他の2篇は表題作に比べると凡作に思えます。表題作8点、他2篇が5点で平均6点の評価です。

No.1 6点 zuso
(2021/09/21 23:16登録)
限定空間に終始しつつも、ひとならざるものへと変貌を遂げていく物語は、決して閉塞することなく自在に動き、生きる限り逃れられない根源的な恐怖と人間の在り方を寓話的に示してみせる。
生と死の境界線を飄々と描く筆の運びが気に入った。

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