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ミステリの祭典

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玻璃の家
心理学教室研究員トーマ・セラ

作家 松本寛大
出版日2009年03月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 zuso
(2021/08/19 22:35登録)
昔から使い古されたあのネタでは?と思わせておいて、その先入観を利用して意外性を演出する手腕はなかなかのもの。
相貌失認という着眼点は面白いが、やや整理不足。

No.1 6点 江守森江
(2009/06/16 03:37登録)
"島荘"が一人で選考する賞の初回受賞作らしく、現在の島荘が主張する本格を体現した作品。
その為、無駄に重厚になった現在の島荘から離れた読者には合わない可能性大。
過去から現在まで(4つの時代)謎が散りばめられている。
現在の事件の目撃者である主人公の特異性は丁寧に説明されている。
各事件の謎や繋がりは論理的に解決し、更に"決め手の一撃"まで用意されデビュー作としては高水準にある。
しかし
アメリカが舞台で時代幅もありカタカナ名の登場人物が多数錯綜し読書体力を要する。
"決め手の一撃"で落とすべき人物=この作品本来の犯人が読み始めて直ぐに察せる。
※(ネタバレ)
過去の事件の解明が双子=入替トリックのバリエーションと古臭く、その為に錯綜した相関関係を紐解く解決編がクドい。
そして、疲弊(読み疲れ)して"決め手の一撃"での驚きが相殺されてしまった。
以上をふまえ必読とまで推せない。

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