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ミステリの祭典

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zusoさんの登録情報
平均点:6.24点 書評数:250件

プロフィール| 書評

No.70 3点 訣別の森
末浦広海
(2021/11/10 22:38登録)
冒頭からいきなりご都合主義のオンパレード。登場人物たちの行動原理もさっぱり理解できない。場面ごとの盛り上げ方に熱がこもっていることは評価するが、全体としては破綻している。


No.69 7点 第八の探偵
アレックス・パヴェージ
(2021/10/26 23:42登録)
かつて一冊のミステリ短篇集を刊行した後、隠居生活を送る作家。彼を訪ねてきた編集者の目的は、短編集の復刊だった。二人は収録作を読み返して議論を重ねる。
個々の短編は数学的な部類によって並べられ、最後には精緻な構造が浮かび上がる。もちろん、作中作が並んでいるだけの小説ではない。どんな趣向が隠されているのかは、読んで確かめていただきたい。


No.68 5点 血の葬送曲
ベン・クリード
(2021/10/26 23:36登録)
スターリン時代のソ連を舞台にした警察小説にして幕を開ける。レニングラード人民警察のロッセル警部補は元バイオリニスト。五人の死体が転がる事件を捜査するが、事件には秘密警察の影が。
大胆な展開を見せる作品で、章が進むにつれて物語の形は大きく変わる。歴史に翻弄される男を描いた、重くスリリングな物語。後半少々、荒唐無稽なところが残念。


No.67 6点 ノッキンオン・ロックドドア
青崎有吾
(2021/10/13 22:55登録)
不可能専門の御殿場倒理と不可解専門の片無氷雨という、二人の探偵が登場する連作。謎の種類によって謎解き役が交代するというシステムには新しさを感じた。話はごく短いのに謎解きは意外としっかりしており、自然な形で伏線を埋め込む技能は目を見張る。


No.66 7点 犬の力
ドン・ウィンズロウ
(2021/10/13 22:49登録)
麻薬に憑かれた三人の男と一人の女が織りなす、血と暴力と信仰に彩られた愛憎劇に打ちのめされた。悪ガキどもの宿命を淡々と綴った語り口が絶妙。


No.65 4点 禁断のパンダ
拓未司
(2021/09/30 23:01登録)
文章で美食をたっぷり堪能させてくれる。食の世界という題材にやや頼った印象があり、ミステリとしての構成に難あり。


No.64 6点 化身
宮ノ川顕
(2021/09/21 23:16登録)
限定空間に終始しつつも、ひとならざるものへと変貌を遂げていく物語は、決して閉塞することなく自在に動き、生きる限り逃れられない根源的な恐怖と人間の在り方を寓話的に示してみせる。
生と死の境界線を飄々と描く筆の運びが気に入った。


No.63 5点 臨床真理
柚月裕子
(2021/09/21 23:06登録)
障碍者問題という難しいテーマと高い文章力と奇をてらわずにサスペンスを貫こうとする姿勢には感心する。
しかし、結末に意外性がないのと悪役が陳腐なのが難。


No.62 4点 UNKNOWN
古処誠二
(2021/09/07 22:55登録)
特殊状況なのに、そこで描かれる事件は日常の謎に近いというアンバランスさがいい。しかし、犯行動機は納得できないし、トリックも今ひとつ。


No.61 5点 無貌伝 ~双児の子ら~
望月守宮
(2021/09/07 22:53登録)
ヒトデナシという特異な設定と、心と身体に傷をもつ魅力的な名探偵と巨大な敵という、メフィスト賞の王道的伝奇ミステリ。
怪奇超常現象と謎解きで、一粒で二度美味しいと言いたいところだが、欲張りすぎた印象。本格ミステリとしての整合性は目をみはったが、ファンタスティックな設定は複雑で煩わしい。


No.60 4点 虫とりのうた
赤星香一郎
(2021/08/24 22:35登録)
都市伝説に絡めて、あり得ない出来事が重なるシンクロニシティの序盤は、掴みとしては良い。しかし、その偶然が必然へと連なっていかないもどかしさがある。
あくまでも、不気味な雰囲気を味わうための物語なので、ミステリとして読むと肩透かしを食らうでしょう。ありきたりのホラーに終わっている。


No.59 5点 玻璃の家
松本寛大
(2021/08/19 22:35登録)
昔から使い古されたあのネタでは?と思わせておいて、その先入観を利用して意外性を演出する手腕はなかなかのもの。
相貌失認という着眼点は面白いが、やや整理不足。


No.58 5点 屋上ミサイル
山下貴光
(2021/08/19 22:32登録)
読み心地の良い文章。屋上部という甘酸っぱさ全開な設定も良い。
ただし、伊坂幸太郎の作風にそっくりな点は少し気になる。プロットに関しては、数多くの偶然が重なるが、偶然に頼らずとも物語を動かせたのではないかと思えて仕方ない。


No.57 4点 妖精島の殺人
山口芳宏
(2021/08/03 23:11登録)
バカミスすれすれだけど、トリックの細部が練られている。ただ、展開がもたつき気味で残念だ。


No.56 5点 瞳の奥に
サラ・ピンバラ
(2021/07/26 22:41登録)
シングルマザーの秘書の物語。ボスに当たる医師と、その妻との3者の関係を描くサスペンス。
どこか不自然な夫婦。何かの企みが進行しているようだが、目指すところは全く見えない。そしてたどり着く結末は。茫然の一言に尽きる。普通のミステリで味わえる驚きとは異質だが、思わず最初から読み直したくなる。


No.55 6点 死ぬまでにしたい3つのこと
ピエテル・モリーン&ピエテル・ニィストレーム
(2021/07/16 23:30登録)
冒頭3ページで読者をつかみ、そのままの勢いで最後まで突き進む。米国とスウェーデンにまたがる物語は、どこに転がるか分からない展開と、謎とアクションに満ちた見せ場が連続する。良く出来たミステリとしての枠に収まっているが、その中で極上の驚きを味わえる作品。


No.54 7点 奇術探偵 曾我佳城全集
泡坂妻夫
(2021/07/16 23:27登録)
本格でしか描けない面白さ、変幻自在のアイデアの多彩さを評価。シリーズの締め括り方も鮮やか。
ただ動機の点で納得しがたい作品がいくつかあった。


No.53 8点 半落ち
横山秀夫
(2021/07/05 22:47登録)
妻を殺した警察官が自首してきて、最初から事件は解決している。そこに謎は何ひとつない。あるのは、殺してから自首してくるまでの空白の二日間。
人の心の奥底を探る試みが、これほどまでにスリリングであったのかと驚く。


No.52 5点 園児の血
前田司郎
(2021/06/21 23:41登録)
幼稚園児を語り手に園内の権力抗争を大人ぶった口調でハードボイルドに仕立てた表題作と、小学五年のクラスで一人の女子を標的にした、いたずらの犯人捜し「道徳の時間」を収録。
純粋、素直といった言葉では片付けられない子供の複雑な内面を紡ぎ出している。


No.51 8点 猿丸幻視行
井沢元彦
(2021/06/21 23:28登録)
「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声きく時ぞ秋はかなしき」の猿丸太夫は柿本人麻呂だったのか。この奇怪な謎を若き折口信夫がコード・ブレイカーよろしく解いていく。国文学推理小説の新たな境地を開いた傑作。

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