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ミステリの祭典

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盲目的な恋と友情

作家 辻村深月
出版日2014年05月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 7点 zuso
(2022/05/12 23:30登録)
思春期の少女像を引きずる女たちの、一途で愚かな純情が、憎悪と悪意へと変貌する。独占欲と嫉妬を隠しながら、被害者と加害者を綱渡りで演じて罪を犯す様が、驚きのどんでん返しとともに描かれ何とも鮮やか。

No.2 7点 風桜青紫
(2015/12/20 03:07登録)
ルリエール最高です。『恋』を読んだ時点では「ベタな恋愛ものだなぁ」と思っていたけど、『友情』が抜群に面白い。んもう、ルリエール自意識過剰すぎでしょ……。「どうして私が知らないの?」じゃねえよ。もう見てらんねえ、けど、すでに知ってる先行きが気になって仕方ねえ、となってしまう。ブスの自意識過剰ぶりを二つの視点で浮き彫りにするってシステムが良くできてる。あえていえば、『恋』のほうにも何か面白い仕掛けがほしかったかな。ほんと、がんばれよ、ルリエール。まあ自意識過剰なブスのルリエールより、明るくて胸が大きい(揺れすぎ)美波のほうが魅力的なのは言うまでもないから、また物悲しいんだけど。

No.1 5点 白い風
(2014/08/11 22:54登録)
恋と友情の2編の物語ですね。
恋は蘭花目線、友情は留利絵目線でしたね。
作中「どうして、いつの日も、友情は恋愛より軽いものだというふうに扱われるのだろうか。」
でも、ラストはそう思った留利絵自身が裏切っちゃった気がする。
それに結婚式での逮捕(同行)はドラマチックだけど、ちょっと現実離れ過ぎる気がして残念だったな。
個人的にはこの後に”美波編”をつけて違った風に終えて欲しい気がしました。

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