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ミステリの祭典

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中空
観察者シリーズ

作家 鳥飼否宇
出版日2001年05月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 4点 zuso
(2022/04/27 22:24登録)
異空間と外部の現実との関連付けが中途半端。異空間と現実の接点に伏線やトリックを置くならば、両者の関係をしっかり描かないと、作品世界を支えきれない。
竹の花が咲く村の様子が魅力的だっただけに、書き込み不足が惜しまれる。

No.2 6点 人並由真
(2018/10/01 19:21登録)
(ネタバレなし)
 作者の作品はこれで7冊目。「観察者」シリーズは最新作の『生け贄』(2015年)についでまだ二冊目だけど、十分に楽しめた。デビュー作からこの安定感と完成度というのは大したものだと思う。
 荘子と竹林という二大ファクターを核とする閉ざされた世界という舞台装置を知って、何となく面白そうだと期待して手に取り、これはアタリ。
 損壊された死体の扱いは強引な気もするが、この辺は作者もわかってやったことであろう。それよりももうひとつの大技で、海外の某名作短編ミステリを想起させる××トリックの方に唸らされました。伏線も、作者がニヤニヤしながらあちこちにばらまいている感じで、その辺りも実に好ましい。
 ただまあBLOWさんのレビューにある、多重解決の本当の真相の方が、先のダミーの謎解きに比べてパンチ不足というのもわからないでもないので、評点はこのくらいに。

No.1 7点 蟷螂の斧
(2014/07/19 20:53登録)
商品説明より~『第21回「横溝正史ミステリ大賞」優秀賞受賞作。主人公の植物写真家と自然観察家は、数十年に一度の開花時期を迎えた竹の花を見に、大隈半島にある竹茂という村を訪れた。7家族のみが住む竹に覆われた集落。村人は皆、中国の思想家「荘子」の精神を守って暮らしている。この平穏な村で、小動物の惨殺事件が続発し、ついには村人の首なし死体が発見された。犯人は誰か、そしてその目的は…。閉ざされた空間で、来訪者である2人が難事件に挑む。』~選考委員・綾辻行人氏選評『心地よいバランス感覚で創られた本格ミステリの秀作。』~                               デビュー作とは思えないほどの出来でした。歴史ミステリー的な要素、多重解決、叙述など濃い内容で予想以上に楽しめました。また女性写真家(ワトソン役)の一人称で語られ、ユーモアもあり読み易いです。好きな「荘子」の世界も語られているので好印象(笑)。「蟷螂の斧」の章もありました。蟷螂の斧自体の一般的な意味は、力の無い者が自分の実力も顧みず強者に立ち向かうさま、~「はかなさ」のたとえとされていますが、「荘子」では、後段に「この虫(カマキリ)が人間だったら、天下をとっていただろう」とあります。野末陳平氏(タレント・元議員~早稲田大学文学部東洋哲学科卒)の著「荘子入門」でも、一般的なネガティブな意味より、この反骨精神がいいと書かれています。私も同感でネームに使用しているところです。余談でした。

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