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ミステリの祭典

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デス・コレクターズ
モビール市警殺人課カーソン・ライダー刑事

作家 ジャック・カーリイ
出版日2006年12月
平均点6.45点
書評数11人

No.11 5点 レッドキング
(2023/06/21 23:09登録)
作者第二作。タイトルからして、ディーヴァー系?思わせて、あんなアクロバティックツイストはないWho・Whyワン落ちミステリで、むしろ、楽しいエルロイ、スマートなフロスト。スター殺人鬼達の遺品・関連品を、モネセザンヌの如く高価買取愛玩する「死の蒐集家」達と、彼らを逆手に取って操る殺人犯。マンソン麻原カリスマを連想させるカルト犯罪グループの、甦りの如き連続殺人事件を求めて、主役刑事・相棒・ファンキーな女ジャーナリスト・コレクター老女・やなヤツ上官・サイコお兄さんetc・・劇画にしたら、まぁ、ジツに絵になりそなキャラ達・・のミステリ活劇。
「人生はあまりに短いが、一日はあまりにも長すぎる」・・うーん、まさしく・・

No.10 6点 zuso
(2022/03/30 22:50登録)
いったんは解決を見た事件が、三十年後に再び災いをもたらす、という不可能性がスリリング。
殺人者にまつわる品々に執着する病んだ収集家たちの世界という題材も面白い。

No.9 6点 YMY
(2021/10/03 23:08登録)
作品全体を貫く大ネタからそれを支える小ネタまで余すことなく、神経を配り周到に伏線を張り巡らせた上ですべてを回収し着想外の結末まで度肝を抜く。
しかもキャラの立たせ方も巧妙で、物語としても面白い。

No.8 7点 八二一
(2021/07/17 20:14登録)
快調な語り口で飽きさせない。食傷気味のサイコ・キラーものかと思ったら、眼から鱗の新機軸だった。テンポの良さと会話の楽しさで、凄惨な場面を描いても、妙にどこか爽やか。登場するいささか狂った方々の描写も面白い。意外な真相が明らかになるエンディングは、思わず感動してしまった。

No.7 5点 初老人
(2019/03/20 06:37登録)
読んでいる途中思わせ振りな表現やさまざまなほのめかしがありうんざりしかけましたが、主人公が捜査のためパリ行きを決めてからようやくスピードがつきサスペンスらしくなってきます。
犯人は事実上の二択で、しかも一方があからさまに怪しいので、注意して読んでいれば外す事はないでしょう。
ジェフリー・ディーヴァーの後継者という事で期待していたのですが…

No.6 8点 あびびび
(2016/02/05 22:16登録)
事件を追う異常犯罪専従の刑事カーソンは、30年前に死んだ大量殺人犯の絵画が鍵だと知る。殺人鬼ゆかりの品を集めるコレクターの世界に潜入し、複雑怪奇な事件の全容に迫って、パリまで出張する…。

有名人の殺害を教唆したチャールズ・ミルズ・マンソンの事件に似ているが、教組が裁判所で殺されたのにもかかわらず、その根は生きていた。それは有名な?殺人犯の残した凶器や絵画などをコレクトする人間の心理を利用した、悪魔のような事件だった。

ジェフリー・ディヴァーの後継者と言われる作家だが、こちらの方がクドクなくて好きかも…。

No.5 4点 nukkam
(2015/12/28 22:19登録)
(ネタバレなしです) 米国のジャック・カーリイはジェフリー・ディーヴァーの後継者のように紹介されていたし、デビュー作のカーソン・ライダーシリーズ第1作である「百番目の男」(2004年)(私は未読です)もサイコスリラーと警察小説のジャンルミックスらしかったので本格派推理小説ばかり偏愛している私には関心外の作家だったのですが、2005年発表のカーソン・ライダーシリーズ第2作は本格ミステリとして評価、それも傑作として評価されているようなので読んでみました。文春文庫版の登場人物リストには3人もの「連続殺人犯」が載っていますが既に1人は死亡、2人は拘束されていて、本書で起きた連続殺人の犯人は終盤まで素性を隠しています。巻末解説では周到な伏線のことを誉めていますが、犯人が緻密に計画していることは丁寧に説明してはいても犯人を特定する手がかりについては説明不十分です。正体を現した犯人の異常な本性の描写など読ませどころはたっぷりあるのですが、私が期待していた「本格」とは異なる作品でした。これは私の読み方がいけなかったようです。

No.4 6点 蟷螂の斧
(2014/04/14 20:37登録)
シリーズ1「百番目の男」、同4「ブラッド・ブラザー」と比べるとおとなし目。そういう意味だと物足りない。どちらかといえばフーダニットに重点か。囚人の画家が指揮をとっている(他人にはそう見える)描写が、なぜか印象に残りました。主人公はダリが好きだったんですね。

No.3 8点 touko
(2012/07/28 14:30登録)
本格ミステリ要素の強いサイコサスペンス。

人物造形や基本設定にお約束感はあるものの、その分、万人向けで読みやすく、細部までよく練られているし、意外性もあるのに、わかりやすい。
今後ミステリのオールタイムベストとかにも入ってきそうな秀作なのではないでしょうか。
特に日本のミステリファンに受けそう。

No.2 7点 E-BANKER
(2012/04/28 22:12登録)
「百番目の男」に続くカーソン・ライダー(刑事)シリーズの2作目。
サイコサスペンスだけではない、謎解き要素もふんだんに取り入れた秀作。

~死体は蝋燭と花で装飾されていた。事件を追う異常犯罪専従の刑事・カーソンは、30年前に死んだ大量殺人犯の絵画が重要な鍵だと知る。病的な絵画の断片を送り付けられた者たちがつぎつぎと殺され、失踪していたのだ。殺人鬼ゆかりの品を集めるコレクターの世界に潜入、複雑怪奇な事件の全容に迫っていくカーソン。彼を襲う衝撃の真相とは?~

評判に違わぬ面白さ。
紹介文だけ読んでると「サイコ」的な味付けが強いのかと身構えるが、その辺りはそれ程でもなく、純粋&良質なサスペンスという感想になった。
殺人鬼たちの「ゆかりの品」を集めることに執念を燃やすコレクターという裏側の世界を事件の背景として使いながら、真犯人が張り巡らせた見事なトリックや罠をかいくぐって、真相に到達する主人公。しかし、最後の最後でまたも犯人の罠に嵌ってしまう・・・
事件の構図を二重三重に構築し、読者をラストまで飽きさせないプロットは、さすがにランキング上位の作家でしょう。

そして、何よりも強烈なのが真犯人のキャラクター(!)
これはスゴイ。これ程救いようもなく悪いヤツは久しぶり。
まぁ、単純に言えばミステリーにはお馴染みの「○れ○○り」トリックなのだが、まさかあの人物がねぇ・・・と思うこと必至だろう。
主人公のパートナーの刑事や美人レポーターのキャラも立っていてリーダビリティーも十分。
(極めつけは主人公の兄・ジェレミーの存在だが・・・)

現在4作目まで発表されているシリーズであり、残りの作品も読みたくなった。
(不気味な表紙の意味は終盤、サビの部分を読めば分かる)

No.1 9点 smile66
(2011/06/05 23:36登録)
翻訳ものはカタカナが多いので読むのがいちいちつっかかって、あまり好きではないのですが、
訳文がよかったので読むのが楽だった。

フェアな情報開示、キャラクターの掛け合い、犯罪の異常性など盛り上げるものが数多く、本格ミステリとしてもサスペンスとしても読んでいて本当に楽しかった。
異常犯罪者の記念品収集家というデス・コレクターという題材もなかなかすごい切り口だと思います。
また犯罪の妙だったり、伏線の回収の手腕も素晴らしい。

ただ、やっぱりカタカナが多くて読み辛いのでマイナス一点。

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