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ミステリの祭典

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平均点:6.23点 書評数:286件

プロフィール| 書評

No.206 5点 幽体離脱殺人事件
島田荘司
(2020/03/18 06:21登録)
最終章とエピローグは無い方が良かったと思う。モヤモヤしていたものが一気に晴れ上がってそれなりに気持ち良く終結、だと思ってたら最後モヤモヤに逆戻りしてなんだか気持ちが悪い。


No.205 7点 密室殺人ゲーム2.0
歌野晶午
(2020/03/16 01:24登録)
①『次は誰が殺しますか?』
たまにはこういう、パズルみたいなのもいいですね。一軒家ではダメな理由が良かったです。
②『密室などない』
間奏にしても物足りない。
③『切り裂きジャック30分の孤独』
えげつない。よくこんなこと考え付くなあ。
④『相当な悪魔』
自分も殺人現場は京都駅近くだと思いました。真相は、前作に似たようなのがあったからあまり驚けなかったけど、これ単体ならレベルは高いのではないでしょうか。
⑤『三つの閂』
推理クイズとしてならいい問題だと思います。
⑥『密室よ、さらば』
オチは好みでないが、推理合戦自体は楽しかった。

中盤まで、前作との関連性がどうなっているのかを楽しみにしていましたが、意外と普通でちょっとガッカリ。しかし短編集としては前作に及ばないものの、まだ標準以上だと感じたので7点で。


No.204 5点 貴族探偵
麻耶雄嵩
(2020/03/10 04:43登録)
<ネタバレあり>


①『ウィーンの森の物語』
あれの取り換えはあまりにもベタだし、車を出す前に中身を確認しなかったのもちょっと変だと思う。普通、財布のありかくらいはきちんと確認するのでは。事後の処理の見事さで盛り返したけど4点。
②『トリッチ・トラッチ・ポルカ』
まず、前日に殺された死体の死亡推定時刻が8時間というのは異例の長さだと思った。前に西村京太郎氏の作品で一か月前の殺人事件の死亡推定時刻を1時間に限定してしまって吹き出したことがあったけども、逆パターンですね。
あと、事件の真相には直接かかわらないことだから傷というほどではないけども、推理の過程で2つ疑問点が。
1つ目、傘に関して色々と推理しているが、あんなのはあくまでそういう傾向があるという程度で、仮にあれがメインの証拠になっていたなら大減点。
2つ目、強い雨で風もあったのに窓を閉めなかった理由。作品中では「実は雨が降っていなかった」と結論付けて正解だったが、「風があれば、風向きによっては風も雨も全く入って来ない」というのは考慮に入れないのだろうかと思った。
メイントリックは危なっかしいですが面白いですね。なんだか東川さんが使いそうなトリックだ。6点。
③『こうもり』
これはよくわからない。貴生川という名前の男が突然出てきて、まさか貴族探偵の本名ということはないだろうから、流れ的に作家大杉の本名なのかなとか思いながら読んでいたんだけど何か違う。双子ならアリバイも崩れるけど反則らしいし、いったいどう決着付けるんだろう?と思っていた所にあのオチだから、ズッコケたとしかいいようがない。4点。
④『加速度円舞曲』
地味な見取り図の割には思ったより動きがあって楽しかった。6点。
⑤『春の声』
ロジカルというより強引に納得させた感が強い。5点


No.203 8点 密室殺人ゲーム王手飛車取り
歌野晶午
(2020/03/08 14:17登録)
全8章。奇数章が本格、偶数章が息抜き&ボツネタ披露という感じでしょうか。前者は1章がいまいちな以外は文句なしです。後者もバラエティー豊かで良かったです。
後半の人物関係も想像以上に凝ってて驚きました。次回作も期待なんだけど、2作目3作目と平均点が下がっていっているのが気になる。


No.202 6点 語り屋カタリの推理講戯
円居挽
(2020/03/07 18:59登録)
本来は推理ゲームなのだが、最終章以外は誰かが死ぬ。デスゲームミステリ。
・who
状況説明なしでいきなりよくわからない世界に放り込まれるのでとまどう。序章を作って少し説明を入れた方が良かったのではないだろうか。
この章はストーリーも謎もいまひとつ、というか状況を把握する前に終わっちゃった感じ。
・how
2章目なので設定に戸惑うことはなかった。正解の方は簡単すぎる気がするが、でたらめの方が面白かった。
・why
設定の周知不足を感じた。ランプが付くタイミングについて、それが問題になる以前にどこかで言及があったかな?てっきりゲームが終わった後に点灯するのだと思っていた。私が見落としているなら申し訳ないです。
あと『丸太町ルヴォワール』の時にも思ったけど、後半の名前の件に関してはちょっとくどすぎて辟易します。またそのパターンで、またどんでん返しかと。
・where
ぶっ飛んでいて良かったと思いますが、実際にあの状況を作ったら、自分の体がああいう状況になっていることに気付かないのかな?
・when・what
ストーリー的には重大事件が起きるが事件自体は小粒。続編への準備か?


No.201 5点 新・日本の七不思議
鯨統一郎
(2020/03/07 03:29登録)
『邪馬台国はどこですか?』の後日談+新ネタをいくつか。今回の七不思議の中では空海の話が一番興味深かったです。まあ、空海に関しては「宇宙人です」と言われても驚かないですが。
ところで、古代史の謎解き本を読むと、謎をややこしくして絶対に解けなくようにしている黒幕=藤原不比等説が異様に多くて、不比等自体が何人かの人間の集合体なのではないかと思ってしまう。


No.200 6点 新・世界の七不思議
鯨統一郎
(2020/03/07 00:03登録)
7不思議とも、他では見たことのない説で楽しめました。ノアの箱舟の話が一番説得力があったように思います。


No.199 3点 魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?
東川篤哉
(2020/03/05 05:02登録)
設定の特殊さゆえに楽しめはしたが、ミステリとしては4作ともつまらなかった。
『魔法使いと逆さまの部屋』
このトリックは100人中99人が見破ると思う。
『魔法使いと失くしたボタン』
これは逆に、読者が推理するには情報不足でしょう。
『魔法使いと二つの署名』
1時間ドラマでよくあるパターンの中でも最もつまらないと思うやつ。
『魔法使いと代打男のアリバイ』
このネタは1時間ドラマというより2時間ドラマぽい。十津川警部辺りがアリバイ崩しの過程で指摘しそうだ。


No.198 6点 クビツリハイスクール
西尾維新
(2020/03/01 23:36登録)
平均点は高いけど自分は中途半端な点数を付けた作品には「トリック自体は素晴らしいと思うけど、置いてある所がバレバレすぎて驚けなかった」というのが多い。この本は逆で、トリック自体は小粒かもしれないが、思いもよらない所からパンチが出て来た感じ。こちらの方が好みだ。


No.197 4点 最良の嘘の最後のひと言
河野裕
(2020/02/28 03:20登録)
やたらと込み入った設定を覚えるのが面倒で、序盤で投げ出してしまったゲームがいくつかあるが、本作品もその類の複雑すぎる設定である。中盤はひたすら退屈であり、途中何度となく読むのをやめようかと思ったが、なんとか読み続けた。
終盤、通常のミステリ小説なら間違いなく驚かされるような事実が相次いで判明するが、超能力を持った人間が何人も登場するという異常な設定と、それゆえに生じた度を越えた複雑さのため、その効果が大幅に減じてしまっているように思えた。


No.196 5点 パラドックス学園 開かれた密室
鯨統一郎
(2020/02/25 01:35登録)
著者の作品はハチャメチャなタイムスリップもの含め何冊か読んでいて、正直あまり期待していな、いや何が起こっても驚かないので、この結末も平常運転に感じました。『冷たい太陽』を読んだ時の方が、むしろ大真面目過ぎて戸惑ったくらいです。


No.195 7点 消えたタンカー
西村京太郎
(2020/02/23 20:20登録)
欠点を挙げろと言われればいくらでも挙げられそうだが、スケールのバカでかさと面白さで細かいことなどどうでも良くなってしまう力技の一冊。十津川警部補の理路整然とした推理が、展開の大味さとミスマッチで良かったので7点で。


No.194 7点 ウサギの天使が呼んでいる
青柳碧人
(2020/02/20 06:04登録)
<内容紹介>
ショッピングサイト《ほしがり堂》を経営する深町ユリオ。節操なく色々なモノをほしがり、方々から集めたガラクタ(お宝)をほしい人に売っている。そんな彼はお宝をゲットしに行くと、なぜか必ず事件に巻き込まれてしまう! 身元不明のゾンビの死体の謎、ゴミ屋敷に隠された秘密など、ほしがり探偵が苦労人の妹と共に、お宝をめぐる数々の事件に挑む。ポップな連作ミステリ。

このシリーズの1冊目である。先に読んだ2冊目が良かったので読んでみたが、こちらも同じくらい良かった。両方とも短編が5つずつなので、長編も書いてほしいですね。


No.193 6点 屋根裏の美少年
西尾維新
(2020/02/20 06:01登録)
講堂の謎の解答は、なるほどそれしかないと納得。美術室の謎の解答は壮大すぎて推理不能なタイプだがこのストーリーの中でなら問題ないだろう。


No.192 6点 誰も僕を裁けない
早坂吝
(2020/02/14 05:35登録)
<ネタバレあり>


素人が見ても、付け焼刃の知識で書いたのが目に見える法律部分を除けば良く出来ていると思う。回転とエロを利用した殺人などは特に良かった。メインの叙述トリックと地理トリックも凝っていて精度は高いと思う。ただ凝りすぎていて見破りやすいというか。
落とし穴の精度は高い(どう見ても落とし穴などあるように見えない)のに「この先落とし穴などありません」という看板を立てている感じ。
叙述トリックは今まで10作くらい読んでいると思うけど、私レベルのミステリ読書歴でも全くもって気付かなかったのは確か2作だけなので、よほど作るのは難しいんでしょうね。フェアにしようと心がけるあまり、ヒントを与えすぎる作品が多いように思います。


No.191 7点 晴れ時々、食品サンプル
青柳碧人
(2020/02/13 05:06登録)
<内容紹介>
ショッピングサイト《ほしがり堂》を経営する深町ユリオは、筋金入りのマニアックなコレクター。古い家電や顔ハメ看板など、ガラクタにしか見えないモノに価値を見出し、お宝として売り捌く彼は事件を解決する名探偵でもあった! カウボーイグッズを身につけた被害者が落馬めいた死を遂げた事件、判じ絵ネタをする芸人宅で発見された被害者の傍にあった道具に隠されたメッセージ、食品サンプルコレクターの告別式で食品サンプルがばらまかれた謎など全5編。ほしがりの兄と苦労人の妹が、お宝をめぐる事件に挑む!

設定だけ見ると、またビブリオの亜流かと思ってしまうが、表題作以外はきちんと殺人が起こるので本格に投票した。謎解きも満足だし、登場人物も魅力的だ。人間的なドラマも盛り込んであるので、1時間ドラマにはうってつけの作品だと思う。なおこの本はシリーズ2作目とのこと。


No.190 6点 朱色の研究
有栖川有栖
(2020/02/06 06:43登録)
前半と後半の雰囲気がまったく違って戸惑った。前半はいかにも本格推理といった様相なのだが、後半は脱線が多く(その内容自体は面白いのだが)最後は何だか火村に丸め込まれた感じだった。


No.189 4点 オホーツク流氷殺人事件
葵瞬一郎
(2020/02/01 10:50登録)
作者は、東京都文京区生まれ。2017年10月、『東海道新幹線殺人事件』(講談社ノベルス)でデビュー。探してみたがこれ以外の情報が見つからない。ここまで非公表だと少し気になる。

さて、デビュー2作目の本書ですが、デビュー作よりかなり落ちます。本当に普通のよくある2時間ドラマ原作という感じでした。書くことがない・・・


No.188 10点 異邦の騎士
島田荘司
(2020/01/29 04:41登録)
あとがきによると、ファンの選ぶ島田作品人気NO.1を争う作品とのことですが、これは納得です。
完全版でどのくらい改訂したのかは知らないけれど、文句を付けたい所がありませんでした。
ミステリ部分が弱いとの評価もあるようですが、個人的には全く先を読めなかったので減点部分がありません。


No.187 6点 キングを探せ
法月綸太郎
(2020/01/24 06:31登録)
大体予想していたところに落ち着いた感じなので驚きはそれほどなかった。しかしながら、丁寧に描かれている作品で好感を持った。
ところで、読み返せばわかるのかもしれないけど、全員がトランプを処分していたら果たして解決できたのかな、この事件。

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