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ミステリの祭典

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パラドックス学園 開かれた密室
湾田乱人シリーズ

作家 鯨統一郎
出版日2006年01月
平均点4.40点
書評数5人

No.5 5点 mediocrity
(2020/02/25 01:35登録)
著者の作品はハチャメチャなタイムスリップもの含め何冊か読んでいて、正直あまり期待していな、いや何が起こっても驚かないので、この結末も平常運転に感じました。『冷たい太陽』を読んだ時の方が、むしろ大真面目過ぎて戸惑ったくらいです。

No.4 5点 メルカトル
(2019/05/15 22:24登録)
パラドックス学園というよりパラレル学園のほうがしっくりきます。確かにパラドックスに関しても記述はありますが、本筋はあくまでパラレルワールドですね。世界に名だたる若き日のミステリ作家たちが同じ学園に通う世界。しかも、彼らはミステリ小説に対する知識すら持っていない。そんな中で起こる密室殺人事件。これはなかなか魅力的な設定ではありますね。
しかし、大多数の人が何じゃこりゃと思うんじゃないでしょうか。特に本格志向の強い人ほどそのトリックの馬鹿馬鹿しさに怒りすら覚えるかもしれません。こんなものはミステリではないと一蹴するのは簡単ですが、あくまでメタミステリとの解釈により、個人的には納得できる内容でした。私は面白ければ何でもOKなくちですからね、このようなバカミスでも十分許容範囲内ですよ。

解決編はどんどんあらぬ方向へ向かって突っ走っていきますが、最終的にまさか作者が犯人とか言い出すんじゃないだろうなと危惧しましたが、何とか杞憂に終わり安堵しました。とは言え、犯人は意外すぎる人物で、しかもトリックがあれでは本を壁に叩き付けたくなる気持ちも分からないでもありませんが、それは出来ないような仕組みになっていたりします。
ともかく、「マトモ」なミステリではないので、それを了解したうえで読む分には支障はないですが、読者を選ぶ作品なのは間違いありません。
余談ですが、エラリー・クイーンの二人の正体には正直驚きました。油断してましたね。

No.3 4点 E-BANKER
(2012/04/17 23:05登録)
「ミステリアス学園」に続くミステリーそのものをパロディした怪作。
あの“ワンダ・ランド(湾田乱人)氏”が再度登場。

~パラドックス学園パラレル研究会、通称「パラパラ研」。ミステリー研究会志望のワンダはなぜかこのパラパラ研に入部することに。部員はドイル、ルブラン、カー、クリスティ・・・と錚々たる名前を持つ者ばかりだが、誰もミステリーを読んだことがないなんて・・・! やがて起こる密室殺人と予想もできない究極の大トリック! 鯨ミステリーのまさに極北~

ひとことで言うと、「よくもこんな本書いたなぁ・・・」。
敢えて分類するなら、メタ・ミステリーになるのかもしれないが、そんな分類なんて意味なし。
前作の「ミステリアス学園」を既読だったので、マトモなミステリーではないとは思っていたが、ここまでバカバカしいとは・・・
本当のミステリー初心者がこれを読んだら、混乱すること間違いなし。
(これをミステリーの中心点とは思わないだろうが・・・)

ちなみに紹介文にある「密室」と「究極の大トリック」については途中でだいたい察しがついたが、相当脱力感あり。
「○○の○」を真の犯人とした当りは、まぁある意味、「究極」なのかもしれないが・・・
でもなぁー、これを「面白い!」と評価するには、相当懐の深い心がないとムリだよ!
作者らしいと言えばそうなのだが、この「おフザケ」をどこまで楽しめるのかで本作の評価も変わってくるでしょう。

どうでもいいが、なぜポール・アルテが校長で、ピーター・ラブゼイが教頭なのか?
(ニコラス刑事にも笑ったが・・・)

No.2 5点 isurrender
(2011/09/16 22:48登録)
話自体は面白いです。
結構笑いながら読めました。
でも肝心のトリックはまあよく頑張ったなという感想が一番しっくりくるものでした。
嫌いじゃないけど、もうひと手間加えても面白かったかな。

No.1 3点 kanamori
(2010/08/23 17:39登録)
登場人物が重なっているので、一応「ミステリアス学園」の姉妹編かと思います。
ドイル、ポー、アガサなどの大学生が登場し、あの作品を連想させたり、カーが密室殺人の被害者になるなどプロット自体はパロディ趣向充分なんですが、事件の真相のバカバカしさ、いくつか挿入された逆説の陳腐さなど、嗜好から大きく外れた作品でした。

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