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ミステリの祭典

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最良の嘘の最後のひと言

作家 河野裕
出版日2017年02月
平均点3.50点
書評数2人

No.2 4点 mediocrity
(2020/02/28 03:20登録)
やたらと込み入った設定を覚えるのが面倒で、序盤で投げ出してしまったゲームがいくつかあるが、本作品もその類の複雑すぎる設定である。中盤はひたすら退屈であり、途中何度となく読むのをやめようかと思ったが、なんとか読み続けた。
終盤、通常のミステリ小説なら間違いなく驚かされるような事実が相次いで判明するが、超能力を持った人間が何人も登場するという異常な設定と、それゆえに生じた度を越えた複雑さのため、その効果が大幅に減じてしまっているように思えた。

No.1 3点 メルカトル
(2018/05/12 22:25登録)
世界的に成功を収めるIT企業ハルウィンには超能力研究の噂があった。ハルウィンは「4月1日に年収8000万で超能力者をひとり採用する」という告知を出す。審査を経て7名の自称超能力者が3月31日の夜に最終試験に臨むことになった。
日付が変わる瞬間に採用通知書を手にしていた者が雇用されるという。超能力者たちはそれぞれの能力を駆使して頭脳戦を繰り広げる。

とまあ、話だけ聞くと面白そうに思われるかもしれませんが、はっきり言って全然つまらないです。プロローグと最終章(6話)を除けば、ダラダラと能力者同士の騙し合いと陳腐なドタバタ劇が延々と続きとても煩雑です、何度か挫折しそうになりました。それは私の読解力のなさばかりとは言えないと思います。物語がすんなり頭に入ってこないリーダビリティの低さ、最後に親切にも時系列ごとに何が起こったのか纏めてくれていますが、それでも薄れた興味は二度と湧いてくることはありませんでした。巻き戻して再度確認する気力は私には残っていませんでした。
エピローグも余分でしょうね。

ラストでようやく「最終試験」のカラクリが見えてきて、若干そうだったのかとはなりますが、そこの捻りがなければ1点でしたね。主催者側の思惑など一切描かれることもなく、そちらも片手落ちに思えます。

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