幽体離脱殺人事件 吉敷竹史シリーズ |
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作家 | 島田荘司 |
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出版日 | 1989年05月 |
平均点 | 4.85点 |
書評数 | 13人 |
No.13 | 6点 | みりん | |
(2023/08/22 05:56登録) 吉敷竹史シリーズ第9弾 関西弁の女が強烈すぎて電話シーンだけで既に面白かった。『毒を売る女』でひたすら梅毒を移そうと奮闘するヤベー奴がいたけどあいつより印象に残った。 「女の親友同士は結婚する相手に、その男っぷりも経済状態もあまり差がついてはいけないということだ。相手と同程度の男と一緒にならなくてはいけない。」 そうなんですか世の女性の皆さん |
No.12 | 3点 | ボナンザ | |
(2020/05/16 15:51登録) 話もトリックもありきたりでインパクトに欠ける。最後のオチも作者としては深いこと言ったつもりなんだろうか。 |
No.11 | 5点 | mediocrity | |
(2020/03/18 06:21登録) 最終章とエピローグは無い方が良かったと思う。モヤモヤしていたものが一気に晴れ上がってそれなりに気持ち良く終結、だと思ってたら最後モヤモヤに逆戻りしてなんだか気持ちが悪い。 |
No.10 | 7点 | 斎藤警部 | |
(2019/12/26 11:23登録) “女の問題は、単純な理屈では割り切れない。あらゆる把握解決法が複雑に絡み合った化合物のようなものだ” ゆきずりの友情を守り抜く話。と書くとまるで(題名にそぐわぬ)ハードボイルド調みたいだが、、こんなドタクタ嫌ミスに加賀、じゃなかった吉敷を当てましたか。もしや元祖トラベルイヤミスですか。評判悪いのは納得で、私は嫌いじゃありません。この、ほど心地良い狂気の轍に浮かぶ時折の演説のくすぐり、しまそうならではのざらつく撫で付けにうっとりします。掴みっから強烈過ぎて、運が悪けりゃ撃沈する裏表紙あらすじ一言もチェゲラでけへんです。 しっかしずいぶん意外な展開を意外なバランスで見せるもんだな。そしてそこに、表題の持つ方向知れずの痛い圧力が。。見え隠れ、、奇妙に後ろのめりの遅いタイミングで待っていたのは本格推理の落とし前。挙句まさかのドタバタ終結に急襲されるまさかの吉敷(男のファン減らしたかな)。泣けたり何なりで忙しく満ち足りた終章。(終章の晒し表題がそそるのよね) 森誠先輩の大演説癖には苦笑するのが愉しいが、しまそう先輩の演説は素敵にくすぐってくれる。 メインのトリックはありきたりであからさまだが、しまそうの筆致に翻弄されてから明かされると、面白く豪快に思える。 しかしバランス悪い小説だね。 “私はついにそうつぶやいた” |
No.9 | 4点 | 蟷螂の斧 | |
(2018/03/05 17:26登録) 本作は「高山殺人行1/2の女」と同様に、セバスチアン・ジャプリゾ氏の「新車の中の女」(1966)のオマージュと思います。皆さんおっしゃる通り、解決篇が著者とは思えないくらい、あっさりしたものでした。その点が残念。 |
No.8 | 4点 | E-BANKER | |
(2014/07/11 23:27登録) 吉敷刑事シリーズの長編。 1989年発表。「幽体離脱」というフレーズが時代を感じさせる・・・ ~警視庁捜査一課の吉敷竹史のもとに、一枚の異様な現場写真が届いた。それは、三重県の観光名所・二見ヶ浦の夫婦岩で、二つの岩を結ぶしめ縄に首吊り状態でぶら下がった中年男性の死体が写っていた! しかも、死体の所持品の中から、吉敷が数日前に有楽町の酒場で知り合った京都在住の小瀬川杜夫の名刺が発見される・・・?~ これは、まぁ小品だな。 (かなり前に読了しており)再読だけど、あまり大した印象もない作品だったよなぁ・・・と考えながら読み始めたわけなのだが、 やっぱりその印象は変わらなった。 特に終盤がいただけない。 「幽体離脱」というタイトルが示すとおり、中盤までは幻想的な謎と雰囲気を醸し出そうという努力は窺えたのだけど・・・ 犯人側の独白という形で唐突に事件が終結することになる。 しかも吉敷は実質二日間であらゆる謎を解き明かしてしまう。 そのきっかけというのが「生年月日」にまつわる謎! (これは今では通用しないのだが・・・) とにかく呆気なさすぎる。 “鬼気迫る女”の描写は、名作「毒を売る女」に負けず劣らずスゴイのだが、それくらいしか褒めるところはない。 吉敷刑事シリーズは御手洗シリーズよりも作品ごとのレベル差が大きい。 本作はその中でも「中の下」という評価が精一杯かな。 (これで吉敷刑事シリーズの未読作品はなくなった。吉敷刑事は大好きなキャラクターだけに、続編を期待したいんだけどなぁ・・・) |
No.7 | 3点 | 江守森江 | |
(2010/11/22 07:24登録) 二時間ドラマの録画を観て原作のおさらいをしたのだが、一時流行った?「ザ・たっち」の幽体離脱ネタ並みのトリックにガッカリ感が漲る。 後の二時間ドラマ化を想定しながら吉敷シリーズを量産作品にするつもりだったのだろうか?とも想像出来るデキの作品で、完全なやっつけ仕事としか思えなかった。 |
No.6 | 5点 | seiryuu | |
(2010/09/23 16:44登録) 今回は吉敷でなくてもよかったような。 トリックもすぐわかる。 病んだ女性の描写はリアルだな。 |
No.5 | 4点 | りんちゃみ先輩 | |
(2009/12/26 13:24登録) 島田作品としては、ストーリーが唯々安っぽさを感じました。他の方も書かれていますが解決編での吉敷にはガッカリです。吉敷が酒場で出会った男に奥深い人生でもあり、それがこの事件の柱でもあれば違ったのですが・・そのままでした。それでも島田作品は好きなので続けて読んでいこうと思います。 |
No.4 | 5点 | simo10 | |
(2009/11/28 22:07登録) -ネタばれ含みます- 森岡輝子と小瀬川陽子の電話のやりとりがなかなかリアルに腹黒い感じで面白かったです。島田氏の描く主婦視点の語りはこういった表現が多く、多くの女性の反感を買いそうですが個人的には好きです。 二見の旅行からは、「眩暈」を思わせる狂気じみた展開になりかなりハラハラさせられました。 しかしせっかく途中まで面白かったのに、解決編は犯人達のわざとらしい解説口調の対話を吉敷達が盗聴するいう乱暴な暴き方であり、犯人と刑事の駆け引きを完全に省略する形となり、物足りなさを感じてしまいました。 なぜ森岡輝子が狂気に駆られたのかの納得いく説明もなく、また蛙の呪いについても何も触れられていないし。 残り約50ページ、締切りにでも追われてたのかなという出来でした。 |
No.3 | 6点 | E | |
(2009/10/02 20:53登録) この物語はただ只管・・ 小瀬川杜夫が憐れで 女って腹黒い!!! と、いう感想を持ちましたね。 事件の謎は「高山殺人行1/2の女」を思い出しました。 |
No.2 | 6点 | vivi | |
(2009/06/24 01:10登録) 題名のセンスが・・・(^^; 何か、そういうオカルトっぽいブームにでも乗ったのかな? 途中のサスペンスの部分は、 次にどうなるんだ!?というスリルに溢れていて、 ページを繰るのももどかしく、一気に読めました。 大体の「すじ」というか「たくらみ」は、 わりと分かりやすい伏線によって見えてくるけど、 あの解決では、吉敷の活躍が際立ちませんね。 終章とエピローグは蛇足だったかも・・・ 個人的には、相変わらずの女性への不信感(?)が悲しかったです。 |
No.1 | 5点 | Tetchy | |
(2005/08/25 23:09登録) 全体の印象として中途半端な感じがしました。小瀬川杜夫と吉敷とのエピソードは吉敷が事件に関わるためのファクターとして付加したようなテクニックを露呈していますし、森岡輝子と小瀬川陽子の電話のエピソード、輝子の行程のエピソードは十分読み応えがあって面白いですが、唐突に訪れる捕物劇は、およそ刑事小説とは思えないほど、あっけらかんとした物でちょっと納得しがたく感じました。通常一千枚ベースで作られる御手洗物で使われるテーマをかなり省略したような感じでした。 |