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ミステリの祭典

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羊太郎次郎吉さんの登録情報
平均点:6.64点 書評数:39件

プロフィール| 書評

No.19 10点 甲賀忍法帖
山田風太郎
(2016/11/20 07:22登録)
自分たちの命よりも頭目や里の繁栄を願い戦い続ける忍者達の姿は人間というより動物に近い。ラブストーリー要素もあるが、それですら動物的な本能の表れのように感じた。

忍者達の生まれ持った特性を生かした忍法に関してはそんなのあり?と思いつつ読んでるうちに気にならなくなってくるのが不思議。戦闘中の文章の美しさも必見。


No.18 5点 百鬼夜行 陰
京極夏彦
(2016/10/22 18:14登録)
雪絵さん、あんたなんてことを言うんだよ…。2年くらい子供のできない妻がペットが飼いたいなんて子供ができなくて寂しいって言ってるようなもんじゃん!
「鉄鼠の檻」で潔くなきゃタツさんとは添えませんと言ってた時にも思ったけどこの人関口と暮らすの向いてないよ。関口が普通の人より自分の非に過敏でメンタルが豆腐だってことがわかってない。


No.17 5点 百器徒然袋 風
京極夏彦
(2016/10/22 18:03登録)
榎木津の暴走についていける人のみ楽しめる作品。中禅寺の「榎木津はね、あれはあれで、榎木津という面を被って暮らしてあるんですよ。」というセリフにも当たり前だろ!としか思わなかった。あれが素だったら怖いよ!


No.16 4点 百器徒然袋 雨
京極夏彦
(2016/10/22 17:55登録)
この作品を読んで、榎木津は脇役だから引き立つキャラなんだなとつくづく思った。メインに持ってくるべきじゃないよこのキャラは。料理でいうなら隠し味としては欠かせないけどメインの味付けとしてはまず使わない調味料を大量に入れた料理を食べさせられた気分。


No.15 5点 陰摩羅鬼の瑕
京極夏彦
(2016/10/21 07:10登録)
元刑事の伊庭が見ていて不愉快だった。古き良き時代の男と言えばそうなのかもしれないけど、現代人の目線ではただのハラスメントジジイ。他人の奥さんに丈夫な子供をたくさん産めというのも今ならセクハラだよなあ。駐在の奥さんが健康で何人も生んでる人だから良かったけどさ。これが妊娠しづらい体質な人だとか前回帝王切開でもう産めないとかいう人だったらどうする気だったんだろう。


No.14 5点 塗仏の宴
京極夏彦
(2016/10/21 07:06登録)
いくつもの話が並んで進行するので頭がこんがらがりそうになった。
「鉄鼠の檻」でも思ったけど敦子は恋愛や結婚に向いてない女性だと思った。結婚生活や育児には理屈は通用しないしむしろ邪魔なことすらあるからな〜この時代なら特に。

それにしてもどうして百鬼夜行シリーズに出てくる女キャラはみんな実年齢より若く見える美女だらけなんでしょう?雪絵は生活苦のせいで少々老けてるらしいけど。「絡新婦の理」だって織作家の母娘たちが麗人揃いよりブス揃いの方が面白い作品になったと思う。男や因習に対抗する醜女、なんて斬新でかっこいいじゃないか。


No.13 5点 鉄鼠の檻
京極夏彦
(2016/10/21 06:59登録)
益田の聞き上手ぶりに見惚れた。(読み惚れた?)

敦子は見た目はお人形さんだけど中身は京極堂の女版なんだねえ。結婚したら旦那さん苦労しそう。というかこういうタイプの子は結婚しないほうがいい気がする。


No.12 6点 絡新婦の理
京極夏彦
(2016/10/21 06:55登録)
途中で犯人がすぐ分かった。だって明らかに周囲から浮いてるじゃんあの人。やってることやセリフも白々しいし。

お潤に「男の敵は女」と言わせるのがなんだかな。基本的に男としか付き合わない仕事をしている彼女にそんなこと言わせても「それはあんたが女の多い職場の怖さを知らないからなんじゃない?」としか…。彼女の冷静さや公平さを表現するためにそういうセリフを言わせたのかもしれないけど、このセリフは男にも女にも揉まれる仕事をしている人が言わないと説得力がないよ。

里村は「看護婦さんは不足してるから大事にしないと辞められてしまう」と言っているが、昭和20年代は戦中の医師・看護婦の供給過多のせいでむしろ医師や看護婦が余っていた時代なのでは?朝ドラの「べっぴんさん」でも従軍看護婦や軍医が外地から帰って来たせいで病院をクビになってしまった看護婦さんがいたような気が。


No.11 6点 狂骨の夢
京極夏彦
(2016/10/21 06:50登録)
降旗がいい感じに気持ち悪い。百鬼夜行シリーズに出てくるキャラは男の方が女よりウエットな気がする。ラストの朱美のセリフと行動が爽快。自分と自分の親のことしか考えられない男なんか捨てろ。


No.10 10点 魍魎の匣
京極夏彦
(2016/10/20 07:18登録)
国内ミステリ界におけるグロ系ミステリーの最高峰。事件もグロいが人間関係や登場人物の考え方もグロい。姑獲鳥の夏の衝撃も吹っ飛ぶ京極夏彦の最高作品。

陽子には死刑になって欲しいのだけど、何年かしたら出所してくるのかな。死にかけの母親をいびり倒し父に迫り加奈子の夜遊びを放置し仕方なかったとはいえ周りを騙し続けた罪は、考えようによっては久保や父親より重いと思うんだが。


No.9 8点 姑獲鳥の夏
京極夏彦
(2016/10/20 07:11登録)
映画を先に見ていたのでキャラクターの容姿描写に驚いた。榎木津は言うまでもないけど、久遠寺涼子って40歳近くの女優さんが演じてなかったっけ?原作では実年齢が28歳で見た目年齢が18歳らしいけど。当時の28歳の女性の世間からの扱われ方や物の考え方が今で言えば30代の後半に相当するから、というのが理由なのだろうか。

というか主人公が学生の時美少女をレイプした経験があるって…いいのかこんな設定。


No.8 9点 今昔続百鬼 雲
京極夏彦
(2016/10/19 12:59登録)
多々良のキャラが良い。
自分のことは棚にあげるわすぐ人のせいにするわプライドが高いクセに腹を満たす為なら平気で情けない行動に出るわ気絶するわでとんでもないオヤジだけど、ここまでくるともうアッパレとしか言いようがない。
もっともこんな風に思えるのは挿絵の多々良が可愛らしい上に飯の種にはならないとはいえ知識豊富な学者だからであって、そこら辺の小太り親父が同じような態度をしていたらぶん殴ってやりたくなるんだろうけど。

変態こと里村と多々良のやり取りは珍妙だけど、よく考えるとかなり重みのある会話だなと思った。里村が変死体と聞けば警察に飛んで行くというのも、解剖フェチなだけでなく他の監察医にやらせると屍体を粗末に扱うから、というのもあるのかもしれない。


No.7 5点 邪魅の雫
京極夏彦
(2016/10/19 07:16登録)
女性人気ナンバーワンの榎木津の元カノなんて出しちゃって良いのかしら。これからの売り上げに支障が出るんじゃないの…ってこの巻以降百鬼夜行シリーズは出版されていないのだけど。

元カノも榎木津が惚れるような良い女とは思えなくて不満。努力家で負けず嫌いなのは認めるけど、嫉妬深いわ他人に対して上から目線で偉そうだわ自分のやったことを「貴方達だって邪悪な部分を持ってるでしょ?!」とか言って正当化しようとするわ…人間らしいと言えばそうだけどある意味シリーズ史上最も邪悪な犯人。自分の手は汚さず人の弱みにつけ込み被害者達に危害を加える理由も嫉妬以外に特になかった…ってもう最悪じゃん。


No.6 5点 夢魔の棲まう処
藤木稟
(2016/03/25 05:56登録)
本郷さんは何故律子を処女だと思っているんだろう?律子って確か周りからは元花魁だと思われてるんじゃなかったっけ?というか本郷さんと律子は舞台ハーメルンに哭く笛で一度話をしているのにどうしてマリコ=律子だって気付かないんだろう?

日本人に家族を惨殺された律子が日本人の浮浪児に布団やお菓子を配るってのもなんかおかしい気がする。時々小銭握らせる程度なら分かるけど親の仇の同胞に対してそこまでする気になるもんかね〜。藤木稟さんとしては律子の優しさを強調したくて書いたのかもしれないけど、やり過ぎだと思う。しかも命の恩人でかつ障害者の兄が仕事忙しくてイライラしてるのに自分だけやりたいことやってるってどうよ。

朱雀が電話で馬場に対して「アキメクラ!」と喚く場面があるが、アキメクラとは目が見えるのに状況が把握できない人間のことじゃなく脳の障害や教育を受けなかったことが原因で字が読めない人間のことじゃなかったっけか。


No.5 5点 大年神が彷徨う島
藤木稟
(2016/03/24 13:01登録)
天主家のお屋敷で自分の命を軽んじる発言をしてめちゃくちゃ朱雀に怒られたのに、朱雀が来るまでおとなしくしていない律子にボーゼン。

律子がもと軽業師な上に「ハーメルンに哭く笛」のラストで洋服に火をつけらたのに肌が白魚のように綺麗でスベスベというのに違和感を感じた。13年間も軽業師やってた人が体に傷一つなくスベスベ、なんてことあるのかな?


No.4 5点 黄泉津比良坂、暗夜行路
藤木稟
(2016/03/24 12:55登録)
律子はどうして柏木に沙々羅の事を「強い人」だと言ったのだろう。おそらく家宝を思い切って壊したところを見たからなんだろうけど、沙々羅は家宝を家のために壊そうとして壊したのではなく色々な真実をいきなり突きつけられてヤケになって衝動的に壊しただけなんじゃ?

華子の扱いが哀れすぎると思う。1人だけ醜女に生まれて外に連れ出してくれる親戚もおらず夫にもないがしろにされ女子供に弱い設定の朱雀にすら「何者だったんだ?」と思われるって何だよ。彼女が気持ち悪い性格になったのは本人の責任じゃないだろ。美人だらけの中で1人だけ醜女で隔離された屋敷で32年間も暮らしてたら誰だって性格歪むだろ。

屋敷の中を探索している最中にこの屋敷の人たちはみんなおかしい!と恐れおののく律子にもイラッときた。長い間外部とほとんど接触のなかった人達が、自分達の屋敷に珍客が来るわ失踪事件は起きるわ殺人事件は起きるわじゃおかしくなって当然だろ…。

イラっときたといえば沙々羅。事件解決に手を貸してくれた律子に着古しの服なんて送るなよ!そりゃ天主家のお嬢様の服だから着古しでも立派で豪華なシロモノなんだろうが…。というか沙々羅と律子が同じ服を着られるっておかしくないか?沙々羅が律子に送った服は描写から考えて体のサイズがぴったりじゃないと切るのが厳しそうなデザインだと思われる。でも沙々羅は律子よりも背が低く律子よりも肩や首が華奢で胸がふくよかという設定なのだ。もし律子が沙々羅に送られた服を着ようとしたら、胸がブカブカして肩がキツキツでウエストの絞ってある位置が肋骨のあたりに来てしまい、とても着られたもんじゃないと思うのだが…。


No.3 5点 黄泉津比良坂、血祭りの館
藤木稟
(2016/03/24 12:42登録)
冒頭の天主家の少女達を品定めするような容姿描写が不愉快だった。華子は可哀想だな。周りの少女達が美少女だらけで同じ両親から生まれた姉ですらまあまあの顔なのに自分だけ醜女だなんて。


No.2 5点 ハーメルンに哭く笛
藤木稟
(2016/03/24 12:38登録)
前巻に比べて思想色が強くグロテスクな描写が多いので好き嫌いが分かれそうな作品に仕上がっている。また当時の科学でそんなことができたのか?という様な描写もあり「律子」がうまい具合に亡くなるのも都合が良すぎる気がした。

前巻では「まっすぐで正義感の強い男」と「卑怯で臆病な男」という二面性を持っていた柏木がただの女に弱い熱血漢に変わっているのが残念だった。

ところでこの時代の二十歳って、「女の子」なんだろうか?真理子が柏木に睡眠薬を分けてあげようとした時に柏木が律子にこんな事件が立て続けに起こったら女の子は不安で眠れないよね、みたいなことを言っていたが…


No.1 5点 陀吉尼の紡ぐ糸
藤木稟
(2016/03/24 12:29登録)
朱雀よりも柏木の方が好き。柏木は正義感が強くて暑い男に見せかけて未練がましいところや卑怯なところがある人間らしい性格をしてあるが、朱雀は外見も頭脳も出来すぎていて親しみがわかない。盲目の天才美青年というところも女性読者を狙っているという感じがしてなんかムカつく。

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