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ミステリの祭典

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平均点:4.96点 書評数:24件

プロフィール| 書評

No.24 7点 双蛇密室
早坂吝
(2017/11/23 00:25登録)
らいちの言動が優しかったり冷酷に突き放したり、ちぐはぐ
掴みどころが見え隠れするところが魅力だったが
ラストでその魅力を失ってしまった感じ
あの刑事があんなことで絶望に陥ってるのも何か脚本の無理やりが出ている

トリックは新しくエロが決め手なのはグッド
相変わらず序盤がとても面白い
蛇女は個性も設定も中途半端なのでもっと暴れさせたら最高だった


No.23 6点 聖女の毒杯
井上真偽
(2017/11/22 20:49登録)
複雑な論戦の行きつく先はシンプルさ、インパクトが求められるけど
〇がああして〇をこうして・・・という作業的で地味なトリックで終わった
運任せの部分も大きいし
少年とフーリンのキャラは立ってたので、2人を軸にした推理の応酬は感情移入して読みやすかった
逆に探偵の推理場面はほとんどお勉強会で目が滑る


No.22 5点 ドローン探偵と世界の終わりの館
早坂吝
(2017/11/18 00:15登録)
アレを巡って殺人が起こる
そのアレって何だ?と思考タイムがあったのは良かった
舞台設定も〇
ただトリックの余韻も無くはじまった説明が長すぎる
物理的な話にもなってきて、もはや辻褄合わせの為の弁明に近かった
もっとシンプルな話にした方がトリックも活きたんじゃないか


No.21 5点 10分間ミステリー
アンソロジー(出版社編)
(2017/11/03 01:37登録)
2012年出版だったような…

デビュー作品でミステリー色が薄かった人のショートショートはやっぱりつまらなかった。
捻りの無いウェブ小説みたいな内容が8割で、ただの内輪ネタもあって寒い。
30人近く集まったわりに読み応えは無い。
ただ、おっと思わせるオチが2割ほどあったので結果そこそこ楽しめた。


No.20 4点 アリス・ザ・ワンダーキラー
早坂吝
(2017/10/23 16:29登録)
相手の思惑通りになり手に汗握るシーンになったのに
そこからどうするのか?という期待に対してしょーもないどんでん返しを入れた事ですべてが茶番臭くなった

主人公が十歳なのに三十歳レベルの会話の駆け引きをしてるのも違和感


No.19 4点 呪われた町
スティーヴン・キング
(2016/12/15 01:16登録)
物語が動き出すのが遅い。
街の住人をじっくりじっくりと描いているため。
動き出してからは集中して読める。
街が侵略されていき、あちら側になった人間が迎えに来る恐怖などなかなかのもの。

終盤になると話が一気にショボくなる。
聖水や十字架など、なんだかゲーム的な要素で吸血鬼をやっつけてる流れに。
王道なのはわかるが、それまでの頑張って書かれた緻密な描写は何だったんだろうと思ってしまう。
海外の宗教では普通なんだろうけど、神への信仰、絶対正義の聖なる力というものに馴染みが無い日本人としては、安っぽさやゲーム臭さを感じてしまった。


No.18 3点 セカンド・ラブ
乾くるみ
(2016/08/23 17:44登録)
単純に話が面白くない。
人物造形も不自然で、不必要な会話が多い。
この人の話いるかな?という無駄に思える箇所がそこそこあり。
肝心のしかけが手垢のついたオチで酷い。


No.17 6点 誰も僕を裁けない
早坂吝
(2016/08/04 19:10登録)
中盤の少年逮捕あたりから、資料をそのままコピペしたようなつまらない説明文が続く。後半に入っても、資料をそのまま説明したような退屈な戦後のエピソード披露が続く
それに作者の悪い癖であるメタ発言が出始め、一気にしらけてくる。
おかげで肝心のトリックが響いてこない。

持ち味のエロ要素も前半とてもエロくて良かったのに、中盤以降どんどん薄くなり、省略ばかりで残念。
らいちが探偵役である必要性も薄い。
刑事も推理するし。

中盤までなら10点。
読み進めるのがもったいないくらい面白く、完璧一辺倒じゃない上木らいちも魅力的だった。
熱中度を持続できない雑な構成がもったいない。


No.16 3点 ミステリー・アリーナ
深水黎一郎
(2016/07/12 16:33登録)
新法律に支えられたハイリスクハイリターンの国民的クイズ番組
狂言回しの司会者に潜入工作員の解答者
これは「国民クイズ」という漫画そのまんま。もう既視感しかない

推理クイズとテキストの2つが交互に進むが
解答者の推理はこのあとテキストで否定されるんだろうな、と序盤で気づいてしまうワンパターン構成なので最後の数十ページまで目が滑りまくる。
とにかく流れ作業的。

真相である解答は、最後の最後に炸裂するようなインパクトも全然無い
くだらないアンフェア。
解答者達に司会者は言い訳しまくるが読者としてはたまったもんじゃない。
頑張って多重解決を詰めまくりました、だから何?という読後感。


No.15 5点 星籠の海
島田荘司
(2016/07/04 23:04登録)
3人のサブストーリーがあるが
彼らは宗教団体ボスを倒すきっかけになったからスポットが当たったんだろう。
でもボスはよくわからない奴で別に逃げられようとどうでもいい。
星籠というテーマと関係無いし。

海を守るため疾走し、トリを飾った人。彼にほとんどスポットを当てなかったせいで、全く感情移入できないラストになっている。
全体的に散漫なので他人に勧められる本じゃない。

御手洗が出ているシーンは面白い。推理も犯人を追いつめる手管も素晴らしい。
ただ妙にヘタレになっている箇所があって意図がわからない。


No.14 6点 聖女の救済
東野圭吾
(2016/05/18 01:25登録)
あーなるほどねー
と思わせるトリックの出来の良さだった。

ただ、犯人がそこまでするような愛憎を読んでてまったく感じなかった。
リスクと根気で大変な計画殺人に結びついてない。
犯人がただのトリックの為の装置になってて物語としても響いてこない。
だからふーんで終わった。

読んでる最中はトリックが気になってそこそこ面白かった。


No.13 4点 水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪
佐藤友哉
(2015/09/21 08:42登録)
3つのストーリーが後で繋がるんだろうな~
という予想通りに繋がった。おおまかにいえばそれだけ。
グロ鬱で何かややこしい作風に飾ってはいるけど。
読んだ本はキホン本棚なんだけど珍しくゴミの日に捨てた本


No.12 3点 龍の寺の晒し首
小島正樹
(2015/09/12 15:28登録)
どうでもいい謎がいっぱい出てくる。
偶然や錯覚に頼りきっていて残念。
他の著作でもその傾向は強いが、これはトップクラス。
それに探偵が気持ち悪い。表情の変え方、感情の出し方など、人間のマネするロボみたい。


No.11 5点 人形はなぜ殺される
高木彬光
(2015/09/02 21:17登録)
古典作品にありがちな、この先に待ち受ける悲劇などを先に教えてくれるネタバレが何回もある。
先に展開がわかって読むことになるので全然ワクワクしない。
大探偵扱いされる神津が最近の名探偵に比べて無能すぎる。そして彼の勘の鈍さで成り立ってる連続殺人なのでグダグダ。
盛り上がりそうと思ったらすぐグダるので、全体的に盛り上がりポイントが少ない。
良い部分としては下らない知識のひけらかしが頻発するが、わりと短いこと。
それと古いのに読みやすい。ほとんど目が滑らずに読破できた。文章は非常に上手い。


No.10 6点 贖罪の奏鳴曲
中山七里
(2015/08/28 16:51登録)
途中まではわりと面白いが、真相が予想内なのがちょっと残念。
たぶんこうだろうな~って枠に完全に収まって終わる。
それと文章も構成も妙に硬い。読みやすいのに硬い。古いに近いかも。
なんか無理して肩ひじ張って書いてるのかなと思ってしまう。
そのせいで熱中度は低い。
優等生的な佳作小説といえる。
登場人物達に関しては非常に良い。


No.9 6点 公開処刑人 森のくまさん
堀内公太郎
(2015/08/27 16:09登録)
犯人がわかりやすすぎる。普段ミステリー読まない人でもわかる。
しかも中盤くらいで犯人が決定的にわかってしまう。
その後で○○が犯人だったドーンとされても、そう・・・としか思えない。
残りページ数からみて、もうひとひねりあるのかと思っていたら
何も無かった。
後半は同じようなシーンが連続してて飽きやすい。

ほどよく読めてイヤな感じの人物描写は良いと思う。
序盤中盤と先が気になってページを進めたくなるテンポの良さはある。


No.8 6点 さよならのためだけに
我孫子武丸
(2015/08/25 21:09登録)
読んでる最中はなかなか熱中して読めた。
非常に読みやすく、展開も早い。
結末が予想通りなので読後の余韻はかなり薄い。
ひとひねり欲しいところ。

かなり気になった点として
作中のマッチングシステムは、実際には少子化の改善に寄与しないと思う。
日本においては相性なんかより金と肩書きが問題。
例えば、これからも増え続ける非正規社員が結婚なんて出来るかな?とか経済的な面を考えると、読みながら違和感があった。
昭和は総中流の時代だから結婚率も高かったわけだし。
それと中途半端に未来のテクノロジーが出てくるが、生活様式が全く現代なものだから浮いてる。
全体的に浅い。

読みやすさだけは抜群。


No.7 7点 犬坊里美の冒険
島田荘司
(2015/08/19 00:56登録)
漢字苦手で言葉遣いが幼稚でスイーツ脳という
法廷侮辱してるような女が法定で弁護団の末席で奮闘する。
裁判官や上司がイラついてる描写を見ると作者もわかってやってるんだろう。
それに反して読後感がとてもいい。
嫌味のある検事、妙に腹が立つおばさん達、短気な上司が、それぞれただの悪者の記号ではなく、善の部分も持っていると伝わってきた。
それと人生ままならないということも。
里美自体も、よく考えれば20代女性の平均的性格だと思う。

トリックについては「え、そんなグロい真相が?イヤミス?」と思わせてまた別の真相を用意してくれているところが好感。

恋愛要素が入ってるのは女性誌連載だったからなのかもしれない。


No.6 4点 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!
深水黎一郎
(2015/08/16 23:05登録)
非常に問題なのは
被害者が勝手に死んでること
読んだから死んだわけじゃなく被害者の内的要因
だから自分が犯人とは到底思えなかった
遠回りな自殺としか思えない

新機軸だったかと聞かれたらNOといえる
現実を侵食するような類のものではなく、作中作の域から出てない


No.5 5点 虹の歯ブラシ 上木らいち発散
早坂吝
(2015/08/16 00:36登録)
最初の紫の章が一番面白い。
ほどよく本格。幻想的な描写がちゃんと現実として回収されていて満足。

ただ後の章になるほど適当になってくる。
最後は読者を煙に巻くジェットコースターで新鮮だったが
ゴールは予想を越えるどころか、素人作家やダメミス作家がやる○○ネタで着地。
正直失望した。結末・真相というミステリの重要なゴールが造れない作者の力量が垣間見えて、もう次作は読まなくていいかなって思ったり。

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