贖罪の奏鳴曲 御子柴礼司シリーズ |
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作家 | 中山七里 |
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出版日 | 2011年12月 |
平均点 | 6.50点 |
書評数 | 32人 |
No.32 | 6点 | okutetsu | |
(2023/10/22 21:25登録) 非常に読みやすく設定も面白かった。 主人公が元殺人犯というのもいいし、少年院での描写もよくて、主人公の好感度は最低のところから少しづつ上がっていった。 とはいえやっぱり酒鬼薔薇聖斗が頭に浮かんで、素直に応援しづらいところもあるので複雑な気持ち。 ミステリ的にはひねってはいるけどやっぱり最後の犯人のところはいくらなんでも無理がある。あれを計画的にやろうなんて考えられるやつはいないし、自分の身が危険すぎる。最初の犯人指摘のところで終わって十分な気はする。 あとやっぱり主人公の死体遺棄はどう考えてもダメでしょ。救われたかったとしてそこまでやる義理はないし、贖罪になってないと思う。 |
No.31 | 7点 | take5 | |
(2023/09/18 10:54登録) 好きなタイプのミステリーでした。 法廷での大逆転。 キャラの立った主人公の生い立ちと メインストーリーのリンク。 人が更正できるのなら、 その要因は何なのか。 少年犯罪を扱う社会派でもあり、 今後もこのシリーズで しばらく楽しめそうです。 300ページ未満のこなれた文章も 大変好ましいです。 ※主人公が弁護士として やっちゃいけない運搬をしてるのも、 かつての教官のいう、 死ぬまで贖罪の労を惜しむな ということを体現していて良しと。 |
No.30 | 7点 | みりん | |
(2023/05/29 22:21登録) 音楽ミステリかと思って読むと法廷ミステリだった。なぜかリーガル・ハイを思い出したなあ。 結構長い演奏シーンは要らないといえば要らないんだけど、「熱情」よりも「月光」を聴きながら読むと没入感あって良いですよ。 "贖罪"というテーマ、難しいけれど少年院の描写のおかげで御子柴の親子への献身の動機も理解しやすい。後味は悪いが、確実に読んで良かった作品。 |
No.29 | 4点 | レッドキング | |
(2023/01/28 21:39登録) 医療機器による保険金殺人裁判。病院で急死した町工場経営者の妻を被告に、法廷サスペンス劇が展開して、主役は、あざとい迄にトンデモな過去持ち設定のハードボイルド風味弁護士。彼自身の過去描写と併せて、事件の真相解明ドンデン返し劇が収束するが、再ドンデン返し・・これまた、あざとくどぎついネタで・・が待っていた。 |
No.28 | 3点 | mediocrity | |
(2021/04/08 01:20登録) 著者の本は確か5冊目だが、「多くの方が驚いている所で自分は何とも感じない」作家のひとりで、今作も平均点が現状で6.70もある理由がよくわからない。 普段から参考にさせていただいている方々の高評価の書評を拝読しても、なんだかあまりにも感じ方が正反対なので、狐につままれているような感覚とでも言いましょうか。 設定が特殊なだけで、謎解き自体はよくある2時間ドラマの法廷ものと大して変わらないと感じました。 ところで、御子柴の行為は完全にアウトだと思うけど、2作目が存在するということは警察が見逃したのだろうか? |
No.27 | 6点 | ミステリ初心者 | |
(2020/10/15 19:57登録) ネタバレをしています。 前情報を調べずに買いましたが、なかなか衝撃的な主人公と登場人物たち、衝撃的なストーリーでした! まず、主人公・御子柴が死体を処理するというところから驚きでした。次第に御子柴が弁護する事件について明らかになっていき、それと同時に御子柴が処理をしたと思われる記者の存在も語られていきます。 さあこれから…というときに、結構なボリュームの御子柴過去編が始まります。これがまた衝撃の過去です。どう受けてめていいかわからない話ですが、個人的には面白かったです。 法廷での御子柴の鮮やかな勝利と、意外な犯人。どんでん返しもあり、推理小説的な"読者の裏をかく"こともしっかりとしています。 以下、難癖。 ・御子柴の過去編は、推理小説的には無くてもいい。 欲を言えば、この過去編がなにか結末への伏線なりヒントになっているのが理想でした。 ・ちょっと意外性のない犯人。知識のいる殺害方法。 私は論理的なことは全くわかりませんでしたが、実は、幹也を露骨に疑っておりました(笑)。父殺しについては不確実だと思いますし、電気による殺しは個人的に好きではありません(笑)。ただ、この殺害方法は幹也犯人を示唆するような気がします。 御子柴のダークヒーローさはかっこいいですが、渡瀬もいいですね。全体として後味が悪いのですが、次回作にも出そうなキャラクターに魅力たっぷりです。 |
No.26 | 7点 | 斎藤警部 | |
(2020/07/06 09:47登録) 流石のピアノ演奏描写はさておき、微妙にキメが粗くリアリティ上滑りな展開の末、遂に(!)躍動する裁判シーン(+α)迄で終わっていたら、はーん、まあそうだよねー って予想内の結末でしたが、その後が。。。 三つある内の二つはともかく、もう一つの動機の狂おしさは、刺さりました。。 そこで倒れ込んでゆっくりしていたら、 まだ 奥が あったのか 。。。。 忘れた頃にやって来た更にもう一つのアレが合わせ技に加わり、勝負あり。 (御子柴があの動機に気付かなかったのは、●●への愛憎という気持ちが欠落しているためか) 特殊少年院時代の回想部分、やはり筆致の粗さに現場感の薄さは目立つものの、魅力ある重鎮、哀れな末路の少年達やその家族と、ピンポイントの人物造形は心に残る。 構成の妙的な視点で言うと、オープニングはどうせ見え透いたギミックだろって感じだけど、エンディングの方はちょっとやばいね。 真の●●●が実は●●●(だけ)じゃなかった、って。。 |
No.25 | 5点 | ボナンザ | |
(2019/11/26 21:26登録) 最後の展開は中々よかったが御子柴の過去と現在の動機が大してつながらないのが残念。 カバー裏のあらすじは結構読む人が読めばハハんとなると思う。 |
No.24 | 1点 | 自由 | |
(2019/11/08 23:45登録) 弁護士のリアリティのなさにトホホ……お金をムダにしました |
No.23 | 1点 | タピ岡 | |
(2019/11/06 22:02登録) どっちが1巻かわかるよにしないから,逆に読んだ,マジでつまらん. |
No.22 | 7点 | モンケ | |
(2019/10/20 14:20登録) この特異弁護士シリーズ、これから読むべきだったんですね。順番が違っていたようです。これも面白かったですね。決して勧善懲悪や弱者救済ではないというポイントを外してないところが良いです。ただ、自分としては「追憶の夜想曲」の方が好きですね。あのトリックとの絡め方が少しいただけませんでしたね。 |
No.21 | 8点 | ゆうじ | |
(2019/09/21 16:44登録) 御子柴弁護士の異常な過去に息をのみ、到底現在の姿は受け入れられないが、その分スリルを感じるのかもしれない。人間の深層心理の許容が計り知れず、読みたくない、いや読みたいと、小さな葛藤をする自分がいる。結局手に取ってしまうが…。いやはや、自分は小物である。 |
No.20 | 10点 | 雷令老 | |
(2019/08/11 12:46登録) 面白い! 弁護士VS刑事、弁護士VS検事、さらには弁護士VS被告おまけに弁護士VS真犯人による手に汗握る攻守入代わり見事なサスペンスミステリー。 勧善懲悪にもイヤミスにも堕することなく爽快でありながらニヒルな大人の娯楽作品。 |
No.19 | 9点 | あびびび | |
(2019/06/22 23:41登録) 最初から犯人が露見して、じわじわ追い詰めていく物語かと、半分諦めながら読んでいたのだが、途中でギヤが変わってハイスピードに。御子柴弁護士と渡瀬刑事、この対比が物語に深みを与えている感じで、最後は素晴らしい読後感。切れ味も申し分なかった。 |
No.18 | 7点 | mozart | |
(2018/08/28 18:20登録) 図書館の予約の都合上「追憶~」、「悪徳~」と読んでからこの「贖罪~」を読むに至りました。法廷でのどんでん返し、その後のさらなる真相の提示など、本シリーズに共通するもの(お決まりのパターン?)で、これらについては文句なく楽しめました。ただ、最初に読んだ「追憶~」で主人公の(表面上の)キャラクターが刷り込まれていたので、医療少年院時代のエピソードは意外と「普通」でむしろ新鮮でした。もっと暗く屈折した心情の揺らぎや変容がその後の彼の行動原理つながっているのかと思っていたのですが・・・。 |
No.17 | 8点 | VOLKS | |
(2018/07/09 08:33登録) 「最初から犯人解ってる呈での読み物なのねー」という単純な思考回路でスタートしてしまったので、実はあまり読むスピードも気分も上がらず… 更には御子柴という人物にあまり好感も持てず… しかし、途中から「これはもしかして?」とワクワクしている。 しかも、気付けば御子柴のことが好きになっている(笑) まんまと作者のペースにハマり、それが楽しめる作品だった。 面白かった。 少年院のくだりは、御子柴という人物を表現するにあたり、必要不可欠な部分だったのか、と改めて感じた。 |
No.16 | 8点 | 名探偵ジャパン | |
(2018/06/03 17:23登録) これは面白かったです。 冒頭から中盤はハラハラしっぱなし(内容にも、「ここまで書いて、どう落とし前付けるんだ?」というメタ的な視点でも)だったのですが、第三章からようやく物語が落ち着きを見せ、安心して読み進めることができるようになりました。 ピアノを聴いて改心とか、携帯電話の持ち込みはもっと早く誰か指摘するはずでは?(違和感を持った読者も多かったはず)など、突っ込みどころはありますが、それらを抱え込んでもなお読者を圧倒するパワーに溢れています。 登場人物たちも、誰も彼も(善悪という区分ということではなく)魅力的で、久しぶりに「終わらないでくれ」と思いながら読んだ本になりました。お勧めです。 |
No.15 | 1点 | sm556s | |
(2018/05/11 11:32登録) ネタバレあり 本格としては5点、法廷サスペンスとしての加点が2点、といった感じです。スピード感があって次々に展開が変わって面白かったです。真の意味の罪人が男であることが独白として出てくるのですが、もともと男は登場人物が限られており、最後明らかになった時も「やっぱりそうだったか」という感じであまり驚きはなかったです。 |
No.14 | 7点 | 初老人 | |
(2018/02/21 12:25登録) この作者の原作を初めて読んだが、二段階オチ、トリック、主要登場人物のほとんど全てに見せどころを用意してある点など複数の要素が綺麗に決まり、上手く着地している。 続編があり、既に文庫化されているとの事だが、そちらの作品を読む事があればおそらく8点より下の点数は付けないだろう。 |
No.13 | 9点 | ねここねこ男爵 | |
(2018/02/14 14:07登録) これは面白かった。 弁護は絶望的と思われる案件の弁護を買って出るダークヒーロー御子柴弁護士シリーズの第一作です。 社会派・法廷ミステリということになると思いますので、トリック等の解明ではなく謎の提示やその解決、取り巻く人間関係や人物描写が面白さの中心になりますが、本作はそのお手本のような出来。魅力的な人物描写や文章、構造の転換による衝撃成分などお約束事をきちんと網羅した上にオリジナリティもしっかり確保されており文句なし。 好みもあるかとは思いますが、この作者は異常に文章が上手く、岬洋介シリーズで特に顕著ですが演奏シーンの文章は感動的です。本作中にもピアノの演奏シーンがあり、(評者の表現力が貧弱で恐縮ですが)演奏されている曲が聞こえるどころか色彩が目に浮かぶほど文章が巧みでスピード感に溢れ読むたび震えます。調べてみるとこういったシーンでは文字数や読みのリズムを考慮し文章に緩急をつけて書かれているそうで、文章から曲や色彩を感じた作家はこの方が初めてです。 本サイトでは二作目の方が高評価なようですが、個人的にはエンターテイメントの各要素を高水準で取り揃えた本作をより高評価します。 |