home

ミステリの祭典

login
モンケさんの登録情報
平均点:7.92点 書評数:25件

プロフィール| 書評

No.25 9点 マツリカ・マトリョシカ
相沢沙呼
(2020/08/17 08:24登録)
殺人なき密室事件が二つも出て来て大変に満足です。
実は話題の「霊媒探偵~」ての読みたかったのだが、図書館予約がいっぱいでこちらを先に読んだのですが、拾い物でした。


No.24 9点 首無の如き祟るもの
三津田信三
(2020/08/17 08:15登録)
首無し殺人と人物入換えトリックものの究極の発展形態と言っていいんでしょうな。


No.23 9点 神様ゲーム
麻耶雄嵩
(2019/10/29 08:16登録)
日常的な現場を舞台にした見事な密室ものだと思います。神様=作者による絶対的な解決・・あの二人の共犯者への処罰・・がなければ、主人公の少年の解釈と「神様」の解釈は多重解決として終わったと思います。少年少女向け小説の体裁をとりながら、こんな物を作り上げるなんて驚嘆に値します。次はもっと「童話」風な物で感嘆させて下さい。
※文庫本より最初のハード本がいいですね。あの表紙絵挿絵、素晴らしいですねえ。


No.22 9点 占星術殺人事件
島田荘司
(2019/10/29 08:02登録)
このトリックを考案したことだけでも評価され記憶されてよいと存じます。
※体操で「ギンガー」「トカチェフ」「ツカハラ」など技の考案者を記念した技名を付けるように、ミステリーでもトリックを考案した作者名を遺すべきなのではないかと思います。


No.21 9点 薔薇の名前
ウンベルト・エーコ
(2019/10/20 14:41登録)
まるで高価なフランス料理か中国宮廷料理のフルコースを振る舞われた様な豪華感。「手記である。当然に・・」と文学上の立場を鮮明にしながら、「バスカヴィルの・・」=ホームズ、「アドソ」=ワトソンてな遊び心も満載で。あの図書迷路塔の仕掛けが何と言っても白眉ですな。
ただ一点惜しいのは、殺人のトリックが少し貧しいです。島田荘司の「斜め屋敷の犯罪」「北の夕鶴2/3の殺人」の様な、あの塔や建物全体を巻き込むような大掛かりな大トリックがあれば大満足でした。


No.20 7点 贖罪の奏鳴曲
中山七里
(2019/10/20 14:20登録)
この特異弁護士シリーズ、これから読むべきだったんですね。順番が違っていたようです。これも面白かったですね。決して勧善懲悪や弱者救済ではないというポイントを外してないところが良いです。ただ、自分としては「追憶の夜想曲」の方が好きですね。あのトリックとの絡め方が少しいただけませんでしたね。


No.19 9点 不連続殺人事件
坂口安吾
(2019/10/15 07:25登録)
埴谷雄高だか大岡昇平だかが「推理小説だとちゃんと構成された小説書けるんだなあ、坂口安吾」って訝しがっていたが、この作品でもちゃんと「坂口安吾」してますよ。出だしの人物紹介の怪描写からして坂口安吾作品を読んだことの無い方には「なにこれ?」となると思います。
テーマは「不連続」ですが犯人と意図は「連続性」を維持しているので、物語の破綻はないと思います。ただ坂口安吾には、小説中でもっともっと遊んで欲しかったと思います。登場人物ことごとく奇人変人なのは良いのですが、展開においても「これぞ奇書」と言うぐらい思う存分に暴れてほしかった。


No.18 7点 りら荘事件
鮎川哲也
(2019/10/15 07:02登録)
学生男女七人(プラスα)の屋敷内連続殺人ものですが、途中から犯人が変わってしまうパターンだともうお手上げですね、犯人当て。サロメとかリリスって日本女性とは思えないネーミングセンスが楽しいです。鮎(ずっと鰊だと誤記憶してた)のトリックは面白かったですが、一つ二つ、密室トリックか大技トリックがほしかったですねえ。


No.17 5点 鉄鼠の檻
京極夏彦
(2019/09/28 08:55登録)
この作品に、借り物でよいので大技トリックが一つと、宝探し暗号解読ネタが一つあれば、仏教版「薔薇の名前」になってたのに残念ですねえ。


No.16 7点 屍鬼
小野不由美
(2019/09/07 17:09登録)
壮大なSFホラーミステリーといったところでしょうか。交通と照明の発達した現代を舞台にしてしまうと閉ざされた部落という緊張感が弱められてしまうので、未だ電灯が普及し切る以前の頃を舞台にした方が、もっと雰囲気が出せたように思います。


No.15 2点 リヴィエラを撃て
高村薫
(2019/09/07 16:41登録)
ひょっとしたらミステリーとしても面白いのかと期待しましたが、期待しただけ失望しました。壮大に大風呂敷を広げた劇画ですな。SF設定にでもなって方が楽しめたと思います。


No.14 10点 モルグ街の殺人
エドガー・アラン・ポー
(2019/08/13 00:21登録)
他に点数の付けようがないです。
※ラーメンの鬼と言われた故・佐野実が「大勝軒」山岸一雄のラーメンは何点か?と訊かれて、
「ばかやろう!相手は神様だぞ。神様に点数付けられるか!」と答えてましたが、それに近いです。


No.13 8点 虚無への供物
中井英夫
(2019/08/11 06:21登録)
吉行淳之介の随筆でこの作者のことを知った。元々は短歌誌の編集者で寺山修司を輩出し、三島由紀夫や澁澤龍彦とも親交があり、高踏的美学的な趣味人だったんだろう。「塔晶夫(凝ったフランス語もじりがあったはず)」名義でこの小説を書いた。この類の知識人の書いたミステリーにしては、いかにも「余技で書いたぞ」みたいな「上から目線的高慢さ」は感じられず、坂口安吾大岡昇平のそれらよりずっと真摯な姿勢が感じられて好感の持てる作品だと思う。ただその分、癖がなさすぎて「奇書」と呼ぶにはいささか物足りない。
本格ミステリーの「アンチ」を作るのならば、あんな中途半端な洋館を舞台にしないで、思いきり貧しい和風の家を場面にして、密室トリックの一大解釈討論会の冗談ミステリーを練り上げてほしかった。
作中作含めて四つの殺人が書かれているが、二つ目のネタの小粒さはまあいいとして、三つ目の和風アパートのネタが少し残念。あれ、もっときちんと独創的な和風密室トリックに仕上げられていたら9点あげてもよかった。


No.12 7点 絡新婦の理
京極夏彦
(2019/06/23 23:07登録)
話は面白いと思いますよ。容疑者一族みな素敵だし。でも犯人が分かりやすすぎます。古典的な、意外な真犯人の典型ではないですか。
それは別として、あの一族の屋敷の構造が魅力的です。あの不思議な構造を見取り図にしてほしいと思いました。そしてそれがトリックに絡んでいたらなお良かったと思いました。


No.11 9点 ドグラ・マグラ
夢野久作
(2019/06/23 06:24登録)
本当は10点付けたいんですが、「これが一番好きだ」というと「あれはミステリーとは言えないよ」「通俗的だなあ」とか貶されてきたので、少し凹んでこの点数です。


No.10 8点 悪徳の輪舞曲
中山七里
(2019/06/23 06:13登録)
面白いですねえ。依頼者から感謝されることのない超弁護士って凄いですね。前の方の評者の方が「このシリーズに外れなし」と書かれていたので他も楽しみですが、どうやら読む順番が出版された順番と違っているようでした。まあいいや。


No.9 8点 屍人荘の殺人
今村昌弘
(2019/05/05 20:15登録)
期待の新人の話題作。いやあ面白かった。孤島や吹雪豪雨山火事に閉ざされた館物ってのはよくあるが、ゾンビの群れに囲まれた山荘ってのがすごい。大満足だ。


No.8 8点 追憶の夜想曲
中山七里
(2019/04/03 05:57登録)
このサイトで知り、興味を感じて読みました。
とても面白かった。一気読みとまでは行かずとも「二気」ぐらいで読めました。

これシリーズものらしいですね。それも読んでみよう。今まで偏見もって手を出さなかった「ドビュッシー」とか「カエル男」も試してみたくなった。いやあ面白かった。


No.7 8点 聖母
秋吉理香子
(2019/04/03 05:47登録)
このサイトで知り、興味を覚えて読みました。
実に面白くて、一気読みしてしまいました。


No.6 5点 砂の器
松本清張
(2019/03/30 23:29登録)
野村芳太郎監督映画の名場面、癩病の父親とその子の巡礼シーンが情緒的に描かれているのかと思ったのに、原作では変な音響殺人トリックが出てきたりで少し期待外れだった。
(そういえば同じ清張の「鬼畜」ってのもこの監督が映画化してて、名画座で併映してるの見た。「砂の器」の警官が「鬼畜」では犯人で、「砂の器」の癩病患者が「鬼畜」では医者だった。「砂の器」の犯人は江戸の大奉行で、刑事コンビは、その後、天界の教祖と県知事に大出世した。)

25中の書評を表示しています 1 - 20