home

ミステリの祭典

login
悪徳の輪舞曲
御子柴礼司シリーズ

作家 中山七里
出版日2018年03月
平均点6.67点
書評数9人

No.9 6点 みりん
(2023/06/17 14:47登録)
今までちょくちょく描かれてはいたが今回は「加害者家族」に焦点が当てられた作品。梓や郁美の過去は少し読んでいて辛いところも…
珍しく冒頭の仕掛けにはすぐ気づけたが、当然真相は看破出来なかった。槙野のやらされた法廷でのシミュレーションはシュールでその場に居合わせたくなりましたね笑

ところでピンと来たことがあるんですよね。被害者遺族・少年院の指導官・母娘と今まで御子柴にとって超重要なポジションの人たちが依頼人となっているわけですが、未だに素性が明かされていない超重要なキャラクターがいるのです。そう、御子柴更生のきっかけとなったベートーヴェンを演奏していた少女ですね。これ御子柴の事務員の洋子さんではないか?と予想しておきますよ。

No.8 4点 レッドキング
(2023/04/08 18:43登録)
トンデモ過去持ちハードボイルド弁護士:御子柴シリーズ第四弾。今回の依頼人は、再婚相手の資産家夫殺しで法廷に立たされた実の母。冒頭の「犯行叙述」を、どう無罪判決へ「叙述トリック」反転させる?がメインとなってしまい、事件真相の方、WhoHowともかく、Whyは・・うーん、ちと説得力無いなぁ・・
※サイコパス遺伝説など一笑に付すべきだが、「たらちね」ネタでヒヨったか?作者、もっともっとハードボイルドさせなきゃ、御子柴礼司。受付の女の子に「兄妹喧嘩ですか」なんて突っ込ませてないで。

No.7 1点 タピ岡
(2019/11/07 22:51登録)
マザコン弁護士がキモすぎてツマらん.

No.6 8点 雷令老
(2019/08/15 18:46登録)
これも面白かったが、期待の範囲内だった。
ヒールキャラに人気が出て、段々とベビーフェイスに近づいていって、つまらなくなるってのは避けてほしい。かつてのゴジラガメラからデストロイヤーブッチャーに至るパターンのような。
だからこのシリーズこの辺が引き時かもしれない。とりあえず真相の解明ミステリーの面白さとしては、追憶≧贖罪>恩讐=悪徳かな。 

No.5 8点 モンケ
(2019/06/23 06:13登録)
面白いですねえ。依頼者から感謝されることのない超弁護士って凄いですね。前の方の評者の方が「このシリーズに外れなし」と書かれていたので他も楽しみですが、どうやら読む順番が出版された順番と違っているようでした。まあいいや。

No.4 9点 VOLKS
(2018/11/06 14:13登録)
今まさに読み終えたところです。
純粋に、この御子柴というキャラクター達への点数を率直につけてみました。
勿論、ミステリーとしても小説としても高評価をつけますが、何よりこのシリーズを産み出した中山七里氏に「今回も面白かったです、ありがとうございました」と伝えたいですね。

冒頭部分は明らかに読者への変化球なのですが(笑)それが解ったところでこの小説の面白さは半減せず、むしろ最後まで一気読みでした。

しかし…ここまでくると、もう次の依頼人なんていないんじゃないでしょうかね。
依頼人がいなくなるとシリーズが終わってしまうので、それはとても困る事態なのですが…(笑)

No.3 7点 mozart
(2018/08/17 16:02登録)
「追憶の夜想曲」がとても面白かったので本作を読みました。本当は「贖罪~」と「恩讐~」を先に読むべきなのかも知れませんが、図書館での予約の都合上やむを得ず・・・。
およそ不可能と思われる無罪判決を主人公の「前歴」との関係を絡めながら土壇場で勝ち取るというパターンや、その裏に潜む切なくも重い「真実」など、「追憶~」と同様ですが、最初の場面につながる「どんでん返し」はちょっと迫力に欠ける感が否めませんでした。妹の依頼による母親の弁護という特殊なシチュエーションの中で困惑していた主人公が最後に倫子に口走った言葉が実は一番の「どんでん返し」だったのかも。

No.2 8点 蟷螂の斧
(2018/05/29 12:28登録)
このシリーズに外れなし(笑)。
著者コメントの抜粋です。~『全ての男性にとって母親はアキレス腱である。弁護士にとって最初の敵は依頼人である。依頼人がひた隠しにしている事実を知った上でなければ十全な弁護ができないから、まず依頼人と対決しなければならないのだ。最悪の弁護士・御子柴礼司の次なる依頼人を母親としたのは、そうした必然によるものだった。二重の意味で思うように操縦できない依頼人は、御子柴にとって最悪の相手でもある。今作のテーマもとびきりデンジャラスなものだ。殺人の系譜とも呼ぶべき禁じられた主題だが、仮に禁忌であろうが、触れなければ語れない物語は確実に存在するのだ。とは言え、この小説はエンターテインメントである。小難しい問題はひとまず脇に置いて、ページを開いた方々には眠れない夜をお約束しよう。悪徳は輪舞曲(ロンド)のように旋律(戦慄)を繰り返す』~


著者を好きな理由は、やはりエンタメに徹するという考え方ですね。そういう意味では、「カエル男」に登場する有働さゆりを弁護する御子柴礼司の物語を期待しているところです。「連続殺人鬼カエル男ふたたび」では、既にそういう設定になっているので・・・。

No.1 9点 HORNET
(2018/05/26 18:37登録)
 少年犯罪委の過去を持つ、弁護士御子柴礼司シリーズ第4作。
 今回は初めて、御子柴の家族が出てくる。お刑務所に収監されて以来音信不通、関係を断絶していた御子柴の母が、殺人事件の容疑者となり、御子柴の妹が御子柴に弁護を依頼。もちろん進んで御子柴に依頼してきたのではなく(他の弁護士が誰も依頼を受けてくれなかった)、御子柴のことを蛇蝎のごとく嫌っている。

 このシリーズの新作を心待ちにしている人は多いだろうが、今回もその期待に十分に応えてくれると思う。まぁファンとなってしまっている以上、その色眼鏡は外せない感じになってはいるが…ただ「うーん、今回はイマイチだな」とか、「やっぱり一番最初が一番よかったな」とか思うことは他ではよくあるが、このシリーズについてはそれはないと思う。
 最初に母親の夫殺しのシーンから始まるのだが…途中からそれがどういうことかは気付いた。ただそれでも真相には私は看破できなかった思惑があり、ミステリとしても十分面白かった。
 ただその謎だけでは引っ張れない。根本的に異色の弁護士、御子柴礼司の物語という下敷きがあるから、とことん面白い。
 続けて欲しいな、このシリーズ。

9レコード表示中です 書評