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ミステリの祭典

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首無の如き祟るもの
刀城言耶シリーズ

作家 三津田信三
出版日2007年04月
平均点8.45点
書評数84人

No.84 10点 hsiyehmeipo
(2024/04/14 19:53登録)
首無死体、作中作をはじめてとして王道の要素満載。
中盤の探索パートも青春小説風でとてもおもしろかった。

解決編もメイントリックが面白かった。

No.83 8点 人並由真
(2023/07/21 07:53登録)
(ネタバレなし)
 本シリーズの長編は、2018年以降の新刊分と並行して、既刊を第1作から順に読み始め、後者の流れでついに、本サイトオールタイムベストワン(現在は違うが1年くらい前はそうだった)のここまで来た。

 大技に関しては、国内ミステリの大名作へのリスペクトを感じたが、決してその一発芸だけの作品ではない。読者のツッコミをあれやこれやと書き手が予期して、イクスキューズを満遍なく用意しておく。浜尾四郎の『殺人鬼』のクライマックスみたいな丁寧さだ。

 終盤のエンドレス・シーゾーゲームといえる趣向には愕然としたが、一方でそのおかげで本作はシリーズのベストワンというより、異色作の方に行ってしまった感がなくもない。
 あと、120%野暮を承知で言うが、そもそも作中のリアルとしてくだんの大ネタ自体がかなり難しい、とも思う。

 読んで良かったとは確実に思うが、一方で現時点でさえ、シリーズ中のマイベストワンは他の作品にしたいなあ、という感じ。

 何にしろ、まだシリーズ正編のうちで、未読のものが長編3冊、短編集1冊あるよ。少しずつ消化するのが実に楽しみ。

No.82 10点 密室とアリバイ
(2023/05/02 08:27登録)
これを超える作品が同シリーズから出てきてしまった以上、9点にしたいところだがそんな都合で点数を変えるわけにはいかない傑作

No.81 9点 Shinoyama
(2023/04/05 18:36登録)
很畅快的阅读体验

No.80 9点 みりん
(2023/01/11 04:54登録)
これはすごい!

【ネタバレあり】




この作品のようにあらゆる不可能状況は連動していて、たった一つの仮説で全てが解けるタイプが私は好みなんだなぁと再認識できました。私はそんな素敵なミステリとあと何度出会えるのでしょうか。
メイントリックは鞠子からすると唯一の「脱出」方法であり非常に怜悧で発明的だと思います。。二重入れ替わりに整合性を持たせるために「秘守家の風習」や「祟り」といった要素が違和感なく挿入されていて、気付かれにくいようになっている。やはりこの辺がホラーとミステリの相乗効果を遺憾なく発揮している言え、刀城言耶シリーズの評価の高さに頷けます。

No.79 10点 ALFA
(2022/01/26 11:20登録)
ある一つのたくらみを知ることで、レース編みのように展開された伏線が一斉に回収される快感は、まさにミステリの醍醐味。と、ここまではホラーテイストの本格ミステリ。
ところが最後のメタミス部分を含めると、本格ミステリを内包する現代ホラーにもなる。どちらにしても読み応え十分。
ただ私のようにシンプルなトリックと大胆に反転するプロットが好きな読者にとってはいささか要素が多すぎる感が・・・

そこで、私好みの改変を…
1. 最後の怒涛の反転のうち、斧高の分をカット。
2. 本筋に関係ない刑事による連続殺人をカット。
3. 第23章の読者投稿による推理と刀城の出現部分を大幅圧縮。 
4. 因縁話のうち淡媛を残し、お淡をカット

これで、本格ミステリを含んだ現代ホラーに。
さらに、最後のメタミス部分をすべてカットし、淡媛の謎解きで〆ると、ホラーテイストを残した本格ミステリになると思うが如何?
作者には失礼ながら、個人的には最後の改変を横溝御大の筆で読めれば最高だが。


(少しネタバレ)
この作品、人物のキャラ付けがなかなか楽しい。それぞれの人物に焦点を当てると物語はまた別の様相を見せる。

1.斧高のシンデレラストーリーとして
使用人から旧家の跡取りに、そして没落の気配を感じると脱出して新進作家へ転身。刀城は「祟りからは逃れられるんだろうか…」と言っているが、ナニ心配はいらない。「御堂の中には首がある」というタイトルで新人賞をとったのだから、むしろ祟りに護られているようなもの。そのうち「生首の如き・・・・」なんていう連作で人気作家にのし上がる予感も・・・・

2.蔵田カネ vs 一枝刀自の呪術合戦
当主富堂をしのぐラスボス感をただよわせる二人の婆様。十三夜参りでは、孫を操って一守家の跡継ぎを抹殺した一枝刀自の勝ち。二十三夜参りのあとは、隠し玉斧高をくり出した蔵田カネの勝ち。しかし結局両家ともに没落するのだから、共倒れか・・・


No.78 9点 斎藤警部
(2021/08/30 18:30登録)
「でも、これは●●じゃありませんか」
「………」

連続殺人の被害者に何気な意外性。こいつが何気に、ぶっといミステリ信頼感の柱を成している(だけでなく、大化けするぞ!)。 見せつけるように晒されるメタ要素も、すんなり馴染むから厄介だ。  生首●●ン●●ン●とでも呼びたい仰天心理/物理トリックの横暴な正面突破!  こんなに、このレベルまで、肌理が細かく大胆不敵で、隅の隅までびーっちりと、夥しいこと目が眩むほどの伏線群ユビキタス配置。。。。普通だったら不興を買っておかしくないご都合要素も、瞬間粉砕されて風の中。。 たった一つの盲点大疑惑から、スルスルと全ての欺瞞が暴かれるに至る、凝縮度合も甚だしいスリルの突き上げよ!! 更に、これだけ心を揺り動かしておいて実は●●ー●●●作だという、灼熱の大どんでん返し!! いやいや、本当にやばい作品。 やたらな高評価も納得しかありません。 色んな意味で、最後は虹が掛かったか、掛からなかったか。。。。。。。

それにしても、シリーズ先行二作に較べて、文章が格段に良くなっている! 時代の空気も今度こそは嗅げた。場違いな平成感ほぼ無し!(作品そのものは、やっぱり平成の新本格だなあ、って感心します) 文章でズッコケた先行二作もミステリの内容は半端でなく充実してると思ったし、こりゃシリーズ次作以降も楽しみですな。

No.77 7点 葉月
(2020/09/07 11:47登録)
メインの密室トリックはさすがで、本格ミステリ史に残るものであると思います。多重推理がそれほど好きでないこともあり、ラストのどんでん返しには感心しませんでしたが、オールタイム・ベストに残れるほどの貫禄のある作品だとは認めざるを得ないでしょう。

No.76 10点 じきる
(2020/08/23 17:23登録)
首無し殺人を扱ったミステリーの最高傑作。
民俗学ホラーの世界観が非常に魅力的で、プロット、伏線、トリックの全てが緻密で完成度が高い。

No.75 9点 モンケ
(2020/08/17 08:15登録)
首無し殺人と人物入換えトリックものの究極の発展形態と言っていいんでしょうな。

No.74 10点 ボナンザ
(2020/06/07 10:40登録)
前二作も良かったが、今作は次元が違う。
一つ一つの仕掛けは既存のものなのに、組み合わせることで比類ないインパクトをもたらしている。
正に現代の名作と呼ぶにふさわしい。

No.73 10点 Gorgonzola
(2020/05/05 11:53登録)
怒涛の終盤は圧巻でした

No.72 10点 雪の日
(2020/04/09 14:12登録)
トリックと話の雰囲気が良かったです

No.71 9点 okutetsu
(2020/02/08 00:04登録)
おもしろい!
一つの事実が明らかになるだけでほぼすべての構造が見えてくるという点でオランダ靴の謎を思い出しました。

いろんな仕掛けがラストの展開に生きていてそこもよかった。
結局あれは誰なんだって不気味な終わり方も好き。

ただ9点どまりなのはあまりにもご都合主義的に事件が起こってるところ。
警察の猟奇殺人のところもうちょっとうまくできなかったかな。

No.70 9点 Ayaka_Kohashi
(2020/01/17 13:18登録)
9/10

No.69 8点 パメル
(2019/09/07 10:31登録)
ここに参加させていただく以前に読んでいたのだが、大まかには覚えていたものの、細部は忘れていたので再読してみた。
女性のような顔立ちの男性、男装をした女性、そして同姓愛疑惑、それらが真実なのか?虚実なのか?そこに跡継ぎ争い問題、因習、祟りなどがホラー的な怪しい雰囲気で複雑に絡んできて、惹きつけられる。真相もどんでん返しを繰り返し、最後の最後まで分からないように工夫がされており、飽きさせないし衝撃度も高い。これぞ、本格とホラーの融合された作品といえる。
「首の無い死体」という今までのパターンに新機軸を打ち出した作例といわれており、トリックに目新しさは無いものの、緻密なプロットによって組み立てられた仕掛けは素晴らしい。事件を巡る多くの謎が、一つの事実に気付くと全てが解明するという構成も巧妙。伏線を一つ一つ確認すると考え抜かれているのがわかる。(これも再読の良さだと思う)ただ、プロットに凝りすぎてある真相に無理がある点は残念。

No.68 9点 新世紀ミステリー
(2019/06/22 22:18登録)
2007年発表。怒涛の人物入れ代りトリックと、雑誌連載という表現を利用した一次元飛躍した仕掛けに唸らせられました。

No.67 10点 mediocrity
(2019/03/30 03:03登録)
面白かったです。サイト内国内作品現状トップにふさわしい傑作だと思いました。
過去の書評を見ると「横溝正史より軽い」とか「読みやすかった」とか「3時間でさらっと読んだ」とか書かれてる方がおられますが、私には非常に重々しい作品に感じられました。『黒死館殺人事件』以外では最もスローペースで読み進んだと思います。10時間くらいはかかったのではないでしょうか。特に謎解きは少々複雑なので、止まって整理したり、時には戻って確認しながら、存分に味わって楽しみました。
このシリーズを初めて読むからか、刀城言耶という探偵に魅力はそれほど感じられなかったのですが(まあ今作は最後がああいう形だから当然かもしれませんが)、探偵より魅力的な登場人物が5人も6人もいる作品は初めてなので新鮮でした。

No.66 8点 monica
(2019/02/22 21:10登録)
非常に読みやすく、前半の淡々とした展開もサラサラ読めました。

そして、事件が迷宮入りしたかと思われた後。

これまでの真相がガラっと変わる。

思っていたことがまるで想像もつかないくらいの
様相に変化する。
小気味良く騙された。
この作品だけでも充分気持ちよく騙されるが、
シリーズのファンならより一層騙される。

久々に心地よく騙された。

が…

凶鳥の方がインパクト大きかった。

No.65 9点 レッドキング
(2018/05/19 12:45登録)
骨格は「占星術殺人事件」と同様に、首なし死体の被害者加害者入代りトリック発展形なんだが、それを雑誌連載形式という叙述に絡めて、物語に肉化した手腕が見事。
この骨格で京極夏彦レベルの筆力で装飾されていたら、満点以上。

(2021年追記) 物語の叙述者Aが「」(=叙述)の中で矛盾・虚偽を記せばミステリとしてアウトだが、「」の主体を巧妙にすり替えるのはトリック・・ヴァン・ダインには悪いが。

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