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ミステリの祭典

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sm556sさんの登録情報
平均点:5.14点 書評数:14件

プロフィール| 書評

No.14 6点 灰色の動機
鮎川哲也
(2019/03/20 08:40登録)
ネタバレあり:作者としては異色の作品がまとめられてある短編集。それぞれ異なったテイストがあって面白い。表題作がやはりベスト。うるう年の誕生日をうまく使っている。但し、中盤で被害者の婚約者が独自捜査を行い被害者の田舎で被害者の友人と合流して色々と調べるあたりは不要な気がした。最後に結局は探偵が登場するのだから。ポロさんも超短編ながら味わいがあった。一読の価値あり。


No.13 6点 灰色の動機
鮎川哲也
(2019/03/20 08:40登録)
ネタバレあり:作者としては異色の作品がまとめられてある短編集。それぞれ異なったテイストがあって面白い。表題作がやはりベスト。うるう年の誕生日をうまく使っている。但し、中盤で被害者の婚約者が独自捜査を行い被害者の田舎で被害者の友人と合流して色々と調べるあたりは不要な気がした。最後に結局は探偵が登場するのだから。ポロさんも超短編ながら味わいがあった。一読の価値あり。


No.12 5点 殺人喜劇の13人
芦辺拓
(2019/03/01 17:08登録)
作者の思いの籠った力作である。それは間違いない。ただ、やや強引な結論付けで”なるほど!”と思えない。登場人物がやや多すぎ、状況設定を無駄に複雑にしている。文章も読み難い。繰り返しであるが、作者の思いの籠った力作であるのは間違いない。


No.11 8点 朱の絶筆
鮎川哲也
(2019/01/29 13:39登録)
(ネタバレあり)
全体としては、”リラ荘” の軽井沢版。「読者への挑戦」まで読み進めて、再度、初めから読み直したが、犯人は比較的分かり易い。小説名に着目すれば、必然的にそこがトリックの肝であり、その点に関して作為的な行動をとった人物となると、一人に特定される。但し、この時間トリックはなかなか秀逸。また、コーヒーによる毒殺で意図した人物に飲ませるトリックも、なるほど!と思わせるものであった(なぜ片手にしたのか、よく分かった)。正統派の本格推理小説であり、この点数を献上したい。しかし、いくつか?と思わせる部分もある。①某女子が突然ドライブを取りやめた理由②第一章が思わせぶりに書かれているが解決に殆ど関係ない点(私は、当初最後のスキー場で犠牲となった女性の姉か妹が犯人で復讐のため被害者に接触したものと思ったが、違った)③髭面の男が2人が登場し盛んに話題になったが全く関係なかった点、などである。いずれにしても鮎哲らしい良質なミステリーである。 


No.10 4点 女王国の城
有栖川有栖
(2019/01/13 21:56登録)
全てにおいて本格推理としての要素が満たされていると思います。但し、この作者の最大の欠点は意外性がないということです。”真相が分かって呆然とする”、”思わず本を読み返してしまう”といったことがないのが残念です。


No.9 6点 黒龍荘の惨劇
岡田秀文
(2018/10/02 20:38登録)
大がかりなトリック。最終章に至るまでは、物足りなさを感じていたが、最後に真相が明らかになると、”意外と面白かった”という印象が残った。真相は意外性が高いものの、伏線が不足。だから、真相が明らかになっても、読み返して、なるほど、この記述はそう言った意味だったのか、ここにヒントが示されているじゃないか、という部分が少ない。また、伊藤博文や山形有朋が出てくるが、正直、不要。


No.8 7点 永遠の館の殺人
黒田研二
(2018/08/26 13:08登録)
ネタバレあり)最後の方でこの小説の題名の意味が明らかになる。全体としては本格物としての雰囲気づくりやスピーディな展開、そして、題名にも表現されている異常な状況設定が効果的に展開されている。東京を中心として行われている殺人と館で行われている殺人が同時期に行われたことではなく、いわば、東京を中心とした殺人が続編的な位置づけになっているのも面白い。ひとつ難点は、異常な殺人マシーンが二人登場している点である。やや焦点がぼやけてしまっているような気がする。館での殺人マシーンも実は”娘”だったという方がインパクトが強かったのではないか。


No.7 5点 ラグナロク洞「あかずの扉」研究会影郎沼へ
霧舎巧
(2018/07/31 22:55登録)
まずは、本格推理小説にふさわしい舞台設定や雰囲気づくりに敬意を表したいと思います。筆者の本格推理に対する思い入れの深さがひしひしと伝わってきます。ただ、読んでいて、独りよがりなストーリー展開が多くて、筆者の思いと読者の温度が一致しない部分が多いような気がします。それと、驚きが少ない気がします。本作品とは直接関係はないのですが、例えば、3つの殺人事件で、最初に事件の時に現場にいたのがAとB、次の事件に現場にいたのが、BとC、最後の事件で現場にいたのが、BとD、したがって、すべての事件で現場にいたのがBなので、Bが犯人です。というのは論理的には正しいかもしれないが、まったく面白くない。時間的な関係性や順序の関係性で犯人を特定するというのは、残念ですが、本格推理としては不十分だと思います。やはり、読者を唖然とさせるような意外性がなければ・・・。


No.6 4点 衣更月家の一族
深木章子
(2018/06/09 23:04登録)
確かによく練られた構成だとは思うんだけど、あまり驚きはなかったかな。3つのバラバラの話が最後には一つにはなるんだけど、おそらく、この物語のこの人がこの物語では実はこういう役を果たしていて・・・という展開になるのは、なんとなくわかってしまうし、いかようにもできるという感じ。もうちょっと違った意味での驚きが欲しかったかな。


No.5 1点 贖罪の奏鳴曲
中山七里
(2018/05/11 11:32登録)
ネタバレあり
本格としては5点、法廷サスペンスとしての加点が2点、といった感じです。スピード感があって次々に展開が変わって面白かったです。真の意味の罪人が男であることが独白として出てくるのですが、もともと男は登場人物が限られており、最後明らかになった時も「やっぱりそうだったか」という感じであまり驚きはなかったです。


No.4 8点 鬼畜の家
深木章子
(2018/05/02 08:45登録)
ネタバレあり
この物語は、語り手?である探偵と依頼者との公園での会話+7人の関係者の証言という2元構成となっており、関係者の証言の中に物語の真相を示す材料があること容易に推察できる。一番やられたと思ったのは、7人の関係者の証言の聞き手がすべて探偵だと無意識に思わされていたところだ。実は、そんなことはどこにも書いていなくて、その中の一つが犯人が聞き手になった証言であることが最後にわかる。このアイデアは面白い。また、なぜ、ゴン太を飼ったのか、という理由も(確かにこのアイデアは前例はあるのだが・・・)面白い。但し、人の入れ替えが分かった理由が利き腕のことだけだというのは少々さびしい。また、本当にこんな入れ替わりが周囲に全く分からないか、という点にも疑問は残る。とはいうものの、最後の部分のどんでん返しと探偵と犯人の駆け引きは非常に面白い。全体としてはレベルの高い作品だと思う。


No.3 3点 王様のトリック
吉村達也
(2018/04/25 09:06登録)
物語としてはまあまあなんだけど、これはジャンルとしては本格推理ではないね。
<以下ネタバレあり>
犯人が終盤で明らかになるんだけど、論理的必然性がないため、インパクトがない。犯人を明らかにした後で、実のこの人は関係者とこういった関係でした、と後出しされても・・。また、あらゆる面でしっくりとこない。まず、タイトル、それから犯人が二人であるということがあらかじめ示される、という着想は良いんだけれど、実質的な犯人は一人で、その犯人が最後に残った一人に自分を殺させることで犯人側が二人になる、というくだりは、”え?何それ?”って感じ。トランプのハートのキングの話もよくわからない。説いた具合で、点数としてはせいぜい3点かな。


No.2 7点 そして誰もいなくなる
今邑彩
(2018/04/19 08:47登録)
良く考えられた作品。どんでん返しが2回ある。メインの殺人に関しては、被害者の無防備さとなにも見立て殺人にする必要があったのか、という点が若干ひっかかる。一気に読み進めることができる。


No.1 2点 軽井沢マジック
二階堂黎人
(2018/04/12 23:09登録)
ちょっと、酷すぎる・・・・。。強引な結論付け、大げさな表現、無駄な文章の連続。主人公の姉が登場してからの水戸黄門張りの警察の平身低頭振りにむかむかした。なぜ、主人公がその結論に至れるのか、まったく説得力がない。時間の無駄以外の何物でもない。

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