home

ミステリの祭典

login
殺人喜劇の13人
森江春策シリーズ

作家 芦辺拓
出版日1990年11月
平均点5.56点
書評数27人

No.27 6点 ミステリ初心者
(2023/09/25 13:53登録)
ネタバレをしております。

 実は、紹介文から勝手にクローズドサークルだと思って買いましたw 一つの洋館でほぼ話が完結しますし、連続殺人事件なので、クローズドサークル風味が味わえます…が、いつでも泥濘荘から出入りできます(なんで誰も逃げないんだ…?)。
 作中作の形態をとった作品ですが、その作者の十沼が面白い人物というか、間抜けというか、ふざけ気味な文章を書くので、すこしユーモアミステリの感じもあります。

 推理小説的部分について
 すさまじく多くのミスリードからの衝撃の犯人でしたw 実は私は、みさとが誘拐された事件をみたとたんにみさとを疑い始めましたw 狂言誘拐くさいですよね…。しかし、どうやって錆田を釣ったのか全く分かりませんでしたw

 好みではなかった部分。
 登場キャラクターがどうも似ていて見分けがつきづらかったです。3人ぐらい死んでからは苦がなくなりましたが。
 クローズドサークル風味と書きましたが、登場人物たちに仲間を殺された怒りや悲壮感や危機感もまるで感じられませんでしたw そのため、クローズドサークルの魅力であるサスペンス感は感じられませんでした。
 密室殺人が多いのですが、ほぼほぼ偶然に起こったものであり犯人の意図した密室が少ないです。
 事件が多くおきますが、犯人の協力者が多いです。また、加宮ー錆田の事件とその後の事件は犯人は別です。出来れば、単独犯による一貫性のある事件が読みたいですね。

 総じて、全体的に、多くの要素とミスリードが詰め込まれておりますが、それによって犯人当てはできない気がしますw また、密室も暗号も作中作による叙述トリック(なのか?)どれをとっても小粒でした。盛りすぎるよりももっとスリムにして、質を高めてもらった方が好みでした。

No.26 5点 青い車
(2019/08/17 21:00登録)
 惜しげもなく詰め込まれたアイデアの数々には溢れんばかりの気合が窺えてとても好ましいです。しかし、如何せん書き方の拙さで大きな損をしているように思えます。純粋にミステリ面で雑多な印象なのもそうですが、漫画やら落語やら映画やら、いろんな趣味の要らない情報が多く書かれているせいでぶよぶよと締まりのない文になっています。せっかくトリックを作る地力があるのだから、もっとそれを活かすよう小説にも拘ってほしいです。

No.25 5点 sm556s
(2019/03/01 17:08登録)
作者の思いの籠った力作である。それは間違いない。ただ、やや強引な結論付けで”なるほど!”と思えない。登場人物がやや多すぎ、状況設定を無駄に複雑にしている。文章も読み難い。繰り返しであるが、作者の思いの籠った力作であるのは間違いない。

No.24 5点 nukkam
(2018/07/20 08:18登録)
(ネタバレなしです) 新本格派推理小説を代表する作家の1人である芦辺拓(1958年生まれ)の1990年発表のデビュー作です。鮎川哲也の「りら荘事件」(1958年)を意識した作品で登場人物はほとんどが大学生、シリーズ探偵の森江春策もまだ大学生です。そして怒涛のごとくの連続殺人が発生します。もっとも謎解きに集中するあまり青春小説らしさを感じられないのまで「りら荘事件」と共通してますが。作者の気合が空回りしているのか全ての事件に創意工夫を詰め込んでいるのはいいのですが、あまりにも複雑な謎解き説明になって私の凡庸以下の頭では理解しきれませんでした。締めくくりも何がしたかった(言いたかった)のかよくわかりません。私が読んだのは2015年改訂版(創元推理文庫版)ですが、ヴァン・ダインの「ケンネル殺人事件」(1933年)の重大なネタバレは削除してほしかったですね。

No.23 5点 ボナンザ
(2015/04/18 15:15登録)
文章があれな以外はおおむね良作。
アマチュアらしい内容ではあるが・・・。

No.22 7点 名探偵ジャパン
(2015/04/03 09:09登録)
「デビュー作にはその作家のすべてが詰まっている」
まさにこの言葉を体現したかのような芦辺氏の処女作だった。
本格ミステリ愛。トリックへのこだわり。ちりばめられたミステリ小ネタ。等々。
それがゆえに上滑りしてしまいがちな筆致もそのまま。(私が読んだ創元推理文庫版は初期から改訂されたもののようだが)
手記の書き手がミステリ作家志望の大学生、という設定ゆえの文章、ということを考慮しての書き方だろうが、森江春策が登場してからの神視点での三人称になっても、そんなにスタイルは変わらなかったと感じた。やはり作者特有のものだろう。
多少無理を感じるものもあったが、個々のトリックの完成度はさすがで、本当にもっと読みやすく書ければ、和製ミステリの旗手は、綾辻や有栖川ではなく、芦辺拓その人である。というふうになっていたはず。
私は芦辺拓を諦めない。

No.21 5点 yoneppi
(2015/02/06 17:24登録)
このひとの読みづらさは最初からか。やりたいことは良く分かるけれど。

No.20 4点 蟷螂の斧
(2012/02/19 15:08登録)
トリックの詰め込み過ぎで食傷ぎみになってしまいました。トリックの謎解きが好きな人にはお薦めなのかもしれませんが・・・。意図的なものがあるとはいえ読みにくかったことは事実。

No.19 5点 E
(2010/04/26 00:23登録)
密室・アリバイトリック等が様々なバリエーションに富んでいてトリック好きな人は面白かっただろうと思う。
自分としては登場人物が把握し難かったですね;
覚えそうになると殺されてしまうし・・・文章が読み難いという事はなかったのですが、最後残された"メモ"の意味が
わかりませんでした・・・何だったんだろう・・

No.18 7点 Tetchy
(2009/06/21 19:50登録)
みなさんおっしゃるように、作品の大半を占める登場人物の手記の読みにくさには私も参った。
学生時代の、知識ばかり蓄え、社会性に乏しい青臭さを文章で表現しているのだが、悪乗りのように感じてしまってなかなかスムーズに読むことが出来なかった。
でもこの手法がないと、作品に仕掛けられたある企みが成立しなくなりますからね。
でもこの過剰な文体が読者の事件に関する理解度を落としているとも思いますが。

ただ謎解きを終えて感じるのは作者の本格ミステリへの深い愛情である。
古今東西のミステリを読み、さらにその研究を続ける芦辺氏が過去の偉大なる先達の遺産を換骨奪胎し、紡いだ本作からは彼らに対する深い敬意と本格の火を絶やすべきではないという信念が紙面から迸っている。
それが故に筆が走りがちになっているのは否めないものの、この意欲と情熱は買える。
一種納得しかねる解答―特に背中を刺された人物がその後列車に乗って帰省するといった真相―もあるが、その無理を合理に変えるロジックと説得力がある。
個人的には暗号を解けなかったのが悔しかった。

No.17 7点 江守森江
(2009/05/22 09:24登録)
少々の読みにくさを我慢すれば初代鮎川賞に相応しい作品。
森江春策に魅せられて随分と時が流れた。

No.16 8点 T・ランタ
(2009/01/02 03:00登録)
個人的には楽しめました。
色々な仕掛けを詰め込んでいて飽きさせません。
前半部分の文章が読みにくい印象でしたが、それも仕掛けの内と捉えて宜しいのでしょうか?

ただ、印象薄い人物が犯人だったという思いがありますが。

No.15 5点 いけお
(2008/11/12 02:20登録)
人物の個性が無く、文体も読みにくいので、入り込みづらかった。
どうせなら中途半端に警察を登場させなかったほうが良かったんじゃないか。
最後のほうの記述もよくわからない。
全体的なアイディアは良かったと思うが。

No.14 5点 こう
(2008/10/13 01:24登録)
 アパートでの連続殺人というテーマでトリックも一生懸命詰め込まれ、個人的には好きな内容のはずなのですがあまりひきこまれなかった、というのが正直な感想です。作品自体は悪くないと思うのですがあまり楽しめませんでした。本来はもう少し評価が高くてもいいのかもしれません。

No.13 4点 おしょわ
(2007/10/27 22:12登録)
なんせ読みづらいです。

No.12 5点 ざき
(2005/02/21 15:25登録)
過剰なまでにトリックを詰め込んでいるのは面白かった。作中作を利用してさり気なく張ってあるいくつもの伏線もなかなか。ただ、登場人物の見分けがつきにくいこと、手記の場面転換が不自然だったり、誰がしゃべっているのか時々分からなくなったりする所がかなりマイナス。もう少しなんとかならなかったものか。

No.11 5点 Dain
(2004/12/05 01:39登録)
第?部の文章がお世辞にも上手いとはいえないので、けっこう乗り切るのが辛かった(ワザとなんですよね、きっと)。で、第?部に入ってからは・・・やっぱりそんなに引き込まれなかった。会話で誰が話しているのかわからないし、また全部関西弁ってのが、東北人の俺にはとっつきにくかったのでしょうか。事件、トリックなどはちょっとやり過ぎのような気がする。

No.10 5点 kuro
(2004/08/10 12:51登録)
長いだけ。

No.9 4点 ハッチ
(2003/08/27 23:21登録)
ちょっと極端すぎる気がしました。登場人物が多すぎるのもあるんですが、色々書きたい事をあれこれ思いついては書き足していったらこういう話が出来上がった、という気がして。警察はやたら鈍だし。鮎川氏への熱の入れようが判るだけに、比べてかなりくどい。

No.8 7点 しゃん
(2003/01/18 20:04登録)
 極めて典型的な推理小説というのが、第一印象。
 丁寧で親切な文章にも、時折でてくるくどすぎないユーモアにも両方共感できた。
 ただ、登場人物が多すぎて少し戸惑ってしまった。誰が誰だかすぐわからなくなってしまう。自分の理解力のなさを痛感。ただ、後半になって登場人物がぐっと減ったので、だいぶ話が理解しやすくなった。
 次々に事件が起こる展開は、結構面白い。典型的な事件であるが、犯人は誰か非常に興味をひきつけられる。
 探偵登場後の解決篇も長々としているにもかかわらず、退屈しない。論理が飛躍している部分が結構あるのだが、それでも良いかなという気持ちにさせてくれる。

27中の書評を表示しています 1 - 20