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ミステリの祭典

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女王国の城
学生アリス&江神シリーズ

作家 有栖川有栖
出版日2007年09月
平均点7.66点
書評数64人

No.64 8点 hsiyehmeipo
(2024/05/06 07:26登録)
さすがのロジックとトリックで面白かったのと、前作に引き続き先輩コンビの掛け合いなどもあり展開も面白かった。

江神が途中まで施設内にいたので捜索パートは少なかったが解決編は江神のかっこよさが描かれていた。



以下ネタバレ及び他作ネタバレ




犯人の詰め方はやはり面白かったが、メイントリックがどうしても森博嗣のとある作品と似ているように感じてしまう

No.63 8点 まさむね
(2023/10/08 19:04登録)
 世にも珍しい高価な食材などを使わなくても、一つ一つ丁寧に調理することで、多くの人の舌を満足させられる料理に仕上げられる…そんな印象。宗教団体「人類協会」の描き方に作者らしさを感じたりも。
 シリーズものとして楽しめるのもいい。このシリーズは長編5作で完結する予定とのことなのですが、いつになるのだろう。早く読みたいような、もう少し待ってほしいような…。

No.62 8点 みりん
(2023/03/14 00:50登録)
購入したものの、分量が多すぎてなかなか手が出なかったこの作品。読み始めるとあーやっぱこの5人好きだし落ち着くわ〜となった。
自分の中では「双頭の悪魔」「孤島パズル」より好き。
学生アリスシリーズ長編はこの作品でラストかと勝手に思っていたら、あと1作あるみたいなので楽しみですね。

No.61 8点 雪の日
(2022/03/30 18:53登録)
これまでの学生アリスシリーズは、かなりトリックに力を入れていたが、本作はストーリーにも力が入っていると感じるものでした。

No.60 9点 ʖˋ ၊၂ ਡ
(2021/10/18 15:08登録)
姿を見せない名探偵、江上二郎を探しに宗教団体の聖地「神倉」を訪れた後輩たちが殺人事件に遭遇し、囚われの身となるのが発端。
入れない、出られない不思議な城で起きる連続殺人の呈示と謎解きの鮮やかさ。
城がなぜ存在しなければならなかったかという理由、犯人の指摘の論理が明快なだけでなく、バイクによるアクションシーンもあり飽きさせない。濃密な世界を堪能させてもらった。

No.59 9点 mediocrity
(2020/12/18 07:42登録)
密度はシリーズ2作目、3作目の方が上だが、楽しさは圧倒的にそれらを上回っている。
謎解きは長さのわりにシンプル過ぎないかと始めは感じたが、さらなる仕掛けがあり重層的で驚いた。
この作品に限ったことではないが、有栖川作品は時々信じられないくらい貧相に感じるトリックが混ざっているのが逆に良い。

No.58 10点 葉月
(2020/12/16 00:18登録)
個人的には有栖川有栖の最高傑作だと思っています。小説としても楽しいですし、本格ミステリとしてもレベルが高い。犯人当てのロジックもさることながら、教団が警察に通報しない理由もこれしかないというほど納得できものであります。詳しくは書きませんが、新興宗教団体という設定 がミスディレクションになっているのも見事。オールタイムベスト級の傑作です。

No.57 9点 じきる
(2020/12/13 22:17登録)
過去と現在の事件を結ぶロジックの合理性は毎度のことながらお見事。
伏線の仕込みの技術や動機面の納得度も高い。
そして何より、シリーズの強みを活かしたストーリーに大変満足できた。

No.56 7点 ボナンザ
(2020/08/27 14:40登録)
毎度の論理性は大したもの。
話はやや長すぎたか。

No.55 8点 sophia
(2020/08/17 17:03登録)
これも本来もっと早く読んでいないといけない作品でしたが、諸事情により今更になって読了しました。前三作はだいぶ昔に読んでいます。隠された拳銃の論理はとても面白いのですが、動機面が思っていたよりも雑でしたかねえ。十一年前の事件も含めて、被害者間のミッシングリンクがもう少し何かあるのかなと思っていたんですけど。それと時折マリア視点になるのには特に意味はなかったようで、これは「双頭の悪魔」の名残ですかね。しかしやはりEMCメンバーの絡みは面白い。前三作も読み返したくなりました。三作とも持っていたのになぜ売ってしまったのだろう。

以下ネタバレ

ニシさんへ

マリアがイヤリングの片方を落としたのは、千鶴が穴に入る前ではないですか?

No.54 6点 レッドキング
(2019/04/28 16:27登録)
個々の「ロジック」よりも、過去の「密室トリック」解明に感心してしまった。

No.53 4点 sm556s
(2019/01/13 21:56登録)
全てにおいて本格推理としての要素が満たされていると思います。但し、この作者の最大の欠点は意外性がないということです。”真相が分かって呆然とする”、”思わず本を読み返してしまう”といったことがないのが残念です。

No.52 4点 ニシ
(2018/03/28 21:55登録)
ネタばれ注意!

マリアが木の洞を見つけて、イヤリングを落として、道を引き返して
ビニールハウスまでたどり着いて、おじさんと話して・・・
ってここまで2分以内でできることなの?そりゃ、正確な所要時間は書いて
ないけどさ。
本文読むと、すくなくとも5分やそこらかかってると思わない?
そのために、ははーん、こりゃ女の子は嘘ついてるなと考えちゃったよ。

読者への挑戦を入れるんだから、肝心なところははっきりさせといてくれ
ないと間違った方向で考えちゃうよ~

No.51 8点 邪魅
(2017/02/28 01:46登録)
やっぱりこの人のロジックは好きだなあ、と

凶器がどこから持ち込まれたのか、という意味では大きな括りとして密室物とも考えられえるのではないか、と思います
凶器が何であったか、そして凶器を持ち込むための条件が何であるか、それを考えていけばおのずと過去の事件の真相も明らかになる
というのはやはり美しささえ感じられます

No.50 9点 虫暮部
(2017/02/20 10:06登録)
 江神の台詞にもあるように、〈ペリハ〉にはあまり効き目がない。“捜査を混乱させるためのフェイクの手掛かり”をあまり自由に解禁すると、犯人は(というか作者は)ホワイダニットをぶっちぎって幾らでも奇天烈な事件現場を無意味に作り出してしまうではないか。蛇足だと言う気もするが、しょーもないダイイング・メッセージを持ち出してしまうのはそれこそクイーンの血を継ぐ悪癖か。
 読書の楽しさにじっくり浸れるこの長さはありがたい。やはりこのひとは文章がさりげなく上手い。 

No.49 8点 メルカトル
(2016/08/20 22:26登録)
まず、江神が新興宗教の本部に軟禁されているのではないか?という冒頭の謎からして引き込まれる要素は十分。
序盤から中盤にかけては、多くの方が指摘されているようにテンポの悪さが目立ち、本筋とあまり関係ないと思われるエピソードがいくつか見られるのはマイナス点か。が、織田とマリアの脱出劇などの冒険シーンは個人的には読みごたえがあった。まあここは無駄に長いという意見も分からないでもないけれど。
過去から飛来した凶器の拳銃、閉ざされた聖洞、緻密に絞られる犯人像など、江神の推理は冴えわたり、全く齟齬のない解決を披瀝し読者をねじ伏せる。
ただ一点、人類協会代表の野坂公子が姿を現すことが最後の最後まで一度もなかったのが気になっていたのだが、それもエピローグを読んで深く納得したのである。なるほど、こんなところにも仕掛けというか、伏線が張られていたのかと思うと、作者の懐の深さを実感せざるを得ない。

No.48 7点 E-BANKER
(2016/07/08 23:09登録)
「双頭の悪魔」(1992)以来、久し振りの江神&学生・アリスシリーズ第四弾。
およそ十五年の歳月を経て発表された本作は文庫版で上下分冊の大容量!
第八回の本格ミステリー大賞にも輝いた、2007年発表の大長編。

~舞台は目覚しい成長を遂げる宗教団体「人類協会」の聖地・神倉。大学に姿を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内には神倉に向かったと思しき痕跡。アリスとマリア、そして望月・織田までもが同調し、四人は木曽路を浸走ることに。「城」と呼ばれる総本部で江神の安否は確認できたものの、思いがけず殺人事件に遭遇。外界との接触を拒まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発する・・・~

いやぁー結構長かった!!
他の多くの方も触れているけど、これは確かに「無駄に」長いという表現が当たってるようにも思えた。
特に中盤!
直接本筋には関係のない脇道がかなり多い!
四人の脱出劇も、いくらエンタメ的趣向とはいえ、ここまでのボリュームが必要かと言いたくなってしまう。
(結局、尻つぼみに終わってしまうんだもんねぇ・・・)
「双頭の悪魔」や「孤島パズル」との比較を書評上で書かれている方も多いけど、「うーーん」確かに、まとまりとかストーリーテリングという観点からなら前二作の方に軍配を上げたくなる。

という訳でまずは否定的な意見から・・・
で、本筋なのだが、
さすがに真相解明でのロジックはよく練られている。特に「銃」に関するロジックは秀逸。
①「銃声」がアリバイトリックと密接に絡む点、②厳重なクローズド・サークル内への銃の持ち込まれ方、③過去の事件と現在の事件との関連性、などなど伏線が見事なまでに回収されていく手腕は、作者の集大成といっても過言ではないだろう。
十数名を超える容疑者から真犯人が消去法で炙り出されていくカタルシス!
これこそが本格ミステリーの醍醐味に違いない。
「宗教団体」や「城」という舞台も単なるこけおどしではなく、必要性はあったんだなと終章で納得(一応)。

ということで、シリーズファンにはやはり堪えられない読書だったんだろう。
ただ、冷静な目線で見ると、やっぱり前二作よりは劣るという評価は変えられない。
次作がシリーズラストということで、期待せずにはいられないよね・・・やっぱり!

No.47 10点 青い車
(2016/02/25 18:02登録)
現時点での有栖川有栖の最高傑作と思っています。
マリアがいなくなった前作に対し、本作は江神部長が失踪するという掴みが魅力です。宗教組織を向こうに回して繰り広げるストーリーは自然の脅威によって閉ざされた空間を舞台にしたこれまでと違い、シリーズ4作中もっともユニークだと思います。パズラーとしての純度は『双頭の悪魔』の方が上ですが、本作はエンタメ小説と本格ミステリーの最大公約数を実現していると言えるのではないでしょうか(特に見どころなのが織田先輩の大アクション)。また、人類協会をただの得体のしれない怪しい集団で片付けず、最後に協会の裏に隠された事情を見せて驚かせてくれるところなどさすがです。
クライマックスの江神部長の推理も冴えています。銃声の処理など細かいところをカヴァーする推理もさることながら、何と言っても凶器の謎、過去に小屋で起きた事件から思わぬ犯人の特性を導き出す推理が抜群です。舞台と親和性の高い謎解きからは、地味な物証からじわじわ推理を組み立てていた『月光ゲーム』からは比べようもないほどの発展を見せています。総合的に見ても、あらゆる点で神経が行き渡った傑作であると思います。シリーズ最後となる第五作の期待がどうしても高まってしまう完成度です。

No.46 8点 パメル
(2016/02/08 10:31登録)
散りばめられた伏線や終盤の解決シーンの直前に
挿入された「読者への挑戦」とワクワクさせる要素が満載
ロジックは「双頭の悪魔」に一歩譲るものの
冒険要素や活劇で十分に楽しませてくれる

No.45 9点 CHABI
(2015/06/11 23:13登録)
大変面白かったです。
前半のテンポの悪さにどうなることかと思ったものの、中盤以降はさすがの出来でした。
いろんな謎が一気に解決される様は圧巻の一言です。
多少、強引な部分もありますが、私は大いに納得できる結末でした。

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