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ミステリの祭典

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灰色の動機
ベストミステリー短編集

作家 鮎川哲也
出版日2012年04月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 6点
(2020/11/10 13:20登録)
ちょっと変わった鮎川短編集。
表題作は、他の短編にくらべ最も長く、登場人物も多い。
長編にもできそうなところを、ぜい肉を削ぎ落してスリムにしたという感じ。
物足らないともいえるが、上手いと評価すべきだろう。

いちばんの好みは、処女作品の超掌編「ポロさん」。
本格推理小説とはいいがたいが、オー・ヘンリー的ミステリーっぽさがあり、読み終わって、真相にじーんとくるところが良い。
斎藤警部さんがおっしゃるように、ホヮットダニットでもあるし、どのようにして調達したのかというハウダニットでもあり、なぜ○○したのかというホワイダニットでもある。
これはもしかして鮎川本格推理の原点なのかもw

「人買い伊平治」「死に急ぐもの」「蝶を盗んだ女」は、まずまずの出来。
「結婚」は、なんとSF設定だった。

「ポロさん」が秀逸、「灰色の動機」が次点、「結婚」「蝶を盗んだ女」がまあまあ、といったところか。
ミステリーとしてはまずまずだが、個人的にはかなり嗜好にマッチした短編集だった。

No.3 6点 sm556s
(2019/03/20 08:40登録)
ネタバレあり:作者としては異色の作品がまとめられてある短編集。それぞれ異なったテイストがあって面白い。表題作がやはりベスト。うるう年の誕生日をうまく使っている。但し、中盤で被害者の婚約者が独自捜査を行い被害者の田舎で被害者の友人と合流して色々と調べるあたりは不要な気がした。最後に結局は探偵が登場するのだから。ポロさんも超短編ながら味わいがあった。一読の価値あり。

No.2 6点 sm556s
(2019/03/20 08:40登録)
ネタバレあり:作者としては異色の作品がまとめられてある短編集。それぞれ異なったテイストがあって面白い。表題作がやはりベスト。うるう年の誕生日をうまく使っている。但し、中盤で被害者の婚約者が独自捜査を行い被害者の田舎で被害者の友人と合流して色々と調べるあたりは不要な気がした。最後に結局は探偵が登場するのだから。ポロさんも超短編ながら味わいがあった。一読の価値あり。

No.1 6点 斎藤警部
(2016/09/22 18:03登録)
人買い伊平治/死に急ぐもの/蝶を盗んだ女/結婚/灰色の動機/ポロさん
(光文社文庫)

割と気軽い作品が並ぶ「其の他」系短篇集。鮎川ファンなら読んでみたいところ。「結婚」はレアなSFです。

推理小説ではないけど、氏の処女作でしたっけ掌編「ポロさん」。ちょっと泣けるサドゥン・エンドにはうっすらとミステリの薫りも漂います。言ってみりゃ日常のホヮットダニット。

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