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ミステリの祭典

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いいちこさんの登録情報
平均点:5.67点 書評数:541件

プロフィール| 書評

No.461 6点 中途の家
エラリイ・クイーン
(2021/08/18 19:52登録)
犯人特定のプロセスにおける論理性の高さは、相変わらず出色のデキであり、それだけなら7~8点に相当する。
ただし、こうしたプロットを成立させている舞台設定は異様であり、それに何らの説明も付けられていない点を重く見て、大きく減点


No.460 5点 ララピポ
奥田英朗
(2021/08/18 19:51登録)
全体として軽量コンパクトな作品であるうえ、ミステリとしての性格も至って弱く、この程度の評価にならざるを得ない。
本作は、エロ描写まみれの内容や、格差社会の現実を下世話に、赤裸々に描き出しているだけで、何の主張もなく、解決も与えていないとの批判もあるようだが、人間の弱さに真正面から向き合った、著者の王道を往く作品であり、それほど批判的なスタンスに立つべき作品であるとは考えていない


No.459 5点 狐火の家
貴志祐介
(2021/07/30 21:02登録)
表題作のみが及第点のデキ。
「黒い牙」のフィージビリティは相当に疑問であり、強く不満が残る。
「盤端の迷宮」「犬のみぞ知る」は平凡な作品


No.458 4点 ソロモンの犬
道尾秀介
(2021/07/30 21:00登録)
著者らしからぬ凡作であり、読後の印象も薄い


No.457 5点 華麗なる誘拐
西村京太郎
(2021/07/30 20:59登録)
アイデアの独創性は抜群であり、その点は高く評価する。
しかしながら、プロットは平凡で、かつ著者の作品は総じてそのような傾向が強いが、実証的な検討を経ておらず、フィージビリティがまるでない。
その点を大きく減点してこの評価としたが、もったいない作品


No.456 5点 寝台特急「出雲」+-の交叉
深谷忠記
(2021/07/30 20:55登録)
真相の骨格はよくできているにもかかわらず、トラベルミステリというプロットを選択した結果、そのよさが半減。
そのうえ、アリバイ崩しとしては標準的な水準を脱しておらず、もったいない作品


No.455 6点 柳生忍法帖(上・下)
山田風太郎
(2021/05/26 11:33登録)
プロットの完成度は高く、冒頭・前半部分で読者を引き込んでいく力はさすが。
ただ後半に至って、幾何級数的に、ドラゴンボール的に風呂敷が拡げられた結果、面白さが半減しており、竜頭蛇尾の作品


No.454 6点 十字屋敷のピエロ
東野圭吾
(2021/03/26 13:25登録)
毀誉褒貶がわかれるであろうが、野心的な取り組みが一定の効果を発揮しており、好意的に評価したい


No.453 4点 女囮捜査官 2 視姦
山田正紀
(2021/03/26 13:23登録)
犯行の態様が全体としてリアリティを欠き、捜査のプロセスも合理性を欠いている等、高く評価することはできない


No.452 4点 人間の証明 21st Century
森村誠一
(2021/03/26 13:19登録)
リアリティに乏しく、凡作の域を出ない


No.451 8点 模倣犯
宮部みゆき
(2021/03/26 12:53登録)
力作であり、よく書けている点は、掛け値なしに認める。
ただ、犯行計画にフィージブルでない、ご都合主義的な点が見受けられる点、犯人の行動が犯行動機に対して合理性を欠く点が見受けられ、その点を減点


No.450 6点 終りなき夜に生れつく
アガサ・クリスティー
(2021/01/04 10:50登録)
一人称での叙述も含めて、よく考えられた作品ではあるのだが、騙しの手数が少なすぎる。
この舞台設定・登場人物であれば、読者が客観的・合理的にさえ考えれば、この真相に辿り着いてしまう。
演出の工夫次第で、より大きなサプライズを生み出せたように感じる点で、もったいない作品


No.449 3点 寝台特急(ブルートレイン)殺人事件
西村京太郎
(2021/01/04 10:49登録)
これは厳しい。
正直に言って好意的に評価できる点がない。
特に犯人がこれほどに大掛かり、かつリスキーな犯行計画を策定してまで、寝台特急での犯行にこだわる合理的な理由が見当たらない点は最大の問題。
本作プロットの根本的な欠陥と言わざるを得ない。
犯人が初手から半ば特定されているにもかかわらず、犯人が唐突に自供を開始して真相が解明するというプロセスもいただけない。
3点の最下層


No.448 6点 ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
スティーグ・ラーソン
(2020/12/28 16:01登録)
「未解決殺人事件の解明」と「ヴェンネルストレムの打倒」が本作の骨格を形成している訳だが、それらが有機的に連結しておらず、プロットの完成度は至って低い。
結果として、前者を描いた長編作品に、後者を描いたサイドストーリーを追加したかのような構成となっており、そもそも作品の構想自体に大きな欠陥が存在。
また、前者は犯行を解明するプロセスがほぼすべて犯人の自白であり、後者は相手のPCを丸ごとハッキングするという、ほとんど冗談としか思えない展開。
中盤あたりまで読者をグイグイと引き込んでいく、筆力の高さは抜きんでており、その点では確実に楽しめるが、それを最大限に評価しても、ミステリとしては及第点の域を出ない


No.447 5点 戦争の犬たち
フレデリック・フォーサイス
(2020/12/11 20:28登録)
襲撃を準備するプロセスにおけるペーパーカンパニーの創設、武器・船舶の調達等に関する描写があまりにも冗長で、ジェームズ・マンソン卿の娘とのエピソードも、その必然性が感じられない。
それが結果として筆者の持ち味であるサスペンスを著しく殺いでおり、ラストシーンも強い感慨を残すものではない。
筆力の高さはさすがだが、これまでに読了した「ジャッカルの日」「オデッサ・ファイル」には遠く及ばない


No.446 5点 殺しのコツ、教えます
蒼井上鷹
(2020/12/11 20:27登録)
趣向・作風ともに好感が持てる作品だが、その骨格は至って軽量コンパクトであり、これ以上の評価は難しい


No.445 6点 王とサーカス
米澤穂信
(2020/11/17 17:51登録)
ジャーナリズムのあり様に対する問題認識には賛同できるが、それとミステリとしてよくできているかどうかは別の話。
非常に世評の高い作品であるが、1個のミステリとして評価すると、この程度


No.444 2点 新・寝台特急殺人事件
西村京太郎
(2020/11/17 17:44登録)
E-BANKERさんの書評のとおり。
ミステリとは言えないし、サスペンスと解しても最低ランクの評価にならざるを得ない


No.443 7点 カササギ殺人事件
アンソニー・ホロヴィッツ
(2020/11/05 08:49登録)
高い構想力を感じる意欲的な作品であり、一定のサプライズを演出できているものの、ご都合主義と推理プロセスにおける論理性の欠如が目に付く。
7点の下位


No.442 4点 あいにくの雨で
麻耶雄嵩
(2020/10/20 19:20登録)
そもそも本作を執筆した趣旨・意図が不明。
ミステリとしての本質・骨格を考えれば、高い評価を献上することはできない

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