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ミステリの祭典

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理由

作家 宮部みゆき
出版日1998年05月
平均点6.44点
書評数36人

No.36 6点 ぷちレコード
(2024/04/23 22:22登録)
バブル崩壊後に、寂しく取り残されたようなマンションに住む一家四人が、六月の台風のさなかに惨殺される。しかし彼らの身元を割る警察の作業は難航した。なぜなら、彼らはその部屋に住んでいたはずの一家ではなかったからだ。彼らの正体は、そして犯人は。                         
被害者一家を取り巻く人々にも家族がいる。その一つ一つを丁寧に描き分けようという作者の狙いは成功していて、それぞれの事情を追っていくのも面白い。

No.35 6点 ひとこと
(2023/06/08 23:26登録)
「火車」と「理由」どっちも好きだけどやっぱり火車の方が良いなあ…

No.34 5点 いいちこ
(2021/11/16 20:14登録)
本作は、当時社会問題化していた住宅ローンによる破綻と占有屋を主題に、それにまつわる人々の生き様を掘り下げつつ、1個の殺人事件に収斂させていく構成をとっている。
視点人物が刻々と変化するものの、そのプロットは単純で、骨格は一本道であり、そして何より真相がチープすぎるがゆえに、そうしたエピソードの数々が夾雑物と映り、読後に強く冗長さを感じさせるのである。
この内容で、この長尺をもたせ切る筆力はさすがだが、よく比較される「火車」には遠く及ばないと言わざるを得ない

No.33 5点 じきる
(2020/08/23 21:31登録)
リーダビリティは流石なんだけど、あまり残るものがなかったからこの点数。

No.32 4点 レッドキング
(2019/06/27 22:27登録)
むかし、中古マンションを購入しようと、あっちこっちの部屋を内覧したことがあった。その中に、未だ家族が住んでいて、父親の恨めしそうな視線や女の子の淋しそうな表情の方が印象に残ってしまった部屋があった。人生ってキツイな、お互いに・・・と、あまり関係のない話になってしまった。

No.31 7点 バード
(2018/11/24 13:07登録)
先が気になり一気に読んでしまった。それは700ページ近い作品をわずか2日で読みきったという点から間違いない。読んでる間は面白かった。しかし、月日がたつと忘れてしまいそうな作品という気がする。

つまり何が言いたいのかというと、話は良かった(8-9点)が、ミステリとしてガツンとインパクトのある何かはない(5-6点)という印象で、脳に衝撃を与えるタイプの作品ではない。(別作者だが、ゴールデンスランバーを読んで受けた印象に似ている。)

具体的に良かった点を挙げると、被害者らの身元に関する謎をひっぱることで緊張感をなくさずに読ませたという点かしら。それらが明らかになる中盤が一番読んでて盛り上がったね。

No.30 6点 E-BANKER
(2018/02/10 21:05登録)
第120回直木賞受賞の長編。
「火車」や「模倣犯」などと並び、作者の代表作といって差し支えないだろう大作。
1997年の発表。

~事件はなぜ起こったのか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか?・・・。東京都荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者はそこに住んでいるはずの家族ではなかった・・・。ドキュメンタリ的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作~

テーマは当然「家族」ということなのだろう。
本作では事件を深掘りするなかで、さまざまな家族の姿が出現する。
「小糸家」をはじめ、事件に巻き込まれた家庭は、どの家庭も望ましいものではなく、それぞれが互いにいがみ合ったり、すれ違ったりと暗い影を引きずってしまう。
そして、事件の舞台となる超高層マンションこそは、作中の登場人物が言及するとおり、『バベルの塔』なのだ。
天に昇りたいという思いで、人がこしらえた「バベルの塔」・・・
しかし、皮肉にもその「塔」が家族に不幸をもたらすことになる。

作者は現代社会が抱えている病巣を炙り出し、描きたかったのか。
「欲」や「見栄」や「プライド」・・・
人間誰もが持っている負の部分。当然、犯罪はそういう感情が温床となり生まれることとなる。
うーん。重いしやりきれないね。

直木賞受賞を持ち出すまでもなく、本作のレベルは通常のミステリーを超えている。
ただ、ミステリー的な観点からすると、いろいろ言いたいことはあるだろう。
冗長だ! ロジカルな部分が皆無! サプライズがない!etc
それはそのとおり。
ただ、本作が“宮部みゆき”という作家を完成させた作品なのは確かだという気はした。
(勘違いかもしれませんが・・・)

No.29 9点 斎藤警部
(2015/06/08 11:48登録)
「黒死館」に寄せた乱歩の序文じゃないが、壮大なこの一篇に埋め込まれた膨大な創作ドキュメンタリー資料の数々から幾つもの硬派な社会派推理小説群が解(ほど)き出されるのではないか、とそんな愉しくも少し苦い妄想をせずにいられない市民物語の巨大集積塔。。。。 の圧倒ぶりに較べて結末だけ意外にあっさりしてしまったか。
とまれ必読の風格漂わざるを得ぬ、重みの一冊。

No.28 8点 TON2
(2012/11/05 20:05登録)
下町に突如現れた超高層マンションを舞台に、裁判所の競売物件と民事執行妨害のさまが描かれています。
一見何の関係もない人々が、物語の終末に向かって一つになっていく様子は、見事な筆力です。決して読者を飽きさせません。

No.27 7点 ムラ
(2012/04/19 21:25登録)
取材という形で物語が進んでいるのもあいまって、まるで本当の事件を扱っているかのようなリアルさがよかった。
事件自体は特に謎のある感じじゃないけど、その背景を探っていく道筋が面白い。
占有という普段みない題材を軸になっていたから興味も沸いたし、それに巻き込まれる人たちのドラマとかよく書き込んだなぁと思う。
ミステリとしては謎が無いのが残念だけど、フーダユニットを掘り下げてく内容と見れば満足。途中までの展開はまったく読めなかったし。
ただオチが微妙。メッセージ性として読むなら「こんな奴が溢れてたまるか」と思うだけだし。

No.26 7点 seiryuu
(2010/08/16 00:29登録)
ミステリーとしては?ですが ストーリーは面白かったです。

No.25 5点 りんちゃみ先輩
(2009/09/08 21:18登録)
物語としては現実に起こった不可思議事件のようで興味をそそられましたが、読み物として興奮も、感動もなく引込まれることもなかった特殊な小説でした。でも最後まで読み切れてしまうのはやはり、さすがの文章力なのでしょう。

No.24 6点 殿一気
(2008/03/06 04:50登録)
何の予備知識も持たずに読み始めたので、いつもの宮部さんとの毛色の違いに戸惑いました。ノンフィクションの体裁が自分には合いませんでしたね。「火車」で直木賞を逃した時も驚きましたが、まさかこの作品で受賞するとはもっと驚きました…。

No.23 5点 白い風
(2008/02/17 17:56登録)
宮部さんの文章力には感心するけど、ミステリとしてはどうかな。
事件の人間関係などの特異性は面白かったけど、ドラマティック性にちょっと乏しい平凡な印象を持ちました。

No.22 9点 itokin
(2008/01/02 15:00登録)
時代にあったテーマ、読めない展開、全ての面で満足。宮部みゆきのすごさを確認した一冊。直木賞も納得。

No.21 6点 vivi
(2007/10/20 19:25登録)
ミステリとしてどうなのか?と言えばこの点数ですね。
まあ、事件そのものは単純なものでしたし・・・
しかし、この作品の背後に宮部氏が書きたかったものに、
圧倒されたという感があります。

ドキュメンタリーを読むのは好きな方なのですが、
これは作為的なドキュメンタリー風ですので、
その点、ちょっとまどろっこしく感じました。
事件の全容が分かってからが、長すぎたかな・・・

No.20 9点 くりからもんもん
(2007/10/02 20:02登録)
ミステリ?どちらかと言うと文学ですね。しかし現実に起こりうる事象も具体的に絡めて、現実と虚構のバランスが絶妙です。
若干冗長な感もありますが、まず立ち読みでも良いですから最初の章だけ読んでみてください。そこでやめることができる人がいたら、お目にかかりたい。

No.19 7点 spam-musubi
(2007/09/06 10:39登録)
本格を期待して読むと肩透かしを食らいます。
宮部さんの中では非常に読みづらい部類に入る本だと思いますが、
そこを我慢していると後半ぐいぐいとひきつけられ、
最後は布団の中で夜3時に読了。1時には寝る予定だったのに(涙)

No.18 7点 VOLKS
(2007/07/03 00:46登録)
インタビュー形式という書き方が初めて読んだ当時とても新鮮に感じたのを覚えている(映画より小説の方が数倍面白い)また、読みやすい文体なので本の厚さが気にならなかった。

No.17 5点 主任技師
(2007/06/02 00:05登録)
宮部みゆきの作品は面白くて一気に最後まで読ませてしまうのは認めるがどれもラストがいまいち。

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