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ミステリの祭典

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列車に御用心
短編集(ジャーヴァス・フェンもの14作+その他2作)

作家 エドマンド・クリスピン
出版日2013年03月
平均点7.00点
書評数4人

No.4 6点 いいちこ
(2022/08/09 19:17登録)
非常に世評の高い作品であり、各短編の堅牢性、豊富なバリュエーションは評価。
一方で、その内容・作風はかなり古さを感じさせ、翻訳のまずさも相まって、エンターテインメントとしてはいま一歩

No.3 8点 ロマン
(2015/10/22 21:26登録)
さすがクイーンの定員に選ばれただけのことはある正統派。謎→検証→解決が手際良く構成された、これぞ短編ミステリーの醍醐味。特に良かったのは、ありえない事を消していった先に前提条件が間違っていると解き明かすクイーン的な『列車に御用心』。たった一通の手紙のトリックの巧妙さが幾重にも光る『人生に涙あり』。著者のカー愛好度合がみてとれる密室と思わせた非密室の『窓の名前』。特色であるユーモアを無くし青春の苦さを謎解きによって描いた『デッドロック』。

No.2 7点 nukkam
(2015/07/26 03:10登録)
(ネタバレなしです) ジャーヴァス・フェン教授が活躍する14作品と非シリーズの2作品を収めて1953年に発表された第一短編集です。 作者による「はじめに」で、「短編小説の魅力は作品が醸しだす雰囲気を堪能すること、もしくは未知なる物語との刹那の出会いにある」と述べ、この短編集に収められた16作品の内15作品が後者であると紹介しています。専門知識を求める「金の純度」などは少々つらいですが、全般的には気の利いた謎解き手掛かりによる推理の本格派推理小説として楽しめます。個人的なお気に入りは「ペンキ缶」「喪には黒」「窓の名前」ですが、唯一の「作品が醸しだす雰囲気を堪能する」作品である「デッドロック」も現場見取り図付きの謎解きに加えて青春小説としても楽しめる逸品です。kanamoriさんの推奨と全く同じになって感想として芸がありませんが、いい作品はやっぱりいいのです。

No.1 7点 kanamori
(2013/05/12 11:25登録)
「クイーンの定員」にも選出されているクリスピンの第1短編集。
このミス”我が社の隠し玉”で予告されてから、だいぶ待たされましたけれど期待以上の好短編集でした。

ジャーヴァス・フィン教授もの14編は、人間消失、アリバイ、密室トリック、意外な手がかりなど、短い枚数ながらパズラーの王道を往く端正でロジカルな本格編。なかでは、「喪には黒」「ペンキ缶」「窓の名前」などがよかった。
それらのパズラー以上に印象に残ったのが非シリーズものの「デッドロック」で、クックの記憶シリーズを思わせる抒情性豊かな青春小説として秀逸な作品。

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