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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1696件

プロフィール| 書評

No.176 8点 藪の中
芥川龍之介
(2012/03/19 22:29登録)
ミステリサイトに芥川龍之介氏が登録されていたなんてびっくり。自分の人生の中では、かなり影響を受けた作品の一つです。物事を多面的、客観的に見ることを学んだように思います。黒澤映画「羅生門」は本書に沿っていますが、2009「TAJOMARU」(小栗旬氏主演)は盗賊・多襄丸は登場するのですが、筋はほとんどオリジナルなものでした。本書は、謎・謎・謎、まさに藪の中、ミステリーです。


No.175 4点 巴里人形の謎
太田忠司
(2012/03/18 11:49登録)
「私は人形に殺される」謎の言葉を残し、人形作家がパリで首吊り自殺した。この謎がメインであると思いつつ読んだのですが、小説の中では謎が生きてこなかったと思います。謎の真相は明らかにされるのですが、イマイチの感じであったし、またメインとなる人形を絡めた別の殺人事件の動機も同様でした。雰囲気は良いと思いますが、ミステリーとしては高評価はつけ難いと感じました。


No.174 6点 百舌の叫ぶ夜
逢坂剛
(2012/03/16 08:16登録)
ミステリー度をあまり期待しないで読んだので、逆に楽しめました。筋は良くできていると思いますし、スピード感も充分、また登場人物も全員一癖も二癖もあり魅力的でした。


No.173 6点 ゲッベルスの贈り物
藤岡真
(2012/03/14 17:55登録)
叙述系のエンターテイメントと言えるのでしょうか。スピード感もあり楽しめました。冷酷な殺し屋の正体が判明した時には、そのギャップに思わず笑ってしまいました。


No.172 4点 林の中の家
仁木悦子
(2012/03/13 17:59登録)
登場人物が多く、関係も複雑なので図を作らないと理解できませんでした。伏線は、かなりちりばめられているのですが、その内容は偶然が多く、ちょっと拍子抜けがしてしまいました。動機がイマイチなので読者にとっては意外な犯人となり、予想することはできないのでは?


No.171 8点 時のアラベスク
服部まゆみ
(2012/03/12 09:09登録)
これがデビュー作とは思えません。文章が美しい。情景が目に浮かぶ。人の心の闇を見事に描いています。まさか、この人が犯人?と思わせ二重三重の罠が仕掛けれれています。著者の作品は3冊目ですが、2007年、58歳で逝去されており、単行本は10冊程度らしいので、残りを読破したいと思います。


No.170 4点 崖の館
佐々木丸美
(2012/03/11 15:45登録)
雪に閉ざされた北海道の崖の家の雰囲気や、主人公(女学生)の心理や成長ぶりは良く描かれていると思います。しかし、トリックや動機はイマイチと感じました。(以下ネタばれ)メイントリックとは関係ないのですが、壁に掛けられていた三十数点の絵画の一部消失について、簡単にスルーされ、納得がいきませんでした。答えは消失ではなく、額を少しづつずらして隙間をあけたとのことですが、理屈はそうであっても現実には無理があるとしか思えません。床に置いてあったのなら別ですが、一枚ずつ壁に掛っていると思いますのでフックはどうしたのでしょうか?。1枚はずし、別のところに掛けたなら解りますけど・・・


No.169 6点 ロスト・シンボル
ダン・ブラウン
(2012/03/09 15:10登録)
「天使と悪魔」『ダ・ヴィンチ・コード」に続くラングドンシリーズ。『ラングドンは、フリーメイソン最高位の資格を持つピーターから講演の代役を依頼され会場に駆けつけるが、ピーターの姿はなく彼のものと思われる切断された右手首と金の指輪があった。ピーターを人質に取ったマラーク(悪霊)と名乗る謎の男は、ラングドンに“古の門”を探せと命じる。ラングドンは駆けつけたCIA警備局長サトウと共に、“古の門”の捜索に乗り出す。』今回はワシントン・DCが舞台で、映画化を前提としているようなので、スピード感はありますが、前2作より小粒の感は否めないです。(アメリカでは1000万部売れたそうですが)


No.168 8点 天使と悪魔
ダン・ブラウン
(2012/03/09 15:09登録)
宗教と科学の対立を描いたエンタメ系ミステリーと言えるのでしょう。2003年発売と同時に読んでいましたので、2005年ローマ教皇(ヨハネ・パウロ2世)の逝去やコンクラーベ(新教皇を選ぶ会議)のニュースが本の内容と重なり印象に残っています。映画では、本書でお気に入りの前半の科学者に関する物語や、後半の枢機卿の長々となる語り部分がカットされておりイマイチでしたが。


No.167 5点 デセプション・ポイント
ダン・ブラウン
(2012/03/09 15:08登録)
「ダ・ヴィンチ・コード」より以前の作品で、アメリカ大統領選の陰謀を描いたものです。題名通り「偽装」なのですが、ミステリーとしてより、エンタメとして読むべき作品だと思います。


No.166 4点 パズル・パレス
ダン・ブラウン
(2012/03/09 15:08登録)
国家秘密の通信設備に係る物語(エンタメ系)なのでミステリー的には弱いと思います。著者の良いところは、スピード感と読みやすさにあると思います。


No.165 7点 悪霊の館
二階堂黎人
(2012/03/09 09:15登録)
重厚なプロット(密室・首なし・連続殺人・幽霊・魔女・骨肉の争い・双子・過去の事件等々)を詰め込んだ長編で、作者の本格に対する意気込みを感じました。作中、主人公・二階堂蘭子にとっての推理小説を次のように述べています。「犯人が明瞭に指摘できないということは、その推理小説が単に<アンフェア>な読み物であり、必要な手がかりが読者に提示されていないという証拠だった。ただちに彼女の軽蔑の眼差しの対象となるのである。」かの2005年の「X」論争と同様、氏の本格にこだわる強い姿勢をここにも感じることができました。


No.164 8点 カラスの親指
道尾秀介
(2012/03/07 08:34登録)
映画化とのことで拝読。コン・ゲームらしいので、ミステリーとしてあまり期待していませんでしたが、予想をかなり上回る面白い作品でした。著者の作品はあまり肌が合いそうではなかったのですが、本作品は大収穫となりました。どんでん返し大好きなので(笑)。


No.163 7点 幻惑の死と使途
森博嗣
(2012/03/07 08:32登録)
ショーの最中の殺人、霊柩車からの消失については、奇術師の登場ならではの話なので納得せざるを得ないでしょう。真相(動機)については、題名ともマッチしており非常に気に入りました。自分の中の真相・動機ランクでは、かなり上位の位置づけとなりました。


No.162 8点 追悼者
折原一
(2012/03/04 20:28登録)
他のサイトでは「まあまあ」の評価が多い。一読ではそのように思うかもしれないと私自身も思いました。しかし、ページをパラパラと戻してみれば、かなりの仕掛けがあることがわかります。ミスリードに次ぐミスリードのオンパレードでかなり凝っている作品です。主題にかかるミスリードも二重となっており、伏線はバッチリあるのですが、犯人はまず解らないのではないでしょうか?。主人公(男)のライターが眩暈を起こすのだから読者も当然でしょう(笑)。女性ライターにも謎があり、ラストのニュース記事にも余韻があります。マスコミを風刺する作品でもあるように感じました。


No.161 7点 倒錯の死角−201号室の女−
折原一
(2012/03/03 08:35登録)
折原ワールドに引き込まれ、面白く拝読。それぞれの登場人物の狂気がうまく描かれていると思います。結末に至る手段に若干無理があるのではと感じましたが、よく考えてみればそれ自体が本当の狂気であったので納得してしまいました。


No.160 4点 八日目の蝉
角田光代
(2012/03/03 08:29登録)
日本アカデミー賞『八日目の蝉』が最多10部門で最優秀賞!のニュース。ミステリーとは思っていなっかたので、このサイトにはないと思っていましたが、登録されていたので評価しました。サスペンス度もあまり感じませんでしたし、一章の誘拐犯の女性および二章の誘拐された女の子(成長後)の心理は男である私にはよく理解できませんでした。余談ですが、近所のおばちゃんから「この本はよかったね?」と同意を求められ困ったことがありました。(笑)


No.159 7点 まほろ市の殺人 夏
我孫子武丸
(2012/03/02 16:56登録)
真相は非常に面白かった。ただ短編(中編?)なのが残念で、長編で読みたいと思いました。前半は、乾くるみ氏の「イ二・ラブ」「セカンド・ラブ」的な感じの話で、私の我孫子武丸氏に対するイメージとは違っていましたが、後半は氏らしい結末を用意してくれています。


No.158 5点 バイバイ、エンジェル
笠井潔
(2012/03/01 16:46登録)
ミステリー、哲学、革命論の融合?。その結果、ミステリー部分(特にフーダニット)がぼやけてしまって、集中できませんでした。また、登場人物の名前や関係を確認するため、登場人物表を何回もひっくり返しながら読まなければなりませんでした(笑)。首なし死体の真相は面白いと思いますが、犯人の設定(誰?および真相)についてはあまり感心しませんでした。


No.157 7点 リア王密室に死す
梶龍雄
(2012/02/28 11:32登録)
題名の密室自体には、あまりインパクトはありませんが、物語は二重構造になっており、構成として面白いものになっています。青春時代には探偵役が登場し、事件は解決と思われますが・・・、そして30年後、主人公の息子が探偵役を務め真相を明らかにしてゆきます。この時代の日本の因習、恋愛意識、貧しさ、学生気質などがうまく描かれていると思いました。

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