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ミステリの祭典

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ムラさんの登録情報
平均点:4.28点 書評数:296件

プロフィール| 書評

No.176 3点 テロリストのパラソル
藤原伊織
(2011/08/06 18:41登録)
正統派な感じのハードボイルド作品で楽しめた。
流れもすらすら進んで文体も読みやすい。ただオチは読みやすいのが残念。
この物語だと浅井がかっこよかった。ホットドックで相手を見直すのがなんともシブイ。


No.175 5点 地球儀のスライス
森博嗣
(2011/08/04 07:44登録)
短編的に好きなのは「小鳥の恩返し」、S&Mの話は本編よりも専門していたが大御の再登場が個人的には嬉しかった。
森的な話で好きなのは「僕に似た人」。詩的で余韻の残る終わり方がいい。(他でネタバレ見てやっとまあ君が誰かわかりました。これは気がつかなかった、ヒント沢山あるのに!)
一番面白かったのは<気さくなお人形、19歳>。サリンジャーっぽい文章で読みやすい。
素敵な日記と片方のピアスは楽しめなかった。なんというか駄目な意味で地味。


No.174 1点 氷菓
米澤穂信
(2011/08/04 00:13登録)
読みやすいくらいで後は特別目立つところは無かった。
謎も普通以下の面白さ。
登場人物は別に嫌いじゃない程度。
青春物としても微妙。


No.173 2点 冬のオペラ
北村薫
(2011/08/02 21:08登録)
探偵が貧乏な設定もよかったし、物語もほのぼのとしていていいんだが、個人的にはゆるゆると話が進みすぎて楽しめなかった。
謎が気にならなかったというのが一番の問題だったかも知れない。
つまらない面白いという以前に自分には残念ながら合わなかった。


No.172 8点 四季
森博嗣
(2011/08/01 17:44登録)
森博嗣のシリーズ物補正+四季補正こみでの点数。
個人的に「春」はオマケ程度に出てきた密室物が楽しめず(というかトリックがお粗末すぎる)、四季も普通な感じでガックリ感があった。
ただ「夏」の後半からブーストがかかり、「秋」ではS&Mの主人公達やVシリーズの主人公達の保管があってこれは楽しめた。
「冬」はもうミステリじゃないですね。四季というキャラの保管小説。でも楽しめた。天才というキャラが凄いしっくりくる。
個人的には有限と微小のパンで納得出来なかった点が保管されていて嬉しかった。
ちなみに、S&M、V、G、百年密室すべてのネタバレがあるので読む場合は注意が必要。
Vシリーズを読み終わった後で再読したら、前読んだとき微妙だった春も楽しめた。しっかりつながってたのか。


No.171 7点 有限と微小のパン
森博嗣
(2011/07/30 01:53登録)
S&Mシリーズ最後の作品。この作品の点数は、シリーズ補正と真賀田四季補正が強いってかそれのみ。正直かなり大甘に点数をつけてる。Fの頃にはあまりわからなかった天才性も伝わったし、キャラの個性もあの頃とは段違いに強くなっている。物語りも粋にのめり込めたおかげか長さが気にならずたのしめた。
でも最後くらい萌絵で締めてあげてもいいんじゃないの・・・。これでは犀川&真賀田だ。でも実際そっちのコンビのほうが気になる。

(こっからネタバレありなので注意)
トリックがわかったとき見直して見たら、たしかにそう取れる描写がいくつかあった。これは納得。まさかそんなわけないだろうという先入観に捕らわれた自分の負けかな。
悪い言い方をすると、この人の作品にはそこまでトリックの感動は期待してない、
ただし、瀬戸さんについてはかなり不満足。犀川先生なんで気がつかなかったのって疑問もそうだが(これについては他作品読んで納得出来ました)、三人称で嘘をついては駄目という個人的なポリシーがあるのでこれは駄目だった。(恋恋みたいに伏線みたいの張ってくれたら話は別だけど)
ただし、博士が子供あやしてきゃあきゃあ言ってるシーンは想像すると楽しい。


No.170 6点 数奇にして模型
森博嗣
(2011/07/28 01:42登録)
この作品をホワイダニットとして捉えるなら個人的には充分楽しめた。個人的に動機は作中でいかに読者を納得させるかが勝負だと想っているので今回のは充分あり。
国枝と犀川の珍しいやりとりも貴重な場面。金子くんも口は悪いが中々のいい子。
紀世都の手紙の考察については自分で想像を廻らせる感じなのかな? 謎が謎のままなのは投げっぱなし感が出ちゃう場合が多々だけど、今回は綺麗な〆に想えたので好印象だった。
萌絵はそろそろ犯人に殺されないようにスタンガンでも持ってるべき。


No.169 6点 幻惑の死と使途
森博嗣
(2011/07/22 18:52登録)
(軽いネタバレあり)
幻惑と言うタイトルに合致したストーリーだった。トリックも原作で言われている通り、シンプルながら解こうとするとミスディレクション的な感じで分かりにくくなる感じ。
最後の犯人が燃えるシーンも綺麗だった。
まあ、今回は素直にストーリーやキャラの会話が面白かったです。やっぱ、犀川先生がいないと駄目ってことがよくわかる一作でした。あとあの先生も新車が危ないと大声出すのね(笑)


No.168 2点 『クロック城』殺人事件
北山猛邦
(2011/07/18 18:22登録)
SFチックな世界観の割には犯人に至る道筋がしっかりとしていて好印象だった。
メイントリックである首無し死体の理由が特に面白い。分かりやすい図形を使ったトリックがメインだと思い拍子抜けしていた矢先に解明された事実だったので、なお面白かった。
それ以外が正直微妙だが、この首無しの理由だけでも読んだ価値はあったかな。
あの理由が考え付いたのなら、雰囲気だけのよくわからない世界よりも、ドロドロとした世界に料理してくれたほうが個人的には好みであった。それが残念。
まぁ、作者がやりたかったのかな。
しかし、これ袋とじする意味あったのかな。


No.167 4点 東京奇譚集
村上春樹
(2011/07/16 21:21登録)
ミステリーっぽくはないけど、楽しめた。
個人的には、ハナレイ・ベイのしっとりさが一番好き。自分だけには見えない、他人だったらあまり好きじゃない死んだ息子を思うと切ない。
どこであれがどれが見つかりそうな場所で、はよくわからなかったが、何回か読み直したくなる。


No.166 3点 火車
宮部みゆき
(2011/07/15 21:23登録)
ちょっと長かったかなぁ。
面白くなかったわけじゃなく、全体的に上手いとは思うんだけど、やっぱり設定とかが物足りなかった。
作品の出来云々の評価というよりは、自分の好みになる。
最後の締めもやっぱり好みだと思うけど、自分はちょっとダメでしたね。逆に印象が薄くなってしまった。ドキドキ感の演出は凄かったけど、


No.165 5点 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
村上春樹
(2011/07/13 00:54登録)
二つの世界を交互に描き出し、世界観の謎を徐々に明らかにしていく形式の物語。
ラストも意外な結末だが、一回読んだだけじゃイマイチわからなかった所も多い。
「記号士」やら「組織」など事件性の多いハードボイルドの世界はわかりやすいミステリ。「世界の終わり」の世界などは不思議な世界観を形成している理解が難しいSFといった感じだろうか。
心というものの捕らえ方が書き綴られていて、中々考えさせられる話だった。


No.164 3点 99%の誘拐
岡嶋二人
(2011/07/06 15:40登録)
展開がスラスラと流れて行って面白かった。ただ、謎が薄いので話の先にそこまで引きつられなかったのが残念。
しかし20年前にこういう話を書けるのは凄い。


No.163 5点 斜め屋敷の犯罪
島田荘司
(2011/07/05 19:10登録)
これだけの大掛かりな密室良く作成出来たなぁと素直に賞賛。
動機などもけっこう納得出来る感じで面白かった。
御手洗の奇人っぷりも炸裂している。


No.162 1点 『アリス・ミラー城』殺人事件
北山猛邦
(2011/07/01 19:33登録)
登場人物全員がある犯人を疑わないのが理不尽さと、この物語の犯行動機に本を投げたのでこの点数で。
せめて動機がまともだったら許せました。
わかりやすく伏線張りまくってるところだけ……(ちょっと安易に張ってる気もするけど)
こういうトリックは、物語を栄えさせるためにあるのであって、物語を殺すためにあるんじゃないと思う。トリックのために物語をガタガタにするのはいただけない。


No.161 9点 首無の如き祟るもの
三津田信三
(2011/06/30 15:46登録)
首無し殺人物という超高難易度の題材でここまでの推理小説を書けるんだと素直に驚いた。
ミスリードとホラー的要素も上手く合わさっている。なにより、祟りや村の風習などが非常に綺麗に使われているのも好印象。
後半で卑怯なっと思ってしまったがそれも騙しだったのでスッキリ。
そしてドンデン返しというよりオチが素晴らしかった。
一つの謎さえ解ければ後は数珠繋ぎのように解けて行くトリックも綺麗だ。


No.160 3点 夏のレプリカ
森博嗣
(2011/06/27 19:52登録)
オチで驚けなかったのはいいとしても、その他のことがいろいろと納得いかないまま終わりすぎる。
特に兄はどうなったんだ。そこが一番大事なところだったのに、一番おざなりに終わった気がする。
幻惑の死と使途の方に書いてあるのだろうかと思ったが、そうでもなさそうな予感。


No.159 3点 幻惑密室
西澤保彦
(2011/06/23 00:41登録)
設定が良いのにやりたい事がブレてる気がする
あれだけ男女のどうこうをしつこくやってたのに実は数行だけ出てきた少年犯罪も問題でしたってそりゃ消化不良に終わりますよ。
キャラも悪くないだけに残念。短編向きなトリックというかロジックパズルを長編にして成功したのってほんと少ないと思う。


No.158 4点 カードミステリー―失われた魔法の島
ヨースタイン・ゴルデル
(2011/06/20 22:41登録)
不思議な島の話を少年が読み進むという方式がなかなか面白かった。
ソフィーの世界の作者なだけあって、どちらかというと哲学の本になる。
個人的にはママとの再会があまりにもあっさりとしすぎているような気がするのが疑問。
プルプルソーダが飲みたくなる本。


No.157 8点 永遠の0
百田尚樹
(2011/06/20 22:30登録)
これほど狂っている話も中々ない。それも実際に会った話だというからなお狂っている。
いまの時代を生きる自分にとっては彼らの話はフィクションと言われても信じられるだろう。それくらい狂っている。
戦争の話はボンヤリとしか知らなかったが、こうやって長々と見ると心にズシンと来るものだ。あとこれは一人で見るものですね。電車とかで見たらボロ泣きしている姿を見られてしまう(笑)
9点かどうか迷ったが、この本の命題でもある宮部が死んだ理由が納得いかなかったのでこの点数で。仮に宮部の本来乗るはずだった戦闘機が壊れていなくても、特攻に行ったのかどうかこれではわからなくなってしまう。それと現代編の書き方も悪い気が。お姉さんの恋の話は心の底からどうでもよかった。
しかし実体験者が語る方式の戦争物に興味を持たせてくれたこの本の価値は高い。いまの日本人にはぜひ読んでほしい作品です。

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