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ミステリの祭典

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まさむねさんの登録情報
平均点:5.88点 書評数:1269件

プロフィール| 書評

No.309 4点 「白鳥」の殺人
折原一
(2012/08/05 23:11登録)
 着目点は面白いと思うのですが,あれだけの長距離列車となると,結構キビシイと思うなぁ…。それと,グイグイ引っ張っていく魅力的な謎がないところも辛い。
 まぁ,読みやすかったし,嫌な感じは受けなかったのですが。


No.308 5点 嫉妬事件
乾くるみ
(2012/08/03 21:58登録)
 長めの中編(表題作)+読者挑戦モノの短編(ボーナストラック)で構成。
 表題作の方は,オチが相当に微妙。ちょっとタイトルに騙されました(確かに「シット事件」なんだけど…)。しかも,内容に比して長すぎる印象です。ちなみに,オチを含めてコレを「日常の謎」に分類することには相当な違和感が(笑)。
 逆に,ボーナストラックは結構好み。これもタイトルに…。
 総合して,ギリギリこの点数でしょうか。


No.307 5点 ルームメイト
今邑彩
(2012/07/29 21:57登録)
 非常に読みやすい作品だし,楽しめたのですが,多重人格モノは個人的にはあまり…。何でもできちゃいますしねぇ。
 ちなみに,モノローグ4は衝撃って程でもなく,ちょっと蛇足っぽいかなぁ。


No.306 6点 春から夏、やがて冬
歌野晶午
(2012/07/26 22:36登録)
 タイトルから,どうしても「葉桜~」を念頭に読んでしまいますねぇ(私だけ?)。結果,ソッチ系ではなく,反転レベルも期待ほどではなかったものの,残念感は抱きませんでした。淡々とした書きぶり,そして悲しさと切なさと優しさが入り混じった読後感は記憶に残りそうです。この作品の本質は,反転ではなく,その後の余韻にあるような気がしますね。(好き嫌いはありそうですが…。)


No.305 5点 死にぞこないの青
乙一
(2012/07/22 22:43登録)
 ミステリーでもないし,ホラーとも言い難いような感じなのですが…。でも,S県O市の事件が毎日のようにマスコミに取り上げられている状況で読むと,結構怖い。私自身は出会ったことがないのだけれども,こんな馬鹿教師,いそうな気がします。一番怖いことってなんだろう,そして一番大切なものって何だろう…そんなことを考えさせられるお話。
 ちなみに,主人公の「男気」は分からないでもないケド,そこまでの芯があるのならもっと前に何とかなったような気が。


No.304 9点 神様ゲーム
麻耶雄嵩
(2012/07/21 19:20登録)
 ジュヴナイル・ミステリの姿を借りた,麻耶雄嵩サンならではの衝撃作(問題作?)です。流石と言うべきなのか,やってくれますねぇ。とにかく多方面(真相のみならずロボのネーミングなども…)で衝撃を受けました。
 私はノベルス版で読んだのですが,ミステリーランド版で読めば,さらに楽しめたでしょうねぇ。挿絵とかあるなら,是非見たい。

(以下,未読の方はご遠慮を)
 で,真相ですが,純粋に「神様」の言った(行った?)とおりなのだと自分を納得させています。確かに,「けっこう小さい」と序盤で述べています。この「けっこう」に疑義は抱きますが,まぁアレの中に隠れられたのだろうと。
 ただですねぇ,共犯複数説(つまり二人とも…って説)ってのも成り立ち得るのではないかとモヤモヤしているのです。実はラストの後,神様はもう一人に燃え移らせた…という可能性はないのかと。うーん,誰かこの説を打ち消していただけないでしょうか(涙)。


No.303 6点
荻原浩
(2012/07/17 23:36登録)
 警察小説として読めば,リーダビリティも含め,間違いなく水準以上であると思います。流れるままに,素直に読むべき作品ですし,それが最も楽しめる読み方です。

(以下,未読の方は注意)
 これは決して作者の責任ではないのですが,「衝撃の結末」というコピーが頭の中にあると,私は,どうしても「オチ」を探したくなるのですねぇ。何ともツマラナイ読者です。で,この作品をソッチ系の目で見ると,ラストのキーパーソンに関する伏線は相当に分かりやすい。したがって,驚けなかった…。かなり損をした気分になりました…。


No.302 6点 邪馬台国はどこですか?
鯨統一郎
(2012/07/17 23:12登録)
 歴史好きとは言い難い私でございますが,なかなか楽しめましたね。「おいおい,ちょっと待て」と突っ込みながらも,最終的には宮田節(鯨節?)に浸ってたりして…。
 個人的には,表題作も良かったですが,妙に説得力のある仏陀やキリストに関する説も興味深かった。本能寺の変や明治維新の謎も楽しめましたね。(結局ほとんどが面白かったってことですね。)


No.301 5点 田舎の刑事の趣味とお仕事
滝田務雄
(2012/07/09 23:23登録)
 「脱力系ミステリ」を標榜しており,確かにそういう側面も否定できないのですが,内容としては結構本格してますし,短編ネタとしては水準以上の出来栄えと感じました。
 ただし,描写力は決して高くなく,事件の概要がつかみ辛かった。視覚的に浮かんでこないというか…。惜しいなぁ。
 ちなみに,連作短編の進行に合わせて主人公のキャラが大幅に変更されて(崩れて)いるのですが,私は変更後の自虐キャラの方が好みで,なかなかに癒され(?)ましたよ。


No.300 7点 放課後
東野圭吾
(2012/07/07 22:06登録)
 東野氏の原点となる,乱歩賞受賞作。
 加賀シリーズなどと比べれば,「若さ」を感じる点は確かに多々ありました。でもプロットとトリックは,デビュー作であることも考慮すれば,かなり良質といえるのではないでしょうか。チャレンジ精神&本格愛も感じて,何と言うか,新鮮で楽しめましたよ。

 ちなみに,私は「捨てトリック」の方が,端整で好みです。動機は,正直言えば相当の違和感があり,工夫の余地はあったような気がしますが,まぁ,ソコも書きたかった一部なのであれば,否定はしますまい…って感じでしょうか。


No.299 5点 毒笑小説
東野圭吾
(2012/07/03 22:44登録)
 相当にバカバカしいお話が揃っています。でも,バカバカしいものほど,個人的には楽しめたりしちゃうのですなぁ。「誘拐天国」「ホームアローンじいさん」「本格推理関連グッズ鑑定ショー」あたりが好み。
 ちなみに,バカバカしさの超絶度合いで前作(怪笑小説)収録の「超たぬき理論」に匹敵する作品がなかったのがちょっと残念。否,それだけ「超たぬき理論」が卓越(?)しているってことかな?


No.298 6点 ユリゴコロ
沼田まほかる
(2012/06/30 23:40登録)
 手記を中心とした前半部分は,サイコ系の雰囲気も相まって,グイグイ引き込まれました。手記は誰が書いたのか,主人公との関係は…との興味を引きつつ中盤以降へ。終盤は,確かに「判りやすい」のだけれども,いやはや,個人的には,既にそっちの観点で読んでいなかったため,結構驚かされたりして…。読後の,何とも言いがたい余韻が印象的です。


No.297 7点 退出ゲーム
初野晴
(2012/06/26 22:11登録)
 最初の作品「結晶泥棒」を読んだ時点での印象は「うーん…」。どうにも入り込めない感じだった訳です。
 しかし,その後の3作品で盛り返してくれました。特に,表題作「退出ゲーム」がずば抜けて面白い。即興劇対決という設定自体が興味深いし,捻りとラストへの収束も見事。短編として秀逸だと思います。
 全作品の平均を採れば6点なのですが,表題作に敬意を評して特別加点。


No.296 5点 4ページミステリー
蒼井上鷹
(2012/06/24 21:04登録)
 タイトルどおり,4ページの掌編のみで構成。思わずニヤリとさせられる作品も確かにあるのですが,ちょっと意図が分からない作品もありましたねぇ。
 まぁ,スキマ読書としては便利(?)だったのでこの点数としますが,さすがにこのページ数だとミスリードにも限界があって,「オチが読みやすい」面は否定できません。それと,60作品を通読するのは結構辛いと思いますので,ちょっとずつ読んでいく方がベターかも。


No.295 4点 僕と先輩のマジカル・ライフ
はやみねかおる
(2012/06/22 23:22登録)
 児童向けミステリー界における超売れっ子作家(ちなみにウチの娘もよく読んでました)が,一般向けミステリーも書いていると知り,試読してみました。
 感想としては,ズバリ“空気が合わない”。長曽我部先輩の存在意義もよく分からないし…。ミステリとしてのラインは保っていると思うのですがねぇ。


No.294 7点 スイス時計の謎
有栖川有栖
(2012/06/16 18:47登録)
 国名シリーズの前作「ペルシャ猫の謎」が(平凡な)変化球であったのに対し,この短編集はど真ん中の剛速球といった感じです。
 特に,表題作はロジック全開。フーダニットとしても良質。読者を楽しませるのに,必ずしも派手な演出はいらないという好例。短編というよりも中編といった分量ですが,内容からすればベストの長さ。
 他の3短編も,水準級以上にはあります。個人的には,「あるYの悲劇」も推したいんですけどねぇ。でも,これは評価が分かれるかぁ(笑)。
 ともかく,「本格短編読みたいな」って方にはオススメでしょう。


No.293 6点 わが身世にふる、じじわかし
芦原すなお
(2012/06/09 10:58登録)
 シリーズ第3弾ですね。たいへんに読み心地が良いです。主人公,奥さん,同級生刑事の軽妙な会話と食事シーンが,何とも言えない雰囲気を醸し出しています。癒されます。
 ミステリ度は決して高くないですが,ゆったりとした読書は楽しめましたね。


No.292 6点 嫁洗い池
芦原すなお
(2012/06/02 14:33登録)
 前作「ミミズクとオリーブ」の雰囲気がよかったため,続編を手にした次第。
 密室モノもあったりして,ミステリ度は,前作よりもアップしています。
 でも,やはりこのシリーズの最大の魅力は,主人公,奥さん,同級生刑事の軽妙な会話と雰囲気。主人公が本当に羨ましく思えるんですよねぇ。立て続けにシリーズ第3作も読んでみます。


No.291 6点 覆面作家は二人いる
北村薫
(2012/05/27 21:14登録)
 現実味のない,漫画的キャラ設定ではあるのですが,私には「割り切って読めちゃう」っていうメリットの方が印象に残りましたね。
 ソフト・タッチとはいえ,ミステリ的味付けも効かせてますので,肩肘張らずに読書したい気分の方にはオススメですね。そんな気分のときに,続編も読んでみようかなぁ。


No.290 5点 さみしさの周波数
乙一
(2012/05/26 17:16登録)
 乙一らしい短編集。
 収録作の中では,作者本人が「書きたいと思ったから書いた」と述べている「手を握る泥棒の物語」がベストでしょうか。
 「失はれた物語」の世界も,ミステリ云々はさて置き,深い印象を与えてくれますね。

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