| まさむねさんの登録情報 | |
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| 平均点:5.89点 | 書評数:1283件 |
| No.1263 | 5点 | あなたに会えて困った 藤崎翔 |
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(2025/09/06 21:45登録) 「逆転泥棒」と改題された文庫版で読了。ヒットした「逆転美人」の刊行が2022年10月で、本作の改題+文庫化が2023年10月。出版社の営業戦略への評価は置いておくとして、本作は事後的な「逆転シリーズ」って位置づけでいいのかしら。 他の逆転シリーズ(逆転美人+逆転ミワ子)とは仕掛けの根っこが異なるけれども、まぁ確かに様々「逆転」ではあるか。でもなぁ…その逆転が物語全体に及ぼす重要性が低すぎるような気も。「それで?」などと思っちゃたりして。ちなみに、1990年代の社会・芸能ネタはとても懐かしく読ませていただきました。 |
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| No.1262 | 7点 | 模倣の殺意 中町信 |
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(2025/09/02 20:44登録) 興味深い展開でグイグイ読まされました。そして終盤…確かに驚きはしたものの、偶然性の強さがどうしても引っ掛かりましたかね。それを言っちゃあ、小説として成り立たないのですがね。「やられた!」というよりも、「ああ、そういうことでしたか」という面の方が大きかったりして。創元推理文庫版で読んだのですが、もう少し「ほのめかし」があっても? でも、同じパターンの他作品を読んだことがあるからこその感想かもしれません。この作品が書かれたのは50年以上前ですので、おそらくはこの作家のこの作品が先達。その点を考慮すれば、素晴らしいトリック&プロットと言えると思います。その点を考慮しての採点。 |
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| No.1261 | 6点 | 夏、19歳の肖像 島田荘司 |
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(2025/08/28 21:22登録) バイク事故で入院中の青年が、病院の窓から眺めていた女性に恋心を抱く…。 作者としては珍しい青春恋愛小説。ミステリとしての側面は、想定の範囲内といったところですが、この作品はその部分よりも何より「青さ」がいい。青いからこそ、熱い。15年を経て振り返る切なさ。彼女は今どうしてるのだろうか。懐かしさと、切なさと、もうその時代には戻れない哀しさのミックス。グッとくるねぇ。 |
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| No.1260 | 7点 | コージーボーイズ、あるいは四度ドアを開く 笛吹太郎 |
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(2025/08/24 14:10登録) コージーミステリ短編集第2弾。今回は7編を収録。 荻窪のカフェで月に一度開催される「コージーボーイズの集い」。それは、コージーミステリ好きな出版関係者がお茶を囲んでゆるゆるとミステリ談義を行う催し。ゲストらから謎が持ち込まれ、皆で推理合戦。推理が行き詰まったところでカフェのマスターが…という基本スタイルは前作同様。(新キャラ・黒木くん登場などの変化も多少あるけど。) 個人的な評価は短編ごとに分かれるのだけれど、総じて見れば、気軽に読める短編集としてイイのではないかな。個人的には、初めての怪談風「~あるいは笛吹き男の怪」、呑み助や駄洒落好きの気持ちはよく分かる「~あるいはふたたび消えた居酒屋の謎」、が好み。 短編ごとに挿入されている、作者からの解説も(短編内で触れたミステリ作品の紹介も含めて)楽しかったです。作者の「黒後家蜘蛛の会」への愛を感じました。切り上げてこの採点…かな。 |
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| No.1259 | 6点 | 出版禁止 いやしの村滞在記 長江俊和 |
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(2025/08/22 21:14登録) 一通り読み終わった後、「ああ、そういうことね」と一定の驚きはあったものの、何ともスッキリしない印象も抱きました。少しだけ読み直し、「なるほどねぇ」という個所も複数確認できたものの、「自分は絶対に取りこぼしているな」との確信も。 そんな時は、迷わずネタバレサイトを覗いてしまうワタクシなのですが、それを読んでみても、期待していたようなカタルシスは得られなかった。色々と丁寧に仕込んでいるし、雑学的な面白さもあったのだけれど、「親切な」作品とは言い難いし、読後感がいいものでもない。私の好みからは少しズレていたかな。 |
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| No.1258 | 6点 | 奥只見温泉郷殺人事件 中町信 |
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(2025/08/13 22:55登録) 「悲痛の殺意」と改題された文庫版で読了。温泉宿を出発したスキーバスが川に転落し、5人が死亡。しかし、死亡した者のうち1名は絞殺されていた…。宿の宿泊客は、いかにも何かを抱えていそうな者ばかりで、冒頭からスルスルと読まされました。様々に捻りのある展開で、古さは否定できないものの、嫌いではないタイプです。 一方で、ズバリ「ここ伏線ですよ」と語りかけられているとすら感じる側面も。また、章冒頭の日記部分の仕掛けは本当に必要だったのだろうか…むしろ分かり易くなりすぎていないか…といった印象も。 |
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| No.1257 | 6点 | どうせ世界は終わるけど 結城真一郎 |
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(2025/08/11 20:22登録) 小惑星が地球に激突し、人類は滅亡する。ただし100年後に…。絶妙な設定の中で描かれる連作短編集。100年の猶予は長いのか短いのか。自分ならどうするのか、深く考えさせられます。 終末系小説でイメージされるような寂寥感はなく、むしろ〝希望〟を感じます。マイベストは3話目の「友よ逃げるぞどこまでも」か。最終話は、無理に色々詰め込まなくても良かったような気も。 |
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| No.1256 | 6点 | 谷根千ミステリ散歩 密室の中に猫がいる 東川篤哉 |
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(2025/08/06 21:40登録) シリーズ第2弾。探偵役は谷根千エリアで開運グッズを扱う「怪運堂」の店主であり、作務衣を好む竹田津優介。ワトソン役は、近所の大学に通う「岩篠つみれ(いわしのつみれ)」。同エリアで鰯料理メインの居酒屋を経営する「岩篠なめ郎(いわしのなめろう)」の妹であります。 居酒屋「鰯の吾郎」を含めた雰囲気、そして読み心地は、何気にほっこりできて嫌いじゃないです。でも、ミステリとしての小粒感は否めない。基本に忠実な?謎はしっかり用意されているし、地味だけど小技の組み合わせは評価したい短編もあるのですがね。総合的には、「気軽に読む分には悪くないかな」といった印象。 |
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| No.1255 | 5点 | あの日、タワマンで君と 森晶麿 |
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(2025/08/03 14:10登録) 王様のブランチで紹介されたことから手にした次第。流行りに弱いんです。 舞台は六本木にあるタワマン最上階の一部屋。配達員をしながら日々を凌いでいる山下創一が、ある日その部屋に配達をすると…という出だしからの展開で、先が気にはなったのだけれど、ずっと違和感が脇にあったことも事実。自分ならこうするけどなぁ…と思いながら読んでましたね。 最大の肝については、読み返してみるとどうなんだろう。ギリギリセーフなのか。あのシステムもよく分からなかったしなぁ…。 それと、結末とその後予測される展開を良しとしてよいものなのだろうか。何か釈然としないものがありました。 |
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| No.1254 | 7点 | 嘘つきたちへ 小倉千明 |
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(2025/07/31 23:35登録) 5編を収録したノンシリーズの短編集。タイトルどおり「嘘つき」がテーマ。 ①このラジオは終わらせない:ラジオの生放送の中での駆け引き。反転攻勢は嫌いじゃないけど、ちょっとっしつこすぎた感も。 ②ミステリ好きな男:嘘つきのオンパレード。 ③赤い糸を暴く:20ページ程度の文量。真相は想定の範囲内かもしれないが、この文量の中での仕掛けとしては良。 ④保健室のホームズ:保健室登校を続ける小学生との友情物語…であります。何も考えずスラスラ読んでしまったけれども、この短編集を読み進めた方なら、分かっちゃう方も多いかも。 ⑤噓つきたちへ:第1回創元ミステリ短編賞受賞作。過疎の町で起きた、小学校5年生の水難事故について、20年以上を経て再開した同級生たちが語り合う。やはり本作中ではベストか。 |
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| No.1253 | 6点 | あなたが誰かを殺した 東野圭吾 |
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(2025/07/28 20:07登録) タイトル的に加賀恭一郎の「~が~を殺した」シリーズということになるのだと思うのですが、前2作とはテイストが異なり、犯人も含めて事件の真相が読者に示されます。相変わらずリーダビリティが高く、スラスラ読まされますし、意外性もあって流石と感じさせられました。 一方で、個人的には何か釈然としない部分も。負の感情が集まりすぎているというか…。全体的に感情移入はしにくかったかな。まぁ、ミステリとは直接関係ない部分だけど。 |
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| No.1252 | 7点 | 殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス 五条紀夫 |
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(2025/07/24 22:37登録) 「走れメロス」。日本で最も有名な小説の一つに挙げる方も多いでしょう。そして読んだことのある(又は内容を知っている)方も多いはず。ならば、この作品も読んでみるがよし。結果「激怒した」と言われても責任はとれないけど。 ミステリとして特筆すべきものがあるや否や、そんな判断は別として、まずは登場人物のネーミングが素敵である。メロスの妹は「イモートア」、その婿は「ムコス」、事件の目撃者は「ミタンデス」。当時の作家の名は「オサムス」。いいねぇ。隠しきれない(隠してないけど)バカミス要素も、これまたいいよねぇ。個人的には嫌いになれないタイプの作品。 |
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| No.1251 | 5点 | 科警研のホームズ 毒殺のシンフォニア 喜多喜久 |
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(2025/07/21 19:12登録) かつて「科警研のホームズ」と称された室長の土屋と、各県警から科学警察研究所(科警研)に派遣された3人の研修生による短編集第2弾。 ①毒殺のシンフォニア:パーティー会場で毒殺された研究者。犯人は彼に近づかずに毒を飲ませたのか? ②溶解したエビデンス:水酸化ナトリウム溶液に浸された白骨死体の謎。 ③致死のマテリアル:一酸化炭素中毒事故と思われたが、死因は呼吸不全。なぜ? ④輪廻のストラテジー:衆人の監視下で急死した新興宗教の教祖。輪廻のため自ら心臓を止めた? 設定上そうせざるを得ないだろし、決して悪くはないのだけれど、「こういう物質又はこうした特性があるのです」を連発されるのはちょっとツラいか。②は工夫を感じたけれど…。 |
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| No.1250 | 6点 | 闇に消えた男 フリーライター・新城誠の事件簿 深木章子 |
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(2025/07/19 21:23登録) 「消人屋敷の殺人」に登場した、フリーライター・新城誠と編集者・中島好美のコンビが再登場。ちなみに、前作を読んでいなくても特段問題ないです。 中盤以降の複数の転回には楽しませてもらったのですが、真相にはちょっと無理があるような気がします。うーむ、あり得なくはないのか…。 なお、虫暮部さんのご意見はごもっともで、私自身、とある事実が判明した時点で疑問に感じた次第。敢えて二人のコンビを使わなくてもよかったし、設定上の工夫の余地は十分にあったと思いますね。 |
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| No.1249 | 7点 | ひとつ屋根の下の殺人 酒本歩 |
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(2025/07/09 23:50登録) 伏線をゴシック体で明示するという趣向については賛否が分かれそう。個人的には、読者へのチャレンジというよりも作者の作戦の一つと捉えていて、まぁアリなのではないかなと感じたところです。 私自身は残念ながら真相に辿り着けなかったのですが、読み慣れた方であれば、十分に予測可能と思われます。でも、考える前に先が気になって読み進めてしまった…という読書もいいじゃないですか(自分への言い訳)。 斬新なトリック!という訳では決してなく、むしろ典型的なパターンではあるのですが、サクサク&ワクワクと読めたので1点加点しちゃおう。 |
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| No.1248 | 7点 | 嘘と隣人 芦沢央 |
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(2025/07/06 12:57登録) 定年退職した元刑事・平良正太郎が主人公を務める連作短編集。様々な「嘘」が共通テーマで、社会派の一面もあります。元刑事らしい淡々とした語り口と転換の組み合わせが良。 ①かくれんぼ:ⅮⅤ夫からの被害の発端となったのは…。 ②アイランドキッチン:事件の真相よりも記憶に残る激ヤバ女。こんな人間にロックオンされたら…怖すぎる。 ③祭り:外国人労働者を巡る課題。ミステリ度は収録作で一番か。 ④最善:痴漢冤罪。本当に最善の策だったのか。巧みなプロット。 ⑤噓と隣人:人は何故嘘をつくのか。承認欲求や保身…。少しだけ救いのある話。続編がありそうな締め方。 |
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| No.1247 | 5点 | 逆転ミワ子 藤崎翔 |
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(2025/07/02 22:05登録) ピンの女性芸人・ミワ子が雑誌に連載したエッセイ&ショートショート集、という体裁。30を超えるエッセイとショートショート自体は、悪くはないのだけれども、多少飽きも感じたかな…という辺りで登場する「後日談」がポイント。そういった展開であろうことは、自明なのだけれど。 正直な感想としては、前作「逆転美人」の二匹目のどじょう狙い感が強めだなぁ…と。いや、狙うことは営業上当然としても、ネタ全被りに関しては工夫の余地があったような気がしましたね。 |
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| No.1246 | 5点 | スタフ staph 道尾秀介 |
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(2025/06/29 22:23登録) ドキドキ読ませていただいたし、転換も含めて楽しませてもらったのだけれども、そういう着地ね…という、何とも言い難い読後感が残ったなぁ…。いや、楽しく読ませてもらったし、不満を述べる気はないのだけれど。 ちなみに、久しぶりにランチワゴンを利用しようかな…って思いましたね。 |
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| No.1245 | 6点 | だるまさんが転んだら 堀内公太郎 |
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(2025/06/22 21:59登録) ミステリー新人賞における盗作を巡るお話。 前半の緩やかな進行(決して悪い意味ではない)から一転する、終盤の展開は好みが分かれそう。まぁ、ストーリー的にはやむを得ないのだろうけど。 ネタとしては可もなく不可もなく…って書いたら怒られそうだけれど、サクサク読み進めてほぼ一気読みだったし、読書としては楽しかったですね。ちなみに、とある登場人物が(死亡フラグをイイ感じで立てちゃったこともあって)結構可哀そうだったな。 |
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| No.1244 | 7点 | 月蝕島の信者たち 渡辺優 |
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(2025/06/21 22:56登録) 伝統的かつ正当な孤島ミステリ。展開のパターンは想定できるのだけれど、ソコも含めてとても楽しい読書だったなぁ、と素直に思います。この手の作品、やっぱり好きな方は多いと思うな。コテコテ感がいい。 なお、設定した動機を否定するつもりはないけれども、犯人は犯行後どうしようとしていたのかな…という点は、確かに読後気になりましたね。 |
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