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ミステリの祭典

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出版禁止 いやしの村滞在記
改題『出版禁止 ろろるの村滞在記』

作家 長江俊和
出版日2021年08月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 蟷螂の斧
(2024/03/26 10:57登録)
ホラーサスペンスものと思いながらの読書。よって流し読み。その結果の評価は5点程度。よくわからない点が多い作品との印象です。そこで、ネタバレサイトで調べてみました。なんと、ビックリ!!。物語全体の意味が全く違っていました。私のような凡人が悪いのか?(笑)。うーん、負け惜しみとなるかもしれませんが、例えば探偵役が真相を暴くという形であれば、作者の企みが読者に届き、かなりのカタルシスを得ることができたのではないかと思います。8点、9点献上してもいいと思いました。





(ネタバレ~本命は叙述部分ではなく、ルポライターが高校生の時、彼女からプレゼントされた「幸せを呼ぶ丸い貝」)

No.1 7点 メルカトル
(2022/11/27 22:51登録)
読後、心身に変調をきたしても、責任は負いかねますので、ご了承下さい。大切な人、信頼していた人に裏切られ、傷ついた人々が再起を期して集団生活を営む「いやしの村」。一方、ネット上には、その村は「呪いで人を殺すカルト集団」という根強い噂があった。噂は本当なのか? そもそも、呪いで人を殺すことなどできるのか? 真実を探るため、ルポライターが潜入取材を試みるのだが――。
Amazon内容紹介より。

余りカタルシスを得られない様な、ちょとモヤモヤした終わり方で、個人的には好みではない結末でした。「ここまで書けばわかるだろ?あとは勝手に想像しろよ」と言われているみたいで、まず一旦読み終えてから最初に戻って読み直しましたが、やはりイマイチスッキリしません。まあ確かに最終局面で漸くその全貌が見えてきますが・・・。どうしてもルポルタージュの体裁を取っている為、こういった形式でしか書き様がなかったかも知れません。探偵役が現れて懇切丁寧に解説してくれるような物語でないことは確かです。

正直やられたとは思えませんでした。勘の良い人ならかなり早い段階で全体像が見えてくると思うからです。私みたいな鈍感な読者だから騙されたのであって、その意味では逆に幸せだったなと思わないでもありません。
しかし、書き手である私とある女性との淡い記憶やパラドックスに対する考察、呪いは実在するのかどうかなど、読みどころは幾つもあります。ですから色々ケチを付ける様な事を書きましたが、かなり面白い小説であることは間違いないと思います。

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