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ミステリの祭典

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メルカトルさんの登録情報
平均点:6.03点 書評数:2034件

プロフィール| 書評

No.314 6点 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!
深水黎一郎
(2013/07/11 22:15登録)
再読です。
「犯人ってはあなただ!」って言われても、殺されたわけではないし、死因は心筋梗塞でしょ?その点がどうもスッキリしないというか、イマイチ納得できないんだよね。
これが本当の殺人事件で、まさに犯人は自分だというのであれば、これは凄いなということになるのだろうけれど。
まあしかし、アイディアとしてはなかなかだと思うし、デビュー作にしてはよく書けているのではないだろうか。
それにしても、サイドストーリー的な超能力のくだりは、どう解釈すればいいのだろう。
一見無関係に見えるのだが、真意はいずこにあるのか。
だが、メイントリックより、こちらの双子の姉妹のテレポテーションのトリックのほうが感心した。
なるほど、そんな意表を衝いた鮮やかなトリックを考え付くとは、並みの新人ではないなと思わされた。


No.313 6点 極限推理コロシアム
矢野龍王
(2013/07/01 22:06登録)
再読です。
なんとなく、本棚からあふれていたのを見て手に取ったついでに読んでみた。
これはどうしても『インシテミル』を想起させられてしまうが、こちらのほうが出来は良いと私は思う。
だが、かなりの中だるみというか、着々と殺人が起こるのに、恐怖感や緊張感が感じられないのは、最早仕方のないことなのか。
そしてそれまで、大した推理もなされていなかったにもかかわらず、突如として降って湧いたように真相が明かされるのも、なんだか不自然な気がした。
しかし、その真相はなかなか驚くべきもので、ラストに至ってやっと話が締まってきた感がする。
色々と描き足らない部分があったように思うが、終盤だけは十分楽しめたので良しとすべきだろう。
夏と冬の館で同時に殺人が並行して進行していくのは、なかなか良いアイディアだった。


No.312 6点 本格ミステリ・ベスト100
事典・ガイド
(2013/06/27 22:33登録)
1975年から1994年までの20年間の国内・本格ミステリ・ベスト100。
注目の第1位は、ん?と疑問符付のあの作品。創元社から出版されたせいなのか、よく分からないがどうにも納得しかねる。
まあ確かに傑作だとは思うけど、しかしこれが第1位とは、万人が認めるとはとても思えない。
第2位も、個人的には高評価だが、あくまでエンターテインメントとしての評価であって、本格ミステリとなるとどうだろう。
この二作には何となく違和感を感じる。堂々の1位2位って感じがしない。
他にも、これがベスト10入り?みたいな作品も個人的にはあるので、納得のベストとは言い難い。
数えてみたら、ベスト100の中で、既読なのは79作品だった。逆に言うと、21作品は読めていないので、その辺りまだまだ未熟だと感じた。まあ敢えてそれらをこれから読もうとは思わないけどね。
しかしまあ、それぞれの評論を読んでみると、なかなか的確に評価されているし、中には本質を突いているのも見受けられ、この手のガイドブックにしては質が高いのではないだろうか。


No.311 8点 奇想、天を動かす
島田荘司
(2013/06/25 22:36登録)
再読です。
吉敷竹史シリーズの最高傑作が『北の夕鶴2/3の殺人』だとすれば、本作はさしずめ集大成と言ったところか。
とにかく、不可思議、不可能犯罪を無理はあるにしても合理的に処理する豪腕は、さすがに島荘である。
例えば死体の周りにぐるりと火の付いたろうそくが並んでいる理由などは、常人にはちょっと考え付かないものではないだろうか。
ただ、犯人の存在感がやや薄く感じられたのは少々残念な気もする、もっとこの一見頭の弱そうに見える老人をクローズアップしても良かったと思うが、いかがなものか。
まあしかし、あれこれ文句をつけても、本作は島田氏の代表作の一つであるのは間違いないだろう。


No.310 7点 天に昇った男
島田荘司
(2013/06/16 22:44登録)
再読です。
まさに異色作という言葉がピッタリの作品。一応社会派とジャンル分けされているが、どちらかというとファンタジーに近い内容となっている。あのオチがなければ確かに社会派だが・・・
冒頭の死刑執行のシーンは、真偽のほどは定かでないが、私にとっては十分にリアリティの感じられるものであり、その後の展開も意外ではあったが、そんなこともあるのだろうかと初読の際は思ったものである。
知恵遅れの少女との恋、前科者に対する差別、死刑を生き延びた奇跡的な男のロマンなど、短いページ数のわりには様々な要素が盛り込まれており、充実した中身となっている。
なので、ミステリとしてよりも一つの物語として楽しめると思う。
そして読者を島田氏独自の世界へ誘う筆力は相変わらず素晴らしいものがあるのではないだろうか。


No.309 6点
麻耶雄嵩
(2013/06/11 22:23登録)
再読です。
これは・・・やはり前二作を読んでいないと辛いかも。
特に『翼ある闇』は必ず先に読まないと、ネタバレしてますから。
一方、『夏と冬の奏鳴曲』の続編として書かれてはいるけれど、ストーリーそのものは独立している。がしかし、やはりところどころこちらを読んでいないと意味不明な部分が出てくるので、順序を踏んで読まれることをお勧めする。
とは言っても現在絶版中なので、入手は困難かも知れない。
内容は、とにかく主人公である烏有の孤独感がなんとも身につまされる。
苦しみ抜いて、最後には周りに誰もいなくなってしまう。残された希望は桐璃のみである。
そんな陰々滅滅とした、何とも救いのない物語である。
でも結局、三割くらいは訳が分からない、そんなミステリ的な小説。
そんな中、エピローグで『翼ある闇』でのメルカトルとリンクしている点が面白く、久しぶりに読んでみての収穫だった。


No.308 7点 甲賀忍法帖
山田風太郎
(2013/06/06 22:18登録)
伊賀対甲賀の忍者によるトーナメント戦、みたいなのを想像していたが、ちょっと違った。もっとこう、正式な取り組みによる試合かと思っていたので、やや拍子抜け。
まあ、そりゃそうだよね、忍者同士の戦いに正々堂々なんていう言葉はふさわしくないわ。
確かにそれぞれの人間業とは思えない、風変わりな技を駆使した殺し合いはなかなか面白い。
よってそれなりに読み応えはあるのだが、命を懸けた戦闘のわりには今一つ緊迫感みたいなものが足りない気がする。
ラストも、やや盛り上がりに欠けるのが、私にとっては不満の一つである。
読むのに時間が掛かったため(いろいろ忙しかったので)、面白さがストレートに伝わってこなかったのかもしれない。
でも、みなさんが高得点を付けているのが、私にはちょっと不思議な感じがした。


No.307 6点 猫丸先輩の推測
倉知淳
(2013/05/30 22:43登録)
再読です。
うーん、まあ何と言うか実にのどかで、ほのぼのとした短編集。
連続殺人も息詰まるサスペンスも全く関係ない、会社から新入社員が花見の場所取りを命じられて、次々と妙な人間に遭遇する話とか、額に日の丸模様のある白黒のぶちの猫ちゃん、その名もヒノマルちゃんを捜索する話だとか、題材はどこか脱力系である。
が、さすがに猫丸先輩の推測は一本筋が通っていて、その立て板に水といった、妙に人を納得させてしまう独特の話術でもって、論理的な推理を披露する。
とにかく、これだけ楽しめる作品もそうはお目に掛かれないので、その意味でも貴重な短編集と言えるだろう。
そう、読んでいて面白いとかではなく、なんだか楽しいのである。
猫丸先輩は勿論だが、登場人物のキャラが素晴らしく立っているのも、思わず上手いと唸らされるし、極悪人が一人も出てこないので、後味もスッキリ、いい感じで終わっているのも好感が持てる。


No.306 5点 鬼面の研究
栗本薫
(2013/05/25 23:49登録)
再読です。 
嵐の山荘、予告殺人、見立て、首なし死体など、様々なミステリの要素を詰め込み過ぎているわりには、内容が希薄な気がするのは私だけではないだろう。
初読の際は全く感じなかったが、この人の文章は正直あまり上手くない。読みづらいというほどではないが、読みながら心に染み入るものが何らないため、感銘を受けるとか、感じ入るということがない。
また、最後には読者への挑戦まで挿入されているが、はっきり言って相当な想像力がないと真相にはたどり着けないかもしれない。
犯人はある程度想像できるが、それはあくまで犯人の候補が少ないために過ぎない。
ちょっと面白かったのが、犯人が最後の殺人で頭部を切断した理由である。でも、そううまい具合にいくかな、と疑問視せざるを得ない気もする。


No.305 6点 天に還る舟
小島正樹
(2013/05/22 22:32登録)
再読です。
『火刑都市』で主役を務め、また吉敷竹史シリーズで脇を固めたりもしている中村刑事が探偵役の本格ミステリ。
物語の最後の辺りでは、吉敷もちょっとだけ友情出演?している。
ストーリーは、妻を伴って来た旅行先で、奇妙な自殺の話を耳にした中村刑事がその自殺に興味を抱き、調査に乗り出す。
その後、日中戦争から帰還した元軍人たちが次々と残忍な方法で殺されていき、その謎をたまたま知り合い助手となった海老原と共に捜査していくというもの。
不可能犯罪や、密室、アリバイなどのトリックは、おそらく小島氏が考案したものだと思われるが、どうも物理的トリックばかり並べられて、やや食傷気味になってしまう。
一方、残忍な殺害方法による殺人の動機は、島荘が考えたのではないだろうか。お得意の、社会派的見地からの動機であり、十分納得のいくものではあったが、やや押しつけがましさも感じた。
がしかし、本格ミステリとしてまずまずの出来だと思う。


No.304 7点 扉守 潮ノ道の旅人
光原百合
(2013/05/17 22:23登録)
広島の尾道がモデルの、潮の道が舞台の連作短編集。
これぞまさに珠玉の短編集と呼ぶに相応しい作品が並んでいる。
全てファンタジーだが、実に幻想味溢れる筆致で、どこか異世界にでも連れて行かれるような錯覚さえ覚える。
そして、読後に心温まるような、或いは心が洗われるような余韻を残す佳作が多いので、誰もが安心して読める作品集ではないだろうか。
個人的には第一話と最終話が特に印象深い。
もっぱらミステリ一辺倒の人も、色んなジャンルを読む人も、本書はお薦めできる逸品であろうと思う。


No.303 7点 十八の夏
光原百合
(2013/05/14 22:31登録)
日本推理作家協会賞受賞作の『十八の夏』を含めた、4編からなる連作短編集。
とは言っても、それぞれ独立した物語であり、共通するのは花をモチーフにしているということだけ。
それも、特に花にこだわりを持って描かれているわけでもないので、まあ普通の短編集と言っても良いだろう。
しかし、それぞれの作品の出来はすこぶる良く、とても丁寧に描かれているし、特に各登場人物が性格や容姿に至るまで、かなり丹念に描かれているのも評価が高い。
私のイチオシはなんといっても表題作である。途中まではなんだかドライな恋愛小説だなとの印象だったが、突如としてその様相を変化させ、それまでのストーリーの裏側を読者をあざ笑うように晒していく。
見事な切り返し技である。これでは協会賞の受賞も納得せざるを得ないではないか。
他の短編は、私の見る限りでは恋愛小説が二編、ミステリが一編といった具合である。
どちらに強く傾くこともなく、うまく均衡を保っている。
ミステリも恋愛小説も両方読みたい人にはお薦めである。


No.302 5点 影なき女
高木彬光
(2013/05/10 22:16登録)
再読です。
随分評価が高いが、私にはピンと来なかった。
昔の私はこんな(失礼)作品をありがたがって読んでいたのかと思うと、つくづく未熟者だったと今更感じ入る。
でもまあ、神津恭介が全ての作品に登場するだけでも、価値があるのかもしれない。
とにかく全体的にチープな印象が拭えない。


No.301 6点 能面殺人事件
高木彬光
(2013/05/06 22:40登録)
再読です。
ほぼ全編が手記で構成され、しかも作中に作者自身が自称日本のファイロ・ヴァンスとして探偵役で登場するという、凝った作りになっている。
結局、高木彬光なる自称名探偵は途中で退場し、その代役として記述者自身が探偵を務め、密室殺人を解決に導くのだが・・・
本作は、前年度に『不連続殺人事件』に日本探偵作家クラブ賞をさらわれた形となった『刺青殺人事件』に対するお詫びとして、ノミネートされ受賞したのではないかとの噂がある曰くつきの作品でもある。
全編に横溢するロマンティシズムが、読む者を独特の世界観へ誘う一風変わった本格ミステリだが、決して本格としての根幹をないがしろにしているわけではなく、そのスピリットは脈々と作品の根底に流れているように思われる。
また当時としては、かなり画期的だったであろうこの構成には、前年悔しい思いをした高木氏の熱い想いを感じることができる。
密室トリックは必然性こそないものの、この謎を解くことによって犯人を断定するという、なかなかスマートな仕上がり。
機械的な密室だが、それほど難解ではないので比較的好感が持てるのも評価は高い。
が、高木氏にはほかに傑作が多数あるので、点数としてはこの程度が妥当ではないかと思う。


No.300 5点 模倣の殺意
中町信
(2013/05/02 22:23登録)
約40年前に書かれた事実を考慮すれば、確かにこのトリックは驚嘆すべきものかもしれない、いやきっとそうなのだろう。
もし当時に読んだのなら素直に驚けたであろうが、やはり今日ではややありふれたトリックとして認識されてしまっているため、ああ、そうだったのか、くらいにしか感じなかった。
現在、非常に話題になっている上、意外なほど売れ行きが好調なので読んでみる気になったのだが、期待が大きかったのも手伝って、残念ながら思ったほどの出来栄えではなかったように思える。
こうした構造にしては、緊迫感やサスペンス性が不足しているのも減点の対象となってしまいそうである。
辛辣かもしれないが、私に言わせれば、この作品を喜んで読める読者は幸せ者だと思う。
さて、私はまた再読に戻るとしよう・・・。


No.299 7点 見えない精霊
林泰広
(2013/04/28 22:26登録)
再読です。
ワン・アイディアでこれだけの謎を生み出す手腕は認めざるを得ない。
しかし、ストーリー性は全くない上に、人間が全く描けていない。登場人物がまるで記号か何かにかのようで、個性がほぼゼロ。
さらに、文章がやや稚拙なせいもあって読みづらく、情景が全く浮かんでこない。
とまあ、これだけ欠点をあげつらうのだから面白くないのかと言えば、そんなことはなく、あくまでパズラーと捉えれば十分読み物としては面白いのである。
これだけ不可能犯罪を提示して、たった一つのトリックですべての謎を一瞬にして粉砕する破壊力は見事だと思う。
だから、この小説は人間関係だの人情の機微だの、或いは犯罪の背後にある因果律だとかは、すべて無視してひたすらパズルを解く感覚で読み進めるしかない。
たまにはこんなミステリがあってもいいだろう。
ただし、本作は極めて読者を選ぶ作品だということだけは間違いないのではないだろうか。


No.298 8点 一の悲劇
法月綸太郎
(2013/04/24 22:37登録)
再読です。
もう少し落ち着いた環境の中で読みたかった、というのが正直なところ。ここ最近、私生活でいろいろあって、なかなかハイペースといかない上に、どうにも心に引っ掛かることが多すぎていまいち集中できない。
とは言え、本作は本格的な誘拐ものかと思わせておいて、実は・・・といった感じで、特に序盤はなかなかの緊迫感があり、思わず引き込まれてしまうこと請け合い。
正直、容疑者が少人数に限定されていることもあり、真犯人は簡単に予想できてしまうが。私でも分かったのだから、大抵の人は当てることが容易にできてしまうのではないだろうか。
まあ別にそれが欠点とはなり得ないが、意外性は薄れる。
タイトルの意味は、なるほどと思わせる、思わずうなるほどではないが、納得である。
何故犯人が完璧なアリバイがありながら、犯行をなし得たか、については単純でありながらよく考えられたトリックだと思う。
傑作とまではいかないが、それに準ずる評価を与えられてもおかしくない作品と言えそうである。


No.297 7点 ウロボロスの偽書
竹本健治
(2013/04/11 22:25登録)
再読です。
綾辻行人、島田荘司、新保博久、友成純一ら、著名人が続々登場する実名小説。
だが、そこはそれ、竹本健治のこと、ただの実名小説に終わるはずがない。
作家やら評論家が出演するパートと、いつの間にか本作の中に紛れ込んで殺人鬼が執筆するパート、それにバカミスで脱力するようなトリックが炸裂するトリック芸者のパートが入り乱れて、それこそ収拾のつかないカオス状態に読者を引き込んでいく。
で、最後は何ら余韻を残さず、いきなりブチッと強制終了の形となり、数々の謎を残しつつ幕を閉じる。
敢えて言えば、あとがきがその余韻の代わりの役割を果たしているのかもしれない。が、どちらにしてもスッキリとした結末は到底望めない。
それは途中に挿入されている「読者への忠告状」でも明らかにされているので、それほど落胆することはないだろう。
しかし、この作品は読者を選ぶと言うか、好き嫌いがはっきり分かれるタイプの超ミステリだと思う。
ミステリ作家のお遊びに付き合えるか、と非難するのか、その遊び心と竹本氏にしか書けない超異色作を褒め讃えるのか、二者択一を読者に迫る。大袈裟だが、そんな感じのいかにも混沌としたミステリと呼ぶのもはばかられるようなミステリである。
いずれにしても、後味すっきりの爽やかな小説を読みたい人は避けるべき作品だ。


No.296 5点 女囮捜査官 2 視姦
山田正紀
(2013/04/04 22:27登録)
再読です。
期待していたほどではなかった。
冒頭からいきなりバラバラ死体が発見されるのは、前置きが嫌いな私としてはとてもいい傾向ではある。
その後も、なかなかサスペンスフルな展開を見せて、読者を引き付けることに関してはなにも文句はない。
主人公の志穂もそこそこ活躍し、サイコサスペンス的な雰囲気もあり悪くない、周りを固める刑事達もしっかりそれぞれの役割を果たしている。
がしかし、ただ一点気に食わないのは、序盤で明かされる事実と後半で語られる事実が食い違っているところである。
一体どちらが真実なのか、とても気になるし、もし復刻でもされたなら是非その点を改稿していただきたいものだ。
まあ平均点が高いのも分からないでもないが、私には死体をバラす必然性があまり感じられなかったので、敢えてこの点数に落ち着いた。


No.295 5点 パンドラ・ケース よみがえる殺人
高橋克彦
(2013/04/01 22:54登録)
再読です。
かつて大学の仲間だったメンバーが、そのうちの一人の失踪から12年経ち、東北のある温泉旅館に集まることになった。
目的は、メンバーの誰かが死亡した場合、その13回忌の代わりに近くに埋めたタイムカプセルを掘り出すというもの。
そして、舞台は雪崩のため陸の孤島と化し、ついに仲間の一人が首なし死体となって発見される。
それだけにとどまらず、次の犠牲者も首を切断されて殺される。
事件の鍵はタイムカプセルにあると判断した名探偵の塔馬双太郎は、真相解明に乗り出すが・・・といったストーリーだが、途中昭和40年代に実際に起こった事件が絡んでくるのには驚いた。
何故犯人は首を切断したのかという理由は、もっともではあるが、どちらかと言うとありきたりな感は否めない。
事件そのものもいわゆる嵐の山荘もので、パターン化されたものを踏襲していてあまり新味が感じられない。
全体的に緊迫感がなく、事件が起こるまでが長くて多少イライラさせられる。
なんとなく退屈であっと驚くような真相でもないし、初読の際に感じた輝きは完全に失せてしまっていた。

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