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ミステリの祭典

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江守森江さんの登録情報
平均点:5.00点 書評数:1256件

プロフィール| 書評

No.736 3点 学び舎は血を招く
アンソロジー(出版社編)
(2010/04/21 02:09登録)
雑誌メフィストに連載された学園ミステリ・アンソロジー。
アンソロジーとしての縛りが学園ミステリであるだけの緩さなのに、雑誌掲載だけでなく出版される事を疑問に思う作品が揃った。
竹本健治「世界征服同好会」はラストの反転を含めて出版に値するだろう。
門井慶喜「パラドックス実践」は理屈っぽさを気にしなければ水準レベルだが、シリーズを書き足して独自の短編集になったので、そちらで読めばいい。
楠木誠一郎、福田栄一、日日日は雑誌掲載が限界なレベル。
さて、この本を手にするキッカケの「古野まほろ」だが、書かれた時期がデビュー作と同時期な為に、短編なのに読むことが苦行になる作品で、素晴らしいロジックが炸裂するのを楽しめる読者がどれだけ居るのか?甚だ疑問だった(ある意味、雑誌掲載すら暴挙)
但し、ロジカルな持ち味は存分に発揮されているので「天帝のはしたなき果実」で作者を気に入った奇特な方限定なら楽しめるだろう。


No.735 6点 トスカの接吻
深水黎一郎
(2010/04/21 00:37登録)
トリックよりも「操り」を逆手に取る秀逸なプロットから意外な犯人を演出するが、何とも地味な本格ミステリ。
ここに至る作風から真っ当なフーダニットは書かないだろうとミスリードされ、事件とは別次元の芸術論に引き込まれ、何気なく登場したり描かれたりする人物やさり気ないエピソードが重要な伏線だと思い至らずに(本格ミステリである事を忘れ)読了してしまった。
しかも、こぢんまりした事件の謎や意外な犯人より、断然「オペラの新解釈」や「芸術論」の方が面白い。
その点からも明らかで、本格ミステリ部分で読ませる魅力が弱いのは如何なものか?
それでも、登場人物の芸術論にかこつけた作者のミステリ論が伺え尚更楽しい。
特に「神は細部に宿る」を論じる辺りは、実に本格ミステリ的な洞察に通じていて嬉しくなる。
読者の読解レベルと解釈嗜好が問われるのが長所でもあり、大成(一般受け)を阻む致命的な欠点でもある。


No.734 7点 造花の蜜
連城三紀彦
(2010/04/20 01:55登録)
この作品を存分に楽しむ為に連城ミステリを読み進めてきた。
章立てでは明示しないが、三部構成の誘拐物。
総ての登場人物が腹に一物あり怪しく描かれ、家族愛・金銭欲・捜査模様を絡めて読者を揺さぶる。
第一部は真っ当な誘拐サスペンスとして描かれ表面的な結末を迎える。
その第一部を布石にした第二部では、視点人物の変更で倒叙物的に犯行に至る過程とその先を描きながら‘驚愕の反転’を齎す。
ここで余韻を持たせながら完結させていれば新たな誘拐ミステリーの金字塔として満点だった。
しかし、ここまでを捨て駒にして、もう一撃を仕込んだ第三部(最終章)は(ドラマ等で何度か観た手口で)ミエミエ過ぎて残念に思える。
それでも、タイトルに絡め余韻を齎すラスト数行が秀逸なので不要と断言出来ずに悩ましい。
第三部の扱いで満点にはしなかったが、存分に楽しめた事は間違いない!!


No.733 4点 本格推理①新しい挑戦者たち
アンソロジー(国内編集者)
(2010/04/18 18:55登録)
鮎川哲也の図書館蔵書検索で常々気になっていた。
加えてTetchyさんの書評に刺激され順次(最優先では無いので半年程度を目処に)読破を決行する。
※「本格推理」シリーズの読破姿勢について!
シリーズのコンセプトが、文庫型の雑誌で、最優秀新人賞を決定しない新人オーディションであり、かなり緩い審査(一般的新人賞の一次審査通過程度)での候補作レベルな作品も多数選出しながら将来の有望作家育成を目指す物で、作品レベルに期待してはいけない、と認識している。
選者・鮎川哲也の本格ミステリ嗜好と方向性(選者自身の作品が小説よりパズラー寄り)を考慮に入れて読む。
さて本作だが、たいした作品でもないしデビュー後の二階堂は招待掲載すべきではなかった(このレベルでも先々デビュー出来る目安としての掲載なのか)
複雑な事件好きなら山沢晴雄、バカミス好きなら招待掲載・津島誠二(短編集未収録でここでしか読めない)は読めるレベル。
村瀬継弥も最優秀新人賞には届かないが佳作レベルにはある。
パズラーとしては、手掛かりが不提示で不合格だが、小説としては、文章と物語がプロレベルな北森鴻が一番かもしれない(単独でも5点程度)
全体としては、稀にプロを排出するレベルの同人誌を読むつもりなら納得な内容。
プロ扱いで採点すれば4点位になるだろう(平均的新人賞受賞作に及ばないレベル)
第一回応募の選出作品を分巻出版しているが、商品価値を考えれば厳選選出し、一応募一冊にするべきだっただろう。


No.732 7点 美女
連城三紀彦
(2010/04/18 00:38登録)
恋愛(特に不倫)をテーマにした短編集。
八話全てが恋愛小説として読めるが、坦々と男女の機微を描けば必然的にミステリーになる。
しかも、描く作者が連城なら言わずもがな。
反転の繰り返した先がリドルな「砂遊び」・「美女」は結末にモヤモヤする。
反転はするが「他人たち」・「夜の肌」のオチは切れがない。
ラストがホラーまがいな「夜光の唇」も好みではない。
それでも、よくある手口を上手く処理し、反転の更に先を隠蔽した「夜の右側」・「夜の二乗」は正に連城ミステリの真骨頂。
しかし、ここまでの書評はオマケでしかない。
妄想が炸裂しながら何度も捻る超絶技巧と結末に、どれだけの読者がついて来れるか疑問な「喜劇女優」こそが、この作品集の肝なのは間違いない。
一読での理解と納得は、まずもって得られず頭が爆発するレベルで、読んで楽しい作品でもないが、作者の‘凄み’だけは存分に味わえる。
理解力と好みで最低~最高まで振れ幅のあるだろう‘特異’な作品。
作品集全体が鬱々として楽しくなかったので技巧面では満点だが7点に留めた。


No.731 5点 トリック2
蒔田光治
(2010/04/16 20:58登録)
「トリック」第二シーズン全11回放送を一話完結短編5話にノベライズ。
配役(演出&役者の格)から犯人が判明しない点で、ドラマより小説の方が良い場合が多い。
作品全体では、パクリとアレンジの寄せ集めハウダニットが主体だが「天罰を下す子供」のフーダニットは上記の場合に相当する。
前シーズンの終わりが「獄門島」をパロった「黒門島」で、今回の始まりが「八つ墓村」からパロった「六つ墓村」は、落ち武者の歌に丁寧語トリックの炸裂と非常に楽しい。
ノベライズを読んでも、未だに根強いファンがいる事に納得出来る。


No.730 5点 トリック the novel
蒔田光治
(2010/04/16 20:36登録)
十周年記念で、劇場版にSPドラマ、さらには再放送と昨年末から徐々に盛り上がる「トリック」のノベライズ。
第一シーズン全10回放送を一話完結短編5話にまとめている。
コード型本格な不可能ハウダニットを、テンポのよさ、絶妙なキャラ、炸裂する小ネタギャグでまぶし魅了する。
「徹子の部屋」をパロった「哲!この部屋」から双子への気付きと操りの処理が上手い「パントマイムで人を殺す女」を含め、本格ミステリ部分は「よくぞ寄せ集めた!」と思えるパクリとアレンジのオンパレード!
そんな事は気にせず面白さを追求しているので、ドラマ共々楽しめる。
作中で演じられるマジックも、惜しげもなくネタワリしていて清々しい!


No.729 6点 警官狩り
安達瑶
(2010/04/16 03:42登録)
悪漢刑事シリーズ第三弾。
図書館での一時紛失で第四弾を先に読み犯人を知っていたが面白さは減じなかった。
今回は、連続警官殺しと、その原因事故の不正な隠蔽を巡る社会派サスペンス。
面子と保身に走る県警上層部や偏った正義で歪む記者に、今回は全く悪漢ではない主人公・佐脇が絡んでドタバタする。
フェラチオ場面からエロではじまり、交通事故の捜査や隠蔽の追求が以外にも論理的だったり、主要キャラが実に真っ当な倫理観だったりと幅広く描かれている。
スピード感もあり肩の凝らない読み物として合格点。


No.728 5点 人間動物園
連城三紀彦
(2010/04/15 18:28登録)
連城ミステリらしからぬ文章に視点人物の変化による読み辛さと、正に連城ミステリと言える反転の構図が不協和音を奏でてしまった。
反転を活かす為、ユーモラスにドタバタして誘拐サスペンスの盛り上がりを欠き、どっちつかずな儘で真相が開示される。
その先の二転三転する真相だが、反転ミステリーとして必須の「驚きと納得」が得られない。
この「読み切れない構図」を考えた作者に凄みは感じるが、共感と納得を得られる結末で処理していれば驚きも齎したと思えるだけに惜しい。


No.727 6点 紫の傷
連城三紀彦
(2010/04/15 18:00登録)
花葬シリーズのような流麗で純文学風な文章ではない分かえって読みやすい。
どの作品も実に技巧的で、目先をそらしながら二転三転する。
しかし「水戸黄門の印籠」或いは「金太郎飴」とでも言うべき反転ミステリーの連打では‘鈍くても’察せるジレンマが生じる。
高木彬光「罪なき罪人」の手口をアレンジした「唯一の証人」
赤川次郎「幽霊列車」をパロった捻りの弱い「ゴースト・トレイン」
一見真相らしい先に捻りのある「落書きの家」
真相が、裏の裏は表ではなく表の横にスライドする「眼の中の現場」
反転しながらサスペンスを盛り上げ○○オチで脱力する「紫の傷」
見せ方の上手さに感嘆しながらも、反転(騙し)の手口に既読感が拭えない作品ばかりでもあった。


No.726 7点 戻り川心中
連城三紀彦
(2010/04/14 13:47登録)
読者としての自分は物語世界に浸るタイプではなく、分析的な目を光らせるタイプで、文学的格調より推理パズルを嗜好している。
純文学的で、流麗な文章を纏った反転ミステリーは嗜好からズレている。
表題作「戻り川心中」が不朽の名作な事は紛れのない事実だが、嗜好の壁までは突破出来ない。
物語世界に浸らない為、何故?が主題で心情を考察する反転ミステリーは‘驚き’しか評価対象がなく、分析的な読書では反転の構図が読める場合も多い。
それでも、花葬シリーズの連作で同様な反転ミステリーを続けながら、巧妙に変えた語り口や結末の見せ方には唸らされる。
嗜好の壁と精緻な技巧を相殺し7点で妥協した。
※補追
ハルキ文庫版の「戻り川心中」では花葬シリーズ全八編が収録されている。


No.725 3点 ビット・トレーダー
樹林伸
(2010/04/14 13:12登録)
電車事故で最愛の息子を失った男が、その慰謝料をヤケクソで株に突っ込み大当たりし、外車ディーラーとデイ・トレーダーの二重生活。
妻や娘ともギクシャクし、インサイダー事件まで絡み破滅へ一直線。
スピード感があり、どこか実話的な経済犯罪小説で、読後感の良さだけが救いな作品(わざわざ読む程ではない)
作者は色々な名前で漫画原作を手掛け、一部では「パクリの樹林」の異名もある現代の藤原宰太郎(←最大級の貶し文句)
コイツと親玉の講談社が「金田一少年」他でパクリによるネタバレ被害を多数もたらした元凶!!
それでも「少年マガジン」「モーニング」を読んでいる自分の節操の無さは如何ともし難い。


No.724 6点 法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー
アンソロジー(国内編集者)
(2010/04/13 19:13登録)
角川文庫「本格ミステリ・アンソロジー」の第三弾。
本格色が薄く海外に偏った北村薫編よりは楽しめたが、犯人当ての三作が素晴らしかった有栖川編程には楽しめなかった(そのまま採点に反映させた)
法月綸太郎=ロジカルな印象に沿った作品よりも、結末の反転や発想の転換がピリリとした作品を中心に選んでいる。
ある意味推理クイズだが「真犯人はきみで章」は挑戦しがいのある作品(但し、ロジックより騙しに力点がある)を三作揃えた。
こういった作品群を読むと、叙述トリックは短編で、切れ味良く「驚きと納得」を齎す方が断然良いと思える。
犯人当て以外では、レジナルド・ヒル「脱出経路」のオチ(注*)が良かった(東野圭吾「悪意」・小島正樹「武家屋敷の殺人」などのプロット転用作品と読み比べるのも一興)
(注*)プロットではなく結末。


No.723 5点 魔弾の射手
高木彬光
(2010/04/12 08:11登録)
何故、神津恭介に予告状が届いたのか?が読後もスッキリせずモヤモヤした作品。
新聞連載時に読者挑戦したページは解説に示され、その時点で七割方の真相は犯人当てのデータとして提示されている。
※ここからネタバレします。
犯人を特定しやすい第二事件のみ実行犯が別人なのが、本格探偵小説としては残念な部類になる。
しかし、作者の狙いは、その真相をもダミー推理にした「真の魔弾の射手」と神津恭介の心の揺れを絡めた劇的結末なのだろう。
以上、作者を擁護してみたが、導入部から毎度お馴染みな犯人隠蔽手口では「真の魔弾の射手」に直結で褒めようがない。
読者挑戦型本格探偵小説としては少年物と同レベルで4点。
それでも、神津恭介の人物像に幅を持たせた事が嬉しく1点加点した。
この作品では、シリーズ名探偵が長編で抱える「犯人に翻弄される弱点」は、神津恭介が恋に揺らぐ事で解消している(これが、この作品の肝なのかもしれない)


No.722 5点 女王蜂
横溝正史
(2010/04/11 22:40登録)
テレビガイドを見たら明後日にTBSでドラマの再放送(主演・墨田ユキ)があり、その前に再読してみた。
何度も観たり、読んだりしてミステリとして全く新鮮味がなくなっていた。
私的に「絶世の美女」を誰が演じるか・・・・・に尽きる作品になっている。
元々、横溝作品への接し方が古谷一行の金田一シリーズからなのだから致し方あるまい。
※余談
一番のお気に入りが(嫁に内緒で)ヌード写真集を秘蔵している栗山千明なのは言うまでもない。
それでも、金田一シリーズでのヒロイン女優No.1は「三つ首塔」の真野響子が不動で、次点は「犬神家~」の島田陽子。


No.721 4点 死者を笞打て
鮎川哲也
(2010/04/11 20:31登録)
鮎川哲也に期待するレベルの本格ミステリではないからなのか、かなり以前の初読時には有名作家のモジリに笑っただけだった。
しかも、モジられた作家達の作品を読んでいなかったり、好きでなかったり(土屋隆夫・千草検事シリーズは結構読んだ記憶だけはある)なので、業界話ももう一つ楽しめなかった印象だけ残っていた。
パクリには寛容だった時代でも盗作は問題だった・・・・・・やってる事は同じなのに!
最近、気になり図書館で検索したが無く、他地区貸出になった。
初読時の印象とさして違わず、そこまでして読む程ではなかった。
図書館の蔵書検索をしだすと以前読んだが内容を忘れた作品が続出し、気になって仕方がない(再読すると期待ハズレが多くて・・・・・困ったもんだ)


No.720 6点 わが一高時代の犯罪
高木彬光
(2010/04/10 14:14登録)
※はじめに(但し書き)
表題作は中編で、神津恭介シリーズ作品集として、何種類も出版され、他の収録作品が違う為、この書評は表題作単独の扱いにした。
2つの消失の謎を含む事件全体の真相から、神津&松下の生涯唯一の犯罪と友情を描いた本格探偵小説としては異色な作品。
時代背景と謎の融合のさせ方も上手い(但し謎自体はチープ)
それ以上に神津恭介の成長過程が読めるのが嬉しい。
神津恭介シリーズを読むと毎度の事ながら、名探偵が中短編で示す才能が長編では最後にしか発揮されない本格探偵小説のシリーズ探偵が抱える弱点が顕著に露呈し、苦笑を禁じ得ない。


No.719 6点 幽霊の血(光風社出版・版)
高木彬光
(2010/04/10 09:36登録)
光風社の名探偵・神津恭介シリーズの一冊で七話収録。
表題作は、幽霊屋敷の謎のチープさよりも、真相の先に伺える「呪縛の家」同様な悪意にゾッとする。
「罪なき罪人」は、アンソロジーで読んだ時は単なる凡作と思ったが、プロットは後に応用され(歌野「有罪としての不在」・若竹「クールキャンデー」など)現在でも驚きを齎す(←見せ方が下手な典型例)
気付きと枯れ尾花な「女の手」や密室状態からの消失を竹取物語に見立てた「月世界の女」なども楽しい。
「小指のない魔女」は、「緑衣の女」を愛情表現に工夫・強化し改稿した作品で、愛していても「そこまでやるか!」と口あんぐりだった。


No.718 6点 相棒シーズン6下
碇卯人
(2010/04/09 22:43登録)
下巻は、正月SPドラマが冗長で駄作と評判だった「寝台特急カシオペア殺人事件」からスタート。
ドラマでは2話で竜頭蛇尾と言われた「ついている女」
以上2作はノベライズではスッキリ纏まり悪くない。
シーズン3以来久々に片山雛子登場「悪女の証明」
妄想炸裂「新・Wの悲喜劇」

海堂尊のミステリ短編と同ネタな「白い声」
など揃い「黙示録」で幕を閉じる。
小野田「杉下の正義は、時に暴走するよ」のセリフの決着は放置の儘で次シーズン亀山薫は退場する。
私的には三好再登場の「琥珀色の殺人」も捨てがたい。


No.717 6点 相棒シーズン6上
碇卯人
(2010/04/09 22:18登録)
「碇卯人」と「鳥飼否宇」がアナグラムになっている事を書き忘れていた。
このシーズンは、裁判員制度導入を見越した大作「複眼の法廷」でスタートして、セットの「黙示録」(下巻収録)で幕を閉じる。
骨太で多彩なミステリ・ドラマと知れ渡り人気が安定して来た。
些細な気付きから犯人を罠にかける「陣川警部補の災難」
ストーカー被害から話が転がる「TAXI」
作中曲まで作った(ノベライズに歌詞収録)「この胸の高鳴りを」
そして、社会派と本格の融合に成功した傑作「編集された殺人」
等々が揃った。
キャラ的には劇場版の宣伝を兼ねるアザトさだが、かえって良作を生み出してもいる。
今シーズンも名探偵な杉下右京の「些細な気付き」から導く推理が充分堪能できる。

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