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ミステリの祭典

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人間動物園

作家 連城三紀彦
出版日2002年04月
平均点5.67点
書評数12人

No.12 6点 みりん
(2023/06/27 22:30登録)
誘拐ものの面白さって個人的に犯人の難解な指示を遂行し、子供を助けることができるかどうかのハラハラ感だと思ってるんですが、本作は犯人との攻防がほぼなくて退屈でした。
その代わりに解決編は痛快も痛快。 
同作者の「造花の蜜」のオリジナルかそれとも発展形かはわからないがまさかそんな誘拐があったとは やはり連城三紀彦は人攫いのプロフェッショナルです。

「造花の蜜」の方が途中楽しめたのでこの点数で…

No.11 4点
(2023/05/16 13:54登録)
著者お得意の誘拐ミステリー。
連城らしいといえます。第1部での現場の違和感はなんとも奇妙です。
でも、誘拐モノならサスペンスでもっと読者を惹きつける手法を採ったほうがよかったのではと思います。
多視点というのも、物語に入り込めない要因になるのでしょう。私にとって、ということなのかもしれませんが。

総じて期待に反して、という感じの作品でした。

No.10 5点 文生
(2020/09/04 21:10登録)
連城三紀彦ならではの仕掛けは見事だと思うものの、誘拐サスペンスならではの緊迫感がほとんど感じられなかったので読んでいる間はかなり退屈でした。そのため、最後のどんでん返しもあまり驚けなかったのが残念です。

『このミステリーがすごい!2003』では7位にランクインしていますが、個人的には同じ年に発売されてランク外だった『白光』の方が遥かに面白かったです。

No.9 6点 まさむね
(2018/05/17 23:41登録)
 事件の経過は、なかなかスリリングで楽しめました。違和感というか、疑問がどんどん広がっていく流れの中で、終盤まで持っていかれます。構図の転換(正確に言えば、1つ目の転換)も、さすがは連城と感心。
 一方で、2つ目の転換というか、端的には犯人の動機ということになるのでしょうが、ちょっと理解しがたい面がありました。エピローグはちょっと読み疲れを感じたりも。

No.8 7点 斎藤警部
(2017/05/05 21:31登録)
誘拐、とは何か。。。 所々凝った表現など在るが、大きく見れば連城ならではの文学深淵に遠く届かず。それでもこの複雑系イヤミス活劇は、道尾秀介っぽい展開混じりの磐石の面白さで問題無し! とか言っといて実は微妙に、やはり文学要素故のブレーキが掛かる所があんだよな、折角の娯楽活劇に。 とは言えあの衝撃の『構造反転』を浴びせられた後に振り返ればこの中途半端な文芸臭さも実は意味ある叙述装飾のうち、、と見えて来る。 誘拐、とは何か。。 そんな伏線、確かにあったよ堂々と。。と納得させられるまさかのインフレ高騰○○○真相! 表題の意味が明確に叩きつけられるラスト近くの一節がある種の反転含みで清々しい! 微妙にバランス欠いた危うさがチラつくのも魅力のうち。 誘拐、とは何か。。

No.7 5点 蟷螂の斧
(2016/01/22 21:42登録)
著者らしい反転の構造は評価したいと思います。しかし、事件現場が特殊設定の為、犯人との交渉もなく、誘拐ものらしい緊迫感がなかったのが残念です。動機もいま一つのような気がします。本作(2002)が「造花の蜜」(2008・誘拐もの~これは傑作と思います)に発展したと感じました。

No.6 6点 yoneppi
(2015/05/23 19:19登録)
たしかに読みにくいけれどプロットと伏線回収はさすがですね。

No.5 5点 ボナンザ
(2014/04/08 15:59登録)
連城氏の奇妙な味わいを出した作品。
何気なく読みましたが、中々満足させられました。

No.4 6点 E-BANKER
(2011/10/10 16:16登録)
2002年発表の誘拐ミステリー。
本作もやはり「連城ミステリー」の濃厚な香りが漂います。
~記録的な大雪にあらゆる都市機能が麻痺するなか、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。被害者宅の至る所に仕掛けられた盗聴器に一歩も身動きのとれない警察。追い詰められていく母親、そして前日から流される動物たちの血・・・二転、三転の誘拐劇の果てにあるものとは何か?~

なんとも形容し難い作品。
これぞ「連城」というしかないし、他の作家では書けない作品でしょう。
第1部では、奇妙な誘拐事件とそれに翻弄される家族・警察の姿が描かれるが、何ともいえない「違和感」が読者の心に積み重なってくるような感じ。
そして、第2部終盤以降で、事件そのものが鮮やかに反転させられる・・・
冒頭から、普通の誘拐事件ではないという匂いがプンプンさせてましたが、そういう「構図」だったとは・・・
この辺りは、やはり作者の力量を感じずにはいられません。

ただ、他の方の書評にもありますが、「読みにくかった」のは確か。
視点が次々と変わっていく流れや、思わせぶりな表現が多く挿入されていたため、展開を呑み込むのに時間がかかってしまいました。
「動機」はどうですかねぇ・・・
確かにリアリティ的にはキツイ気はしますが、プロットそのものに直結してますから、これはこれでいいとは思いますが・・・
(結局、身代金がすり替わった件はどうなったのだろうか?)

No.3 5点 江守森江
(2010/04/15 18:28登録)
連城ミステリらしからぬ文章に視点人物の変化による読み辛さと、正に連城ミステリと言える反転の構図が不協和音を奏でてしまった。
反転を活かす為、ユーモラスにドタバタして誘拐サスペンスの盛り上がりを欠き、どっちつかずな儘で真相が開示される。
その先の二転三転する真相だが、反転ミステリーとして必須の「驚きと納得」が得られない。
この「読み切れない構図」を考えた作者に凄みは感じるが、共感と納得を得られる結末で処理していれば驚きも齎したと思えるだけに惜しい。

No.2 6点 シーマスター
(2010/03/31 23:56登録)
この「構図」は凄い。
しかし、それだけだ。と個人的には感じた。

全てが明らかになったときに、そういうやり方をする動機と必然性と方法論に納得し、展開の蓋然性に違和感を覚えず、メッセージ性に共感できる人がどれほどいるのだろうか。

それに心情や情景の描写もどうも頭に滲み入りにくいものが多く、文章そのものも全体的に読みにくかったように思う。(これは単に自分に合わなかっただけなのだろう)

本作の「構図」をもう少し合理的な犯罪ショーとして「騙し絵」に徹した形で、尚かつスマートに見せてくれていたら華麗なマジックのようなエンターテイニング・ミステリとして、かなりの作品になったことだろう。

No.1 7点 こう
(2008/06/25 23:41登録)
 大物政治家の孫娘が誘拐されたが被害者宅には盗聴器が仕掛けられ、警察は身動きがとれず、という形でストーリーは始まりますが連城作品らしく一筋縄ではいきません。
 途中で真相の一部が倒叙形式であからさまにされますが、そこから更にどんでん返しが連発します。
 一番最後のエピローグは読者によってかなり評価はわかれそうです。個人的には動機をみる限り、ここまで大掛かりなことをわざわざしなくても、と思いますが、ストーリーの展開は満足でした。
 この作品も珍しく叙情的では全くなく連城作品ぽくはありません。叙情性は個人的には苦手ですが作風が他作品と全く違いかえって違和感を感じるほどでした。 

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