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ミステリの祭典

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本格推理①新しい挑戦者たち
鮎川哲也編

作家 アンソロジー(国内編集者)
出版日1993年04月
平均点5.75点
書評数4人

No.4 6点 ミステリ初心者
(2019/06/19 00:02登録)
ネタバレをしています。

 柳之介の推理:密室講義的なものがあったにしてはいまいち。
 鳥:マジシャンで嫌な予感がしたが、当たってしまった。絶対成功するかわからないが面白かった。
 藤田先生と人間消失:実際にやるとバレる気もするが、面白かった。他作品も読みたい。
 信州推理紀行:ちょっとバレバレだった。
 愛と殺意の山形新幹線:あまり印象に残らなかった。
 砧未発表の事件:叙述トリック?のような書かれ方をしているので、話が前後しているのはすぐにわかった。どうやって死体を運んだのかが面白かった。
 仮面の遺書:この手のミステリは初めて。登場人物が少ないので、ラストが読めたが、短編なのでしょうがない。
 静かな夜:やっぱり、多すぎる共犯者は好みではない。
 氷点下7度Cのブリザード:倒叙形式。この本でベストだった。アリバイトリックとしても面白かったが、どこをミスしたのかも面白かった。料金所・被害者の死因・被害者の死ぬ直前の抵抗、全て予想外だった(笑)。
 桑港の幻:最後に大きな驚きがあった。
 牙を持つ霧:ドライアイスしかわからなかった;; 偶然が強く好みではなかった。
 赤死荘の殺人:鮎川氏の言う通り、カー先生の短編を翻訳したといっても通用しそう。1ページ目から伏線があって面白かった。殺人ではなかったけど・・・

No.3 6点 バード
(2018/11/10 13:28登録)
一話が約50ページという制約のもとで書かれているので、謎の大きさは小粒なものが多いが、作者の各々のセンスが出ていて良かった。一冊で何人分もの作品が読めるというお得感もある。

個人的に好きな話
・藁麦米単九 作「鳥」
図面も多く事件の全体像がつかみやすかった。私はトリックを外してしまったが、謎のレベルは程よく、挑戦しがいがある。

・村瀬継弥  作「藤田先生と人間消失」
殺伐とした話が多いミステリの枠内でほっこりするいい話。この時点で印象にも残るし、話も面白かった。人間消失の謎の解明は外しました。

・山沢春雄  作「砧未発表の事件」
簡単な叙述要素があり印象に残った。そして見事に引っ掛けられた。鮎川編集者のお言葉通り、丹念に読むほど味がわかる構成だった。

・二階堂黎人 作「赤死荘の殺人」
実は謎の7割くらいは当てられた。だからといって作品のレベルが低いとはならない。むしろ、二階堂さんの力量が高いから謎をしっかり理解できたのだと思う。

こうしてみると全体的に引っ掛けられてばかり。もう少し鋭い読者を目指さねば(汗)。

No.2 4点 江守森江
(2010/04/18 18:55登録)
鮎川哲也の図書館蔵書検索で常々気になっていた。
加えてTetchyさんの書評に刺激され順次(最優先では無いので半年程度を目処に)読破を決行する。
※「本格推理」シリーズの読破姿勢について!
シリーズのコンセプトが、文庫型の雑誌で、最優秀新人賞を決定しない新人オーディションであり、かなり緩い審査(一般的新人賞の一次審査通過程度)での候補作レベルな作品も多数選出しながら将来の有望作家育成を目指す物で、作品レベルに期待してはいけない、と認識している。
選者・鮎川哲也の本格ミステリ嗜好と方向性(選者自身の作品が小説よりパズラー寄り)を考慮に入れて読む。
さて本作だが、たいした作品でもないしデビュー後の二階堂は招待掲載すべきではなかった(このレベルでも先々デビュー出来る目安としての掲載なのか)
複雑な事件好きなら山沢晴雄、バカミス好きなら招待掲載・津島誠二(短編集未収録でここでしか読めない)は読めるレベル。
村瀬継弥も最優秀新人賞には届かないが佳作レベルにはある。
パズラーとしては、手掛かりが不提示で不合格だが、小説としては、文章と物語がプロレベルな北森鴻が一番かもしれない(単独でも5点程度)
全体としては、稀にプロを排出するレベルの同人誌を読むつもりなら納得な内容。
プロ扱いで採点すれば4点位になるだろう(平均的新人賞受賞作に及ばないレベル)
第一回応募の選出作品を分巻出版しているが、商品価値を考えれば厳選選出し、一応募一冊にするべきだっただろう。

No.1 7点 Tetchy
(2010/03/28 21:45登録)
光文社が本格ミステリを一般公募して鮎川哲也氏を選者として文庫型マガジンとしてシリーズ化されたアンソロジー。
その記念すべき第1集目の本書にはこのアンソロジーをきっかけにデビューした村瀬継弥氏と後の鮎川賞作家北森鴻氏の作品が掲載されており、その他には前述の島田氏と編んだアンソロジーのうち『奇想の復活』という巻に作品が載せられていた津島誠司氏、すでにプロ作家となって2、3作発表していた二階堂黎人氏、そして一昨年作品集が刊行されたアマチュア作家山沢晴雄氏の作品が盛り込まれている。

総体的な出来はまあまあというところ。今読むともっと評価は低くなるだろう。なんせこの頃の私は未来の本格ミステリ作家の登場に立ち会えるかもしれないと、かなり新本格にのめりこんでいたのでがむしゃらに手を出していたから、そのときはそれなりに楽しんだ記憶がある。

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