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ミステリの祭典

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トリック the novel
テレ朝「トリック」ノベライズ

作家 蒔田光治
出版日2000年10月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 メルカトル
(2021/04/04 22:59登録)
「私の目の前で超常現象の存在を証明できたら賞金をお支払いします」売れない奇術師、山田奈緒子はショーをクビにされ路頭に迷う寸前、若手物理学者・上田次郎の霊能力者に対する挑戦状を支配人から渡される。超能力者を装って上田の元を訪れた奈緒子だったが、上田の企みは別にあった…!はたしてこの世界に霊能力者はいるのか?本当に超常現象は存在するのか?売れない奇術師と石頭の物理学者の不協和音なコンビが不思議な現象のトリックを暴く!テンポのよさと絶妙なキャラでマニアを魅了した堤幸彦ドラマのノベライズ。
『BOOK』データベースより。

ストーリーも面白いしユーモアやギャグも満載で楽しめます。ただ、ノベライズなので場面転換が多く、テンポが速すぎて何となく読み飛ばしてしまうような軽さが、良いような悪いような微妙なところです。はっきり言って、小説よりドラマを観たほうが良いんじゃないのかなと思ったりします。まあでも奈緒子と上田のコミカルな遣り取りや、矢野や管理人のおばさん、奈緒子のストーカーの照喜名など個性的な脇役のキャラの立ち方など、ドラマを観た人は思い出しながら、観ていない人は想像しながら面白く読めると思います。

肝心のトリックですが、トリックと言うよりマジックの種明かしのようなものです。あまり大掛かりなものはなく、小手先の、悪く言えば誤魔化し的な感じです。しかし手品の種など呆気ないものというのが相場ですから、驚くほどのネタが仕込まれている訳ではありません。ですから、摩訶不思議な超自然現象を目の当たりにしも、決して期待してはいけません。
スタンスとしては超能力を肯定も否定もしない、丁度境界線上に立っているのでしょうね。有るとも無いとも断定していませんから。その辺りの絶妙なバランスが広く世間に受け入れられた要因ではないかと思います。

No.1 5点 江守森江
(2010/04/16 20:36登録)
十周年記念で、劇場版にSPドラマ、さらには再放送と昨年末から徐々に盛り上がる「トリック」のノベライズ。
第一シーズン全10回放送を一話完結短編5話にまとめている。
コード型本格な不可能ハウダニットを、テンポのよさ、絶妙なキャラ、炸裂する小ネタギャグでまぶし魅了する。
「徹子の部屋」をパロった「哲!この部屋」から双子への気付きと操りの処理が上手い「パントマイムで人を殺す女」を含め、本格ミステリ部分は「よくぞ寄せ集めた!」と思えるパクリとアレンジのオンパレード!
そんな事は気にせず面白さを追求しているので、ドラマ共々楽しめる。
作中で演じられるマジックも、惜しげもなくネタワリしていて清々しい!

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