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ミステリの祭典

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幽霊の血(光風社出版・版)
神津恭介シリーズ

作家 高木彬光
出版日1985年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 江守森江
(2010/04/10 09:36登録)
光風社の名探偵・神津恭介シリーズの一冊で七話収録。
表題作は、幽霊屋敷の謎のチープさよりも、真相の先に伺える「呪縛の家」同様な悪意にゾッとする。
「罪なき罪人」は、アンソロジーで読んだ時は単なる凡作と思ったが、プロットは後に応用され(歌野「有罪としての不在」・若竹「クールキャンデー」など)現在でも驚きを齎す(←見せ方が下手な典型例)
気付きと枯れ尾花な「女の手」や密室状態からの消失を竹取物語に見立てた「月世界の女」なども楽しい。
「小指のない魔女」は、「緑衣の女」を愛情表現に工夫・強化し改稿した作品で、愛していても「そこまでやるか!」と口あんぐりだった。

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