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ミステリの祭典

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死者を笞打て

作家 鮎川哲也
出版日1965年01月
平均点5.71点
書評数7人

No.7 7点 smt419
(2022/05/04 13:12登録)
容疑者の手がかりを探して色々あてっては見るものの挫折する繰り返しの部分はやや冗長である。犯人は何となくわかったものの、真実に関しては驚いた。当時の様々な作家が名前を変えて紹介されるが、興味深かった。珍しいプロットで展開されるが、全体的には面白かった。

No.6 7点 斎藤警部
(2016/06/24 18:48登録)
冒頭喰い道楽のシーンがやけに印象に残る、、、ちょっとした怪作。
「鮎川哲也」氏が登場し、あからさまに特別枠の異色作であると匂わせます。当時の人気作家連(名前はどれも軽くもじってある)が社交仲間役で大勢出演、当時既に幻の域だった(それこそ後年鮎川氏がその発掘に心血を注いで自己の創作を疎かにした)消えた作家達の名前も多数登場、これは魅力です。前述の「鮎川哲也」氏の著作『死者を笞打て』にまさかの盗作疑惑が掛けられます。終戦間もない幻の時代の或る女流作家がオリジナルの作者だと言うのですが。。??

んで・・・・・・・普通だったら見え透く筈の犯人が、 この異様な雰囲気に呑まれてか最後まで全く分かりませんでした。人の心というのは不思議なものです。
代表長篇短篇群をいくつも読んだ後に手を出せば、なかなかに愉しいでしょう。


【ネタバレ】
「無名の作家」という存在を実に巧みにミスディレクション(ほとんど叙述トリック)に活かしている作品ですよね。

No.5 5点 ボナンザ
(2014/04/07 15:27登録)
鮎川氏にしては珍しいタイプの意欲作では。
必ずしも成功しているとは言い難いですが、ファンならば押さえておくべき。

No.4 4点 文生
(2012/04/10 01:30登録)
鮎川作品の中に実在の作家をモデルにした人たちが登場するパロディ作品だが、
作家たちが無駄にカッコイイのでリアリティに欠け、パロディとして面白味のない作品となってしまった。
事件自体も平凡で他の代表作のような切れは皆無。

No.3 4点 江守森江
(2010/04/11 20:31登録)
鮎川哲也に期待するレベルの本格ミステリではないからなのか、かなり以前の初読時には有名作家のモジリに笑っただけだった。
しかも、モジられた作家達の作品を読んでいなかったり、好きでなかったり(土屋隆夫・千草検事シリーズは結構読んだ記憶だけはある)なので、業界話ももう一つ楽しめなかった印象だけ残っていた。
パクリには寛容だった時代でも盗作は問題だった・・・・・・やってる事は同じなのに!
最近、気になり図書館で検索したが無く、他地区貸出になった。
初読時の印象とさして違わず、そこまでして読む程ではなかった。
図書館の蔵書検索をしだすと以前読んだが内容を忘れた作品が続出し、気になって仕方がない(再読すると期待ハズレが多くて・・・・・困ったもんだ)

No.2 6点 測量ボ-イ
(2009/05/23 18:43登録)
出版当時(1960年代)の著名作家をもじった名前が
出現する、凝った趣向の作品。
内容は平凡な部類ですが、これはこれで楽しめまし
た。

No.1 7点 ギザじゅう
(2003/04/13 15:23登録)
『死者を笞打て』 講談社文庫

淵屋隆夫、星野新一、三木悦子、沈舜水、多岐恭、浅野洋
酒沢左保、須磨久平、赤城一、山之沢晴雄などなど
思わずニヤリとさせられる。事件はそれほどの物でもないが、当時の推理小説界のゴシップや裏話がおもしろい。

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