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ミステリの祭典

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測量ボ-イさんの登録情報
平均点:6.24点 書評数:634件

プロフィール| 書評

No.474 7点 ラストレシピ 麒麟の舌の記憶
田中経一
(2017/01/13 21:05登録)
料理を題材にしたユニ-クなミステリ。
物語最大の謎は、満州に行った料理人は軍部に何を言われて取り乱したか?
になるでしょう。
その解答の中で感動的な話しが提示されます。
あまり題材にされない切り口なので、まるで乱歩賞受賞作品のよう。
(一応誉めて言っています)
本格ミステリとは言い難いのでこれ以上の点数にはしにくいですが、他人
にも勧めやすい作品です。


No.473 7点 風果つる館の殺人
加賀美雅之
(2017/01/01 14:43登録)
氏の長編第三作。相変わらず雰囲気作りは秀逸だし、物語の世界に入り込んで
後半は一気読み(今年の年越しは本作の読書中)。
これも結構なボリュ-ムありますが、読み応えを感じる作品です。
次作が待ち遠しいですがそれも叶わず・・・作者の早世が惜しまれます。
採点は 基礎点7点+1点(雰囲気作り)-1点(さすがにトリックが無理気味)

(余談+ネタばれ)
犯人の本命は○○だと思っていたのですが、これが警察に逮捕されてしまいこれは
違う・・・第二候補は真犯人でした。ただ動機はちょっと理解不能。
この話しでかわいそうな人は複数いますが、パトリシアに一番同情します(涙)。


No.472 6点 死神の座
高木彬光
(2016/12/22 08:05登録)
神津ものだけに内容はしっかり本格仕立て。
ただ他の方の指摘にもあるように伏線回収が少ないのが不満点。
読んだ側からすると、真相は作者の匙加減一つでどうとでも書ける・・・
になっちゃいますかね。
氏の数々の名作に比べれば、やはり落ちる印象。
採点は基礎点5点+神津恭介補正(?)でプラス1点。

今年の書評はこれで終わりです。今年1年で28冊か・・来年はもう
少し増やせるよう頑張ろう。


No.471 5点 ナイチンゲールの沈黙
海堂尊
(2016/12/03 15:26登録)
1作めの「チ-ムバティスタ・・」より落ちる印象。
一応殺人事件が起きますが、その解決がトリックやロジックで
ないところにやや不満。


No.470 6点 独り旅の記憶
夏樹静子
(2016/11/03 12:17登録)
男女間の出来事を題材とした、氏の短編集。
出来はまずまずで突出した作品もないですが、個人的な
イチ押しは「雨に塗れた遺書」かな。


No.469 6点 チーム・バチスタの栄光
海堂尊
(2016/10/23 16:22登録)
登場人物のキャラ立ちに優れ、リ-ダビリティは良いですね。
ただ僕と同類の本格色の強い作品を趣向する方だと、これでは真犯人を
推理できない(動機も理解不能)という不満点はあるかも。
医療ミステリというものを初めて読みましたが、満足度はそれなり。


No.468 7点 第三の女
夏樹静子
(2016/10/09 17:33登録)
かなり前の作品ですが、古さを感じない良い作品です。
リアリティ重視の人なら、「これはないでしょう・・・」と言いそうな
プロットですが、サスペンス性と結末の意外性がそれを補っています。
フランスミステリって、こんな感じなのですかね。


No.467 6点 静おばあちゃんにおまかせ
中山七里
(2016/10/09 17:30登録)
初めて読んだ氏の作品。感想はまずまず。
本格度は意外とありますが、トリックのオリジナリティに欠ける
のがやや残念。
ただこれで氏の評価をするのは早計なので、他の作品も読みます。


No.466 8点 飢餓海峡
水上勉
(2016/09/21 18:54登録)
東西ミステリ-に2回にわたって上位ランクインしている、固定的支持
のある作品。
今回ようやく縁あって読みましたが、満足度は高かったです。
決して本格ものではなくむしろ社会派に属する作品ですが、リ-ダビリ
ティが高く、その長さ(文庫上下巻500頁×2)を感じさせません。
ミステリ通を自称するなら、好きなジャンルにかかわらず読んでおく
べき一遍だと思います。
採点は基礎点7点に、古の名作に敬意を表してプラス1点。

(余談)
前半の主役は樽見京一郎よりもむしろ杉戸八重か?彼女もまた数奇な
運命ですねえ・・


No.465 5点 ユートピア
湊かなえ
(2016/08/29 20:24登録)
う-ん。リ-ダビリティにやや欠けるかな?
ミステリ的要素は、最後の子供の告白文だけのような感じで、小生ならず
とも、「エッ、これだけ?」という感想になるでしょう。
良い面では、女性3人の表面上仲良くしている(ように見える)が、実は
・・・という微妙な関係が上手く描かれています。
このあたりは、女性作家ならでは。


No.464 7点 十和田殺人湖畔
山村正夫
(2016/08/20 13:25登録)
全体的にトラベルミステリっぽいですが、解決のロジックはしっかり
していてなかなか。面白かったです。
ただ題名についてはnukkamさんと同意見でやや残念。
「風景のない旅路」ならあの鮎哲さんっぽい、渋い題名なのにね。


No.463 5点 上野駅13番線ホーム
西村京太郎
(2016/07/31 13:17登録)
今週の海外出張時に、読みかけの島田荘司氏の作品を渡航前に
読了したので、飛行機内暇つぶし用(?)に購入。
勝手知ったる作家だけに期待値もそれなりで、中身もそれなり
の内容でした。
ツッコミどころもあるのですが、まあやめときましょう。


No.462 7点 星籠の海
島田荘司
(2016/07/23 20:17登録)
相変わらず、これいらないのでは?という話しもありましたが、
全体的には好印象。面白かったです。
一口でいうと、瀬戸内海って奥が深いんですね。あと鞆の町も。
基礎点6点に、映画化を記念して(?)プラス1点。


No.461 4点 侵入者 自称小説家
折原一
(2016/07/05 20:25登録)
構成は凝っているんですけどね。ちょっと空回り感が。
結末のサプライズ感が乏しいのが物足りなさの要因か?
基礎点5点に、この物足りなさにマイナス1点。
ちょっと辛めかな?


No.460 7点 倒錯のオブジェ 天井男の奇想 
折原一
(2016/06/12 09:27登録)
作者名だけで、ある程度手の内は判る?方なので、今回はどう来るか
と思って読みましたが・・・なるほど、今度はそう来ましたか。
でもオチを変にひねっておらず判りやすいので、そこを好感して
甘めの採点で。


No.459 5点 64(ロクヨン)
横山秀夫
(2016/06/04 12:18登録)
いや-長かった。
特に前半は、警察内人間関係の軋轢を延々と書いていて、
少々辟易。
高評価の方にとっては、そこが良いのでしょうけど。


No.458 6点 満願
米澤穂信
(2016/05/17 18:54登録)
謎解きにはあまり主体を置いていませんが、楽しみ度はそれなり。
ちょっとイヤミスっぽいところもあるけど、気にならない程度です。
氏の短編集をはじめて読みましたが、他の方の指摘にあるように、
文章がまるで連城三紀彦氏のよう。でもこれって、連城氏のファン
の方は否定的に見るんでしょうか?


No.457 6点 天城峠殺人事件
内田康夫
(2016/05/02 09:14登録)
まあまあ楽しめますが、謎の構成が素直で、捻りが少ないのが
不満点か?捻りすぎよりかは良いですが・・
読みやすさは好感持てます。


No.456 5点 喪われた道
内田康夫
(2016/04/23 14:13登録)
量産作家の作品は期待度のハ-ドルを低く設定してしまう(?)
ので、読んでがっかりという感じではないです。
ただ犯人や結末の意外性に乏しく、すれっからしの方を満足さ
せるのは物足りないでしょうか。


No.455 6点 緑のカプセルの謎
ジョン・ディクスン・カー
(2016/04/21 21:05登録)
カ-の作品の中ではオカルト・怪奇趣味はなく、確かに「皇帝の嗅ぎ煙草
入れ」に近いテイストの作品です。
でも「皇帝・・」ほどシンプルなトリックで、読者をアッと言わせるイン
パクトに乏しく、私的評価は劣ります(皆さん高評価なんですけど)。
毒殺講義もありますが、「三つの棺」にある密室講義に比べると明快さ
に欠ける印象。

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