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ミステリの祭典

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しゃべくり探偵の四季
ボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンの新冒険

作家 黒崎緑
出版日1995年02月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 メルカトル
(2020/03/23 22:07登録)
和戸君一家に降って湧いた騒動を見事収拾、保住君の新学期は好調な滑り出し。歌って踊れる名探偵とばかりギター片手に謎を解き、夏休みは珊瑚礁で魚と戯れ、また上高地の涼風に吹かれつつ事件の真相を看破する。馴染みの床屋や大学祭の模擬店で推理を聞かせたり、屋台の客から解決代をせしめたり。かくもバラエティに富んだ学生生活を謳歌する、なにわのホームズ保住君の事件簿。
『BOOK』データベースより。

前作同様、しゃべくりだから会話だけで成立しているのは覚悟していましたが、やはり地の文がないと読み難いですね。あまりボケとツッコミの遣り取りがしっくり来ず、それぞれの特性を生かし切れていない印象を受けました。第一話、第二話と最終話がその形式で、その他4篇は普通の文体で書かれています。、まあ全体的にインパクトに欠ける為、すぐに内容を忘れてしまいそうな気がします。

個人的には『注文の多い理髪店』がベストですかね。何故被害者の頭部と腕が焼かれていたのか、裸足だった理由はというホワイダニットがなかなか面白いです。無論、被害者の身元を不明にするなどという愚は冒していませんから安心です。
『怪しいアルバイト』はアンソロジー『競作五十円玉二十枚の謎』からの一作で、これもまた週末の書店に五十円玉二十枚を持って両替に来る人間の謎を、上手く説明しています。それが眼目であるのは間違いないですが、ミステリとしては人間消失を扱ったものとなっています。この二作位のレベルが並んでいれば6点でした、惜しかったですね。

No.1 6点 測量ボ-イ
(2017/01/21 13:40登録)
これも初めて読む作家の作品です。
探偵役(ホ-ムズ)とワトソン役がボケとツッコミを交えながら、
事件の謎を解く短編集。
ユ-モアミステリながらも、構成はまずまずしっかりしています。
ただ突出した作品はないかな?
あとボケとツッコミなので、こういうノリはちょっと・・・という
方もいるとは思いますが、僕関西人なので全く問題なしです(苦笑)

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