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ミステリの祭典

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第三の女

作家 夏樹静子
出版日1978年04月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 5点 虫暮部
(2024/03/09 13:55登録)
 実は私、結末の部分について、“リスクを省みず会いたがる男を見限って、口封じの為にランデヴーに応じた” のだと思った。そしたら……驚きが待っていた!
 しかしそこに至るまでに、犯行も捜査も都合良く行き過ぎだとか、独り合点の犯人が馬鹿みたいだとか、描き方が通俗的だとか、色々引っ掛かりがあって気持は殺がれ気味。
 愛は愚行かもしれないが、それならそれで愚行が美しく成り立つ世界観や文体が欲しい(栗本薫あたりの得意分野じゃないかな)。でないと、例えば最終章での彼女の行動があまりに意味不明。この物語に必要だったのは、捜査のリアリティとかではない筈だ。

No.3 7点 測量ボ-イ
(2016/10/09 17:33登録)
かなり前の作品ですが、古さを感じない良い作品です。
リアリティ重視の人なら、「これはないでしょう・・・」と言いそうな
プロットですが、サスペンス性と結末の意外性がそれを補っています。
フランスミステリって、こんな感じなのですかね。

No.2 6点 STAR
(2012/04/19 16:55登録)
現実にはまずなさそうな交換殺人の話。
異国(フランス)とはいえ、暗闇で殺したい人をベラベラ述べる主人公にも違和感あり。
スラスラと読みやすかったです。
謎の女性は雰囲気などからなんとなくわかってしまうのですが。

No.1 6点 こう
(2009/12/06 21:02登録)
 フランス犯罪小説大賞(ロマン・アバンチュール賞)を受賞した交換殺人をテーマにした作品です。
 設定はフレドリックブラウンの「交換殺人」の様に見ず知らずの二人によるものではありますがこの作品では一夜限りの情事のカップル(男女)の設定でフランスミステリ風というにぴったりな作風でした。
 メインキャラクターである大湖の無計画な行動、また終盤登場する人物の心理など共感できかねるところもありますが作品としては楽しめました。ただ暗がりでお互いの顔がわからないという基本設定がそもそもありえない話でありそこが納得できないと楽しめないかもしれません。

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