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ミステリの祭典

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死神の座
神津恭介シリーズ

作家 高木彬光
出版日1960年01月
平均点4.86点
書評数7人

No.7 5点
(2020/10/20 23:24登録)
神津恭介シリーズの中では、たぶん最長の作品です。それにもかかわらず、神津恭介は最後の推理部分で「僕の手がけた事件の中では、これはそれほど難解な事件ではなかったはずです」と語っています。ただ続けて彼が言うとおり、犯人以外の登場人物たちにも隠している秘密があり、それが事件を厄介なものにしているのです。
ずいぶん前に読んだことがあるのですが、覚えていたのは、神津恭介が犯人の正体に確信を持てたという推理の部分だけでした。それも、なんだ、これだけの手がかりかと不満を持ったからだったのです。しかし再読してみると、推理はたいしたことがなく、説明不足な点もありますが、話は意外に楽しめました。占星学がテーマとして扱われていますが、占いには詳しい作者らしい趣向でしょう。しかし、最初の占星学によるという予言については、途中で一応意外な事情が明かされますが、さすがに偶然すぎます。

No.6 6点 測量ボ-イ
(2016/12/22 08:05登録)
神津ものだけに内容はしっかり本格仕立て。
ただ他の方の指摘にもあるように伏線回収が少ないのが不満点。
読んだ側からすると、真相は作者の匙加減一つでどうとでも書ける・・・
になっちゃいますかね。
氏の数々の名作に比べれば、やはり落ちる印象。
採点は基礎点5点+神津恭介補正(?)でプラス1点。

今年の書評はこれで終わりです。今年1年で28冊か・・来年はもう
少し増やせるよう頑張ろう。

No.5 2点 大泉耕作
(2012/01/17 17:30登録)
星占いから見出した殺人予告、知らぬ乗客、顔のない死体、奇妙な暗号文、かぐや姫、さまよえるオランダ人、殺されてゆく結婚候補者たちや、謎の外国人の出現など魅力的な謎を提示しておきながら、結局はその過半数は偶然という説明や、語られずに幕を閉じたため大いに不満が残ります。
 会話文も何となく長くてだらだら、挟んでくる冗談にもユーモアがない。粗いプロット構成、容疑者の言い逃れもベタ過ぎて、情緒感ゼロ。
高木氏の小説は初心ですが、次からは氏の代表作と呼ばれる作品から手をつけようと思います。
絶対に起こり得ないような偶然で謎が片付けられているところも大いにも不満。
 それに、放っておかれた困るほど謎が多すぎる。
 最初の死体の胸に刺さっていた針の蠍座の記号も解けぬまま、前にいた神父の真相とその後、外国人からの電話は何であったのか。占星術に見立てた殺人も、占星学を鷹揚しただけの暗号文に従ってとってつけたよう。
 キャラクターの性格の見せ方なども文に頼っていて台詞もつまらん、推理小説以前に小説として成り立っていないからこの点数にしました。
最低最悪とまではいかないけれど、もうこういうものはこりごりです。(あくまでも個人的な意見です)

No.4 6点 makomako
(2010/02/17 18:44登録)
 30年ぶりぐらいに読み直してみた。ストーリーはすっかり忘れて再読という感じではなくそれなりに楽しめた。逆に言えばはじめて読んだときの感想がほとんど心に残らなかった作品とも言える。
 占星術、かぐや姫のパロディー、さまよえるオランダ人、暗号解読と盛りだくさんそして舞台は昔懐かしい軽井沢とサービスがしてある割にはもうひとつ内容の濃さが感じられない。目だったトリックがなくストーリがやや単調だからなのかもしれない。推理小説としては正統的で読んでいて決して不愉快でもなく退屈でもないのでまずますといったところ。

No.3 5点 江守森江
(2009/05/24 20:48登録)
作者がどこへ向かうか暗中模索している時期に書かれたのか神津本格の勢いが感じられない。

No.2 6点 nukkam
(2009/03/27 11:51登録)
(ネタバレなしです) 1960年代になると作者は社会派推理小説や法廷ミステリーを発表するようになりますが、1960年発表の本書は神津恭介シリーズ作品(第11作)だけあって純然たる本格派推理小説です(但しシリーズ次作は1970年代まで書かれませんでした)。占星術にロマンスに宝探し趣向まであって書きようによってはロマンチックで神秘的な作品にも仕上げられたと思いますが、作者独特の暗くてドライな文章ではさすがにそういう雰囲気にはならなかったですね。

No.1 4点 mike
(2008/04/15 23:18登録)
特に何も印象が残らない作品。

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