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ミステリの祭典

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makomakoさんの登録情報
平均点:6.16点 書評数:906件

プロフィール| 書評

No.906 7点 ハウスメイド
フリーダ・マクファデン
(2026/01/02 15:48登録)
 私のように名前を覚えるのが苦手なものにとって、登場人物が少なく実にすらすらと読めました。外国の名前が苦手でもこれなら大丈夫。
 お話はなかなか凝っています。第1部では前科持ちのミリーがけなげにハウスメイドをやっていこうとするが、めちゃくちゃなご主人から理不尽な責めを負わされる。子供も全然かわいくない。唯一救いはご主人のみ。
これがまたハンサム、金持ち、優しいと日のお打ちどころがない好人物。
 気が強そうな主人公はお金がないのでどんな理不尽にも耐えていくが、ご主人が好きになってしまう。ついに二人は結ばれる。これで第1部は終了。でもまだ半分ぐらいしかお話がすすんでいない。
 こうなるとミステリー好きな読者(私のような)はすぐ、このあと登場人物に違った面が披露されて、とんでもない展開を予測します。
 期待通りとんでもない展開となします。思ったようでもありながら、そうでないところもいっぱい。なかなか面白い。
 ちょっと無理がある解決ではあるが、まあきちんとお話が終了。
 これでは次の作品はできそうもないと思っていたら、ちゃんと次作ができるようにまとめられている。次も読んでみよう。


No.905 4点 オリエンド鈍行殺人事件
藤崎翔
(2025/12/27 08:53登録)
 人を食ったような題名に興味を持って読みました。
 これは連作集ではなく今まで書き散らしたものを何とか集めて一冊にしたようなものでした。
 したがって全然わけのわからないような短いお話や独りよがりの暗ーいお話なども入っています。 
 表題の作品が一番ましで、これぐらいのものをそろえてくれたらとは思いますが、そうはいかなかったのでしょうね。
 本屋で立ち読みしたら絶対買わないと思いますが、表題につられてインターネットで買ってしまったので読んでしまいました。


No.904 6点 プラスティック
井上夢人
(2025/12/20 08:16登録)
 井上氏の作品はいつも新しい試みにあふれていて、読みごたえがあります。
 本作も半部ぐらいまでは混沌とした井上ワールドに引き込まれたような感じで、ちょっと不安感を持ちながら読んでいました。
 このサイトの評価からすぐトリックがわかったという方もおられますが、すごいなあ。私など作者に翻弄されて何が何だか分からない状態でした。
 途中から真相が暴露されるにあたってなるほどと思った反面、仕事上こういった方と実際に触れあったことがあるのでちょっと違うかなといった感じも抱きました。
 
 


No.903 7点 アリアドネの声
井上真偽
(2025/12/20 08:03登録)
 なかなかおもしろかった。
 作者の井上氏は頭の切れ味が良いようで、作品も随所にそういった方の書いた雰囲気が感じられました。こういった雰囲気はともするとエリート風で嫌味になりがちですが、本作はそういったことは全くなくサクサク読めました。
 ほかの方も書いておられますが、帯にある一生モノのどんでん返しという言葉はちょっと大げさでしょう。確かに作品最後に意外なところがあるのですが一生ものは大袈裟ですね。
 途中で感じの悪い暴露系のSNS作成者が出てくるのはちょっと余分でした。これがドローンに影響を与えることとなっているのですが、もうちょっと違う方法にしたほうが良かった。この部分だけ小説の中から浮いていて嫌な感じがします。
 読後感も良く作者の力量が感じられる内容です。


No.902 7点 十戒
夕木春央
(2025/12/02 21:25登録)
推理小説を読みなれた方から見ると、確かに犯人はこの人と思うところがありました。私もその一人ですが犯行は全く不明でした。ただこう言ったお話では犯人はこの人となるのだなあと思えてしまっているのみです。
クローズドサークルのとんでもない条件下のお話なので、これが気に入らない方は全然共感しないと思いますが、本格ものが好きな私はとてもワクワクしながら読みました。
最後に至るまでとても面白かったのですが、最後のどんでん返しはちょっとがっかり。主人公が初めから犯人をわかっていたなんて、なんだか後出しじゃんけんをされたみたいです。
でもまあ久しぶりにこれからどうなるかを知りたくて興味津々読み進めた作品でした。


No.901 5点 ストーンサークルの殺人
M・W・クレイヴン
(2025/11/28 19:59登録)
英国ゴールドダガー賞受賞作とのことですが、トリックや推理というより警察小説(厳密には警察ではないが)といった作風でした。
こののちに出たシリーズのボタニストなんかはかなりのトリックだったので、ちょっと期待外れでした。
かなり長いお話です。無駄に長い感じもするのでもう少しスリムに切り詰めたらもっとよかった。
お話の最後にきちんとつじつまが合うようになってはいますので、納得はできます。
途中でだれ気味なところがあ、読むスピードが遅くなったら、名前を覚えるのが苦手な私は名前が混乱して、お話の内容がわからなくなりがちでした。


No.900 5点 時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2
大山誠一郎
(2025/11/11 21:13登録)
まさにアリバイ崩しのみで成り立っているようなお話です。
今までにない新しいアリバイ崩しを作り上げるの大変なことと思いますが、それを短編で何作も作るのですから、ある意味すごいことです。
一作のみ読むならかなり面白い。なるほどよう考えられたお話だなあと感心するのです。ところが短編を何作も読むとなると解法辞典を読んでいるような感じとなってしまいます。
こんなにトリックを考え付くのですから、何とかもう少し膨らませて中編や長編にすると良さそうなのですが。


No.899 5点 巫女は月夜に殺される
月原渉
(2025/11/02 14:17登録)
推理小説の中にはありえない現実を設定してのお話が最近よく見かけるようになりました。密室トリックなどで尽くしてしまった中で、新しいトリックでないと二番煎じとされてしまう本格推理小説においては、こうでもしないと新しいお話が作れそうもないためでしょう。
そういった場合は初めにお話がどんな条件で出来上がっているかを明確にしないと支離滅裂になってしまいます。
本作品は隠れ里と表の里でのつながりを持たせた、神秘的な状態でのお話を意図しているのだとは思うのですが、中途半端で論理性も神秘性もいまいち伝わってきませんでした。
密室殺人の解明についてもこんなのありといった感じでした。確かに後出しですよね。
面白そうな設定なのですが残念です。


No.898 7点 マーブル館殺人事件
アンソニー・ホロヴィッツ
(2025/10/26 16:49登録)
カササギ殺人事件以来ホロヴィッツ氏の作品は出るたびに読んでいますが、今回も期待にたがわず面白かった。
名探偵ピュントのシリーズとしては3作目。探偵が不治の病とのことなので、このシリーズはもうおしまいと思っていがうれしいことに3作目が出版されたのですぐ買って読みました。
翻訳もこなれていて読みやすい。面白い。ピュントが活躍する作中作とスーザンが主人公の現実のお話が複雑に絡み合って興味が尽きない。
名前を覚えるのが苦手な私は常に二つのお話の登場人物のページを見比べながら読みました。
作中作のピュントのほうは引き継いだ作者が途中で死んでしまう。まだ全く犯人がわからないのに、これではどうしようもないのではと心配になるのですが、なんと思わぬ後継ぎが思わぬ方向から出現。最後はめでたく解決してすっきりします。
ただ主人公のスーザンが初めよりちょっと嫌な女性になってきている気がするのですが。


No.897 5点 ブラウン神父の知恵
G・K・チェスタトン
(2025/10/14 17:09登録)
はるか昔にこの作品を読んだことがありますので今回再読ということとなります。
当時は推理小説そのものにあまり興味が向いていなかったせいもあり、もう一つで会った印象でした。さらに当時の翻訳がとにかく英語の直訳のようで実に読み難かった。
今回リニューアルしたとのことで購入したのですが。
なななんとリニューアルとは外見のことであり、訳は昔とおなじ。
当然読み難さも同じ。
すっかり内容は忘れていたのでそれなりに読めたのですが。
最近の翻訳はかなり日本語がこなれていることが多く、リニューアルといったら当然翻訳も新しいものと期待したのですが。だまされた。
こなれた日本語での新薬が出ることを期待します。
インターネットで買うと時々こういった失敗をしてしまう。本はやっぱり本屋さんで買うべきなのでしょうね。


No.896 3点 俺ではない炎上
浅倉秋成
(2025/10/14 16:54登録)
皆さんが高い評価をつけておられるのに、こんな評価で申し訳ありません。
私にはネットのことなどほとんど興味がない人が、ネットからのひどい暴力にさらされている状態を読んでいることがとても苦痛だったのです。


No.895 7点 コメンテーター
奥田英朗
(2025/10/05 19:18登録)
いやはやめちゃくちゃな精神科医がいたもんだ。とんでもない人ではあるが、一応仕事はしている?ようだ。
とんでもない方法で患者の病的状態や悩みを解決してしまう。
実に痛快でした。


No.894 6点 夜の道標
芦沢央
(2025/09/25 19:30登録)
この小説は私にとって読むのが楽しいといった感じが少ないものでした。
確かにとんでもなく良い人がなぜ殺されねばならないのか(松本清張の砂の器みたいです)解き明かしていく過程はそれなりに納得できるものなのですが。
犯人に悲しくやむを得ない事情があってということなら感情移入できるのですが、この小説のような理由ではちょっとなあ。
全体を覆う暗くて陰湿な感じも好みではありません。
印象としてはもっと低い評価なのですが、小説の出来が悪いのではないのでこのような評価としました。


No.893 8点 蟬かえる
櫻田智也
(2025/08/23 07:48登録)
探偵役は同じ人ですが短編集というべき内容です。
探偵の魞沢君は控えめですがなかなか共感が持てるキャラクターです。
ことに表題作の「蟬かえる」が好きです。
民話とそれにあった雰囲気が気持ちよい。トリックも小粒だがなるほどとうなずけるものです。
泡坂氏の「亜愛一郎」シリーズの影響受けとそうですが、私は昔このシリーズを読んだ時にはさほどまで良いとは感じなかった。泡坂氏はむしろ長編が好きでこちらは発表されるとすぐに読んでいたのですが。
ずいぶん昔の話なので今の私と感覚が違っているかもしれないので、もう一度読み直してみましょう。
櫻田氏はとても素敵な雰囲気のあるお話が書けるようなので、注目して読んでいきます。


No.892 3点 ババヤガの夜
王谷晶
(2025/08/21 20:07登録)
イギリスのダガー賞をとった作品ということで、私が見た書評は非常に高く期待して読みました。
残念ながら私にはこの作品は全く合わなかった。
一気読みでしたと言った感想が多く寄せられていますが、比較的短いこの作品を読み続けるのはちょっと苦痛でした。
まず不要と思われるほど暴力シーンが多い。昔のやくざ路線のようなやくざのお話ですが、これほど暴力的だと現実感がなく嫌な感じ。本当にこんな状態ならこんな集団へ入りたがる人がいないでしょう。

以下多少ネタバレ
頭は軽くとんでもない暴力的な女が鬼婆になる話なんて。
でも高く評価する方もいるようですから、暴力小説が好きな楽しいのかも。


No.891 6点 栞と噓の季節
米澤穂信
(2025/08/16 08:11登録)
「本と鍵」の続編です。
今回は長編となっており、シリーズ化しそうな感じです。
青春物としての熱がほとんど感じられない、冷めた登場人物ばかり出てきます。
みんな頭がよさそうだが、個人主義で友人でも自分の家を明らかにしないため帰り道は自宅の方角と違ったところで別れるような嫌な奴も主人公です。
抜群の美人だがこれまた性格が悪く、都合が悪ければ嘘をついたり喋らなかったり。この人も重要な登場人物。
こんないやな面があるのですが、どこかに若くて正義感があるところが見えるためそれほど拒否反応は起きませんでした。
でも個人的には古典部シリーズのような感じのほうが好きだなあ。


No.890 5点 アミュレット・ホテル
方丈貴恵
(2025/08/09 11:07登録)
一定の制限をかけた世界での推理小説です。
制限そのものを受け入れればその世界での本格推理が楽しめる。
受け入れられない人にとっては触れ合うところがないお話となってしまうのでしょう。
このサイトの方は本格推理のファンの方が多いので評価が高いのでしょう。
確かに作者は頭がよく、私のような鈍重な読者が考えるよりいつも先を言った展開を見せてくれます。
これがたまらない方はきっと面白く読まれるものと思いますが、あまり深く考えずすらすら読んでしまおうとする人にとっては、ごちゃごちゃ言っていて複雑すぎてよくわからなくなってしまったといった感想となりそうです。
私も一部推理についていけないところがありましたので、ちょっと評価が低くなりました。


No.889 6点 スクイッド荘の殺人
東川篤哉
(2025/08/02 07:22登録)
このサイトで評価されているように。この手のお話としてはちょっと長すぎる気がしました。
いかにもどこかで見たような出だしだが、それにユーモアがたっぷりとふくまれているので結構面白い。
トリックもそれなりにあるしどんでん返し的な展開もあり、最後まですらすらと読めるのですが、これだけ長いお話となるとユーモアで押し切ることがかなり難しいのでしょう。
もともと氏の作品はユーモアの中に本格推理をきちんと?組み込んでいるところが魅力なのです。ただし本格としてはちょっとと思われるところをユーモアで振り切っているところもある。まあこれはこういった話だからと許してしまえるねえ、と面白く読んでしまうのですが。
これがこれほど長いお話だとちょっと無理が目立ってしまうのではないでしょうか。
ちょっと話を変化させればほかの人が犯人でも成り立ちそうです。
昔好きで読んでいたシリーズの作者が、書き始めはだれが犯人か決めておらず、途中でこの人が犯人ということとなるといったようなことを読んで急に嫌になってしまったことがありますが、この作品ではエピローグできちんとプロットを考えておられたような感じでしたので、納得していますが。


でもエピローグを読むとやっぱりきちんと考え抜いて書かれたお話なのでしょう。


No.888 6点 南朝迷路
高橋克彦
(2025/07/23 20:16登録)
本棚をかたずけていたらこの本が出てきました。1995年発行の文庫本。
当時高橋氏の作品が好きで結構読んでいましたが、このシリーズはどちらかというとあまりピンとこないものでした。
何十年ぶりの再読。内容などはすっかり忘れてしまい始めて読んだのとほぼ同じ状態でした。
歴史推理は私の好みなのですが、初めて読んだ時の感想を覚えていないということはそれほど心に残らなかったということだったのでしょう。
今回も悪くはないがとても感心するというほどでもないといった印象でした。
このシリーズはすべて読んだと思いますが、このころから高橋氏の作品から少しずつ離れていきました。
私が変わったというより、氏の作風が変化したためのように思います。


No.887 6点 金環日蝕
阿部暁子
(2025/07/05 07:39登録)
小説としてはきちんとした出来のお話と思います。
登場人物がそれほど多くないが、なんせ詐欺のお話が主体なので偽名がいろいろ使われて、のちのそれがこの人物だとわかるといった仕組みにもなっているため名前を覚えるのが苦手な小生にはちょっとわかりにくいところもありました。
それにしても詐欺が撲滅されないのは、だましておいてだまされた人がだめになっていくのを見るのが好きといった人が存在する、というくだりにはちょっとびっくり。
私も何人か詐欺師という人種?と話したことはありますが、いずれも初対面ではとても感じが良い。この人が人をだますとは信じられない雰囲気でした。だからこそ人をだませるのでしょうが。
この小説でもそういった人種が出てくるのですが、一面はとてもまじめで正義感が強そうなのが一転人をだます。
こういったお話は本質的に好きではないので本サイトの方々よりちょっと評価は低めです。

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