home

ミステリの祭典

login
コメンテーター
精神科医・伊良部シリーズ

作家 奥田英朗
出版日2023年05月
平均点6.25点
書評数4人

No.4 6点 take5
(2025/11/03 12:37登録)
伊良部シリーズの最新刊らしいです。

コロナ禍を歴て人間関係に悩む人々、
そこに関わる精神科医伊良部が視点を
まさに視点を変えて生き方を自ら導く
そんな手助けをする、荒唐無稽を装い
実は至極真っ当な論理で治療する姿は
文体で反転させるミステリーではなく
思考の反転を促すタイプのミステリー
深みはなくエンターテイメントよりを
装って、作中人物のように気楽になり
案外楽しめる人も多いのではないかと。

No.3 7点 makomako
(2025/10/05 19:18登録)
いやはやめちゃくちゃな精神科医がいたもんだ。とんでもない人ではあるが、一応仕事はしている?ようだ。
とんでもない方法で患者の病的状態や悩みを解決してしまう。
実に痛快でした。

No.2 6点 zuso
(2025/06/01 21:31登録)
低迷するワイドショーに、リモートで伊良部が出演。コロナ禍問題に忖度なしの本音発言によって視聴率が急上昇するのが表題作。常に物事の本質を鋭く突く伊良部の特質が、乱暴に見える言動を支えていて気持ち良い。
忘れてはならないのが看護士のマユミちゃん。表題作では伊良部の背後で腰をくねらせながらギターを弾き、SNSもバズらせ、「ピアノ・レッスン」ではパニック障害に悩むピアニストを、自分が率いるロックバンドに加えてライブを敢行。その結果完治させてしまうなど、たっぷりとフィーチャーされているのが嬉しい。

No.1 6点 HORNET
(2024/09/10 21:39登録)
 このシリーズが出るの17年ぶりなんだそうな。初読が早くなかったから、そんなに間が空いていたとは知らなかった。

 伊良部のとぼけっぷり(天然)と、看護師マユミのケミストリーはますます勢いを増し、シリーズの魅力健在。こちらも「お気楽な読み物」として読めるから、十分に楽しい。
 タイトル作「コメンテーター」はじめ、どの作品も昨今の世相を映しながら、コメディタッチの中にその世相への皮肉が込められているようで思わず二ヤリ。「ラジオ体操第2」で主人公がする妄想なんかは、多くの人が経験したことがあるのでは?
 デイトレーダーで大儲けした若者に、伊良部&マユミがたかろうとする「うっかり億万長者」などは、収入で人生の価値を測り、それでもってマウントを取り合おうとする昨今の世情に一石を投じているようで…
 これからも、「リバー」のようなガチから、「家族」シリーズや本シリーズのようなほんわかまで、筆者の幅広い筆力で楽しませてほしい。

4レコード表示中です 書評