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ミステリの祭典

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巫女は月夜に殺される

作家 月原渉
出版日2025年09月
平均点5.75点
書評数4人

No.4 6点 メルカトル
(2026/01/12 22:41登録)
巫女修行中の姫菜子と環希は、「相似巫女」と呼ばれるほどうり二つ。ある特別な夜、二人は伝統的な神事に参加した。それは閉ざされた村の秘められた祭祀。灯影ゆらめく神託のとき、絶叫が響く。密室と化した本殿で、首と右腕が無い巫女が、祭壇の前に鎮座していた――。謎めいた六人の巫女、二つの家系、禍々しい惨劇の真相とは。〈巫女探偵〉姫菜子と環希の推理が冴えるミステリー!
Amazon内容紹介より。

首と右腕がない巫女の死体が密室化した本殿で発見される、と来ればこれは読まない訳にはいかないという事で読みましたが、期待通りとは行かなかったもののそれなりに楽しめました。しかし、被害者の正体はすぐに判明してしまうのが、私にとっては残念でした。まあ誰が殺されるかはある程度読めば簡単に分るので仕方ありませんが。それでも首と右腕を切断する理由は今までになかった動機ではないのかなと思います。それだけでも評価されるべきでしょう。

全てが解決した後に示される真実にはちょっと驚かされました。成程そうだったのか、おまけ程度とは言えこんなところでそんなトリックを?って感じで良い意味で騙されました。姫菜子と環希という瓜二つの巫女探偵の意味があまり感じられず、何か裏があるのではと疑った私はやはり凡人の発想しか持てなかった訳ですね。

No.3 7点 人並由真
(2025/12/17 15:20登録)
(ネタバレなし)
 読み始めてすぐ作中に××という名のヒロイン(巫女さん)がいると意識したので、その瞬間に、かなりおバカなことを考えた。
 そこのあなた、同じこと思ったりしていません?
 もちろん結果がどうだったのかは、ここでは言いませんが(笑)。

 最後まで読んで、……ああ、そう来たか! と個人的にはかなりツボにはまった。
 いや、早々に気づく人はいるかも知れんけど、なんというかいささか大味なことは認めた上で、それでも物語世界がでんぐり返り、もうひとつの世界像が現れる快感は確かにある。
 
 なんかね、1950年代あたりの新世代作家が書いた技巧派ミステリの原書をすぐ翻訳したポケミスかそのほか海外ミステリの叢書の中にありそうな感じの食感。
 私は結構スキです。

 ただ、犯行現場というか隠し里の図(地図)は欲しかった。

No.2 5点 makomako
(2025/11/02 14:17登録)
推理小説の中にはありえない現実を設定してのお話が最近よく見かけるようになりました。密室トリックなどで尽くしてしまった中で、新しいトリックでないと二番煎じとされてしまう本格推理小説においては、こうでもしないと新しいお話が作れそうもないためでしょう。
そういった場合は初めにお話がどんな条件で出来上がっているかを明確にしないと支離滅裂になってしまいます。
本作品は隠れ里と表の里でのつながりを持たせた、神秘的な状態でのお話を意図しているのだとは思うのですが、中途半端で論理性も神秘性もいまいち伝わってきませんでした。
密室殺人の解明についてもこんなのありといった感じでした。確かに後出しですよね。
面白そうな設定なのですが残念です。

No.1 5点 nukkam
(2025/10/25 13:02登録)
(ネタバレなしです) 2025年発表の本格派推理小説です。「火祭りの巫女」(2015年)を連想させるタイトルですが、共通する登場人物はおらず関連性はありません。双子でもないのに瓜二つの「相似巫女」(見習い)である赤井姫菜子(あかいきなこ)と緑野環希(みどりのたまき)を主人公で探偵役にしています。何だか某カップ麺を彷彿させる名前ですけど(笑)、たまに軽口を叩いてはいますがユーモア本格派ではありません。土着の神道が根差した土地の神社を舞台にして神事の最中に起きた殺人事件の謎解きで、被害者も容疑者も巫女です。犯人当てとしては機会と手段を重点的に捜査していおり、表向きの動機は前もって提示されてはいますが深層部の秘密については第十章の最後にようやく明かされます。そこは読者に対して完全に後出しの情報です。犯人でない人物がどんでもない行動をとっていたことも納得できないと思う読者もいるかもしれません。

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