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ミステリの祭典

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被害者は誰?

作家 貫井徳郎
出版日2003年05月
平均点6.14点
書評数22人

No.22 6点 虫暮部
(2023/08/03 13:01登録)
 吉祥院先輩と桂島くんがBLみたいじゃない?
 呼びつけられていそいそ掃除しに参上。何を言われても “これが先輩の愛情表現なのである”。
 先輩だって、結婚についての軽口にムキになって反論。4話目では悪い虫を追い払ってしまう。
 更に第三の男も登場してどーなっちゃうの? ってところで幕。ここからがいいとこなのに!

No.21 6点 パメル
(2021/11/15 08:24登録)
容姿端麗でモデル並のスタイル、そのうえ頭脳明晰な超人気小説家の吉祥院慶彦先輩。そして吉祥院先輩の大学の後輩の「ぼく」こと警視庁捜査一課の刑事・桂島のコンビが推理を繰り広げる4編からなる連作短編集。
「被害者は誰?」自宅の庭から白骨死体が見つかった男は、自分の犯行であることは認めるが、誰の死体なのかは話さない。少々納得できない部分がある。
「目撃者は誰?」大学時代の片想いの女性と不倫関係となった男。しかし何者かが不倫に気付き、脅迫状が送られてくることに。巧みなミスディレクション、意外なオチに驚かされた。
「探偵は誰?」吉祥院先輩の新作は、先輩が学生時代に遭遇したという事件。桂島はそれを読み、どの人物が先輩なのか当てることに。意外な動機に思いがけない犯人とお見事。
「名探偵は誰?」朝起きてみると自室に見知らぬ女性の死体があったと通報。通報した丸山は知らない女性だと言うが、彼女の行動範囲で丸山は何度も目撃されていた。叙述トリックに慣れている人はピンとくる人も多いのでは。
作者特有のどんよりとした重い雰囲気は全くなく、というよりも軽妙でテンポが良い作品ばかりが並んでいる。吉祥院と桂島のキャラクターもいい味を出している。男前なのに汚部屋の吉祥院先輩にいいように扱われ、部屋の掃除などこき使われる桂島。しかし桂島の持ち込む謎を吉祥院先輩は鮮やかに解決していく。この間の二人の掛け合いはコミカルで楽しい。

No.20 6点 人並由真
(2020/09/06 01:03登録)
(ネタバレなし)
 連作中短編の4作を一冊にまとめつつ、各編のボリュームはものの見事に不均一。
 軽めの技巧派ミステリの連作ながら、その辺の長さの件も含めて、なんか予め思っていたものと違うものを読まされた感じ。ただしそれはそれで、各編、悪い印象ではない。
 一番長い最初の話の大ネタはおおむね読めたが、まとめ方はこちらの予想の上をいっていた。
 第二話の妙な舵の切り方もちょっと面白い……かな。

 器用な作者だから、こういうややライトな技巧派ものも書いていたのは十分に予期の範囲だったけれど、評者が実際に読むのはたしかこれが初めて。
 フツーに楽しめました。

No.19 6点 まさむね
(2016/08/20 10:35登録)
 4短編のタイトル「被害者は誰?」「目撃者は誰?」「探偵は誰?」「名探偵は誰?」のとおり、広く解釈すればフーダニットと言えなくはないのですが、厳密なフーダニットではないところがミソ。貫井作品には珍しい(?)軽妙なタッチの中に、巧みな仕掛けが施されています。
 個人的には、仕掛け自体は極めて典型的ながら、あっさりと嵌ってしまった表題作「被害者は誰?」が良かった。「探偵は誰?」の、作中作の登場人物から作者を捜すという趣向も面白かったかな。

No.18 5点 ボナンザ
(2014/08/26 14:51登録)
中々面白い仕掛けを施した短編集。
どの短編にも工夫のあとが見て取れるが、解決がやや無理矢理で、名探偵がそれほど名探偵らしくないのが残念。
どんどん橋や名探偵の掟に比べると微妙かな・・・。

No.17 6点 ドクターマッコい
(2013/05/02 10:30登録)
短編はあまり好きではありませんが、この作品はエンターテイメントの点から面白かったです。作家と後輩の刑事のやりとりが特にけっさくでした。

No.16 6点 測量ボ-イ
(2012/11/24 09:25登録)
悪くはないんですけどね、もう一度読みたいと思う何かが
足りない印象。
最後の「名探偵は誰?」は面白い趣向ですけど、これ単独
で読むとオチがわからないのでは?
氏の作品をはじめて読みましたが、皆さんの書評を拝見す
ると、これはどちらかというと異色系みたいですね。
次は氏の長編にチャレンジしましょう。

No.15 7点 mozart
(2012/10/26 22:15登録)
元々この手のトリックには騙されやすいのだけれど、予備知識ゼロで読んだので、全編とも見事に騙されました。中でも「探偵は誰?」は、作中作という設定に加えて、吉祥院慶彦のキャラクターが立っていて、特に面白かった。最後の「名探偵は誰?」も、本筋の話はともかく、ここまでやるか、といった感じで脱帽。

No.14 5点 haruka
(2011/07/26 02:06登録)
全編叙述トリックものだが、かなりフェアな印象。表題作は「きょうだい」の表記でオチが読めてしまった。難易度も含め、手軽に楽しめるのが良い点であり、作者の狙いだと思う。

No.13 7点 こう
(2011/07/09 00:19登録)
 作風、キャラクターが気に入りました。パットマガー風なのかと思って読んでみたら典型的な〇〇小説集でしたがこれはこれで良かったです。「七人のおば」や「四人の女」みたいなタイトルの作品もあるのかと思いましたがなくてちょっと残念でした。

No.12 7点 E-BANKER
(2011/06/26 16:09登録)
P.マガーの名作にインスパイアされた作品集。
いわゆる、通常の「真犯人探し」ではない「○○探し」を主題に作品が展開されます。
①「被害者は誰?」=真犯人の手記を元に、3人の被害者候補から、真の被害者を絞り込む。トリックの「種」は、叙述系トリックでは基本中の基本の「アレ」。
でも、結構騙されやすいかも?
②「目撃者は誰?」=痴情絡みの殺人事件の目撃者を絞り込む。これも叙述トリックの基本技が炸裂! 
③「探偵は誰?」=いわゆる「作中作」を使った作品。「作中作」の方は、どっかで読んだことのあるような○○○○の伏線がメイン。でもって、本作の探偵役であるところの「吉祥院先輩」は、登場人物の誰に当たるのかを推理する趣向。なかなかの面白さ。
④「名探偵は誰?」=これは確かに騙されたが、「そんなところで騙すなよ!」って思わされる。
以上4編。
なかなかよく練られたプロットですし、トリックこそ叙述系トリックの基本技ですが、使い方に作者のセンスを感じますね。
肩の凝らない軽いタッチの文章については、「貫井って、こんな作品も書けるんだ・・・」という感想・・・。
P.マガーは未読のため、今後機会があれば読んでみようかと思います。
(③は中篇というべき分量で、なかなかよい。①もまずまず)

No.11 6点 3880403
(2011/06/06 15:37登録)
短編集で軽くて読み易い。
吉祥院のキャラが良いのでこのキャラの他の作品も読みたい。

No.10 6点 メルカトル
(2010/08/03 23:33登録)
貫井氏にしては軽妙な短編集。
こんなのも書けますよ、とでも言いたげな作者の姿が見え隠れしているような気もする。
それにしてもこの作家も結構様々な作風の作品を物しているようだ。
私としては『妖気切断譜』の続編を一刻も早く読みたいのだが。

No.9 8点 isurrender
(2009/07/22 01:22登録)
面白さ、楽しさ、を味わえる作品でした
個人的には好きな趣向です

No.8 6点 江守森江
(2009/05/24 05:45登録)
重苦しいテーマの作品よりも手が出やすく手にしたが、どうも作者の得意分野ではないらしい。
そんなことを気にせず読めば悪くない。

No.7 4点 シーマスター
(2009/02/25 23:35登録)
やっぱ貫井さんは短編は上手くないし、ライト系は下手だと思う。
彼の弱点がダブルで味わえる作品。(もちろん主観なので悪しからず)

最終話以外はダラダラ間延びした百ページ前後のショートミステリで、手記を使ったトリックも既に視た感じのものばかり。 最終話の「錯誤」もミエミエ。
「軽さ」も面白ければ文句ないんだけど、面白くないんだよね・・・・ありふれたスタイルで。 こういうのはこういうのを書かなきゃ食っていけない大衆作家に任せて、従来どおり重くて鬱なストーリーの中に「企み」がある長編に徹する方がいいよ、貫井クンは。こんなん書いてヌクヌクしてちゃダメだよ。

No.6 7点 深夜
(2008/02/13 11:46登録)
主人公と吉祥院のやり取りがこの作品の読みどころなのだろうが、そこはイマイチだった。

「被害者は誰?」6点、中盤が冗長だが、ラストは驚いた。
「目撃者は誰?」7点、ラストが好き。
「探偵は誰?」7点、正統派フーダニット。だまされました。
「名探偵は誰?」8点、綺麗にだまされました。

No.5 3点 いけお
(2007/12/02 00:03登録)
従来とまったく異なる作風。あまり好みじゃなかった。

No.4 7点 こもと
(2007/11/10 00:40登録)
 これが貫井作品かと驚いた。 今までの「重い」イメージで読み始めたため、そのギャップが私には楽しかった。
 インパクト大の先輩キャラには結構笑えるんですが、それ故に、最終話には、まんまとしてやられたという感じ。 でも、いきなり最終話に飛ぶんじゃなくて、1話から順に読んで、最終話まで中身を熟成させる・・・それが、この本の正しい楽しみ方かな。

No.3 8点 dei
(2007/09/19 20:44登録)
非常によかった。
貫井氏の作品はアンソロジーに収録されていたもの以来2作目で、
本として読むのははじめてだったが、「短編が集まったから」
ではなくきちん内容を計算された短編集だとおもう。
どれも粒揃いでとてもよかったのだが、ベストは「名探偵は誰?」

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