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ミステリの祭典

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双頭の悪魔
学生アリス&江神シリーズ

作家 有栖川有栖
出版日1992年02月
平均点7.98点
書評数113人

No.73 10点 HORNET
(2011/01/08 20:11登録)
 近年の国内ミステリの中で最も好きです。三度の「読者への挑戦状」があり,その都度これまでのページをめくり直して考えてしまいます。読者に与えられる情報も,すべて明確で文句なし。結末も感心&納得。
 この作品で,完全な「有栖川ファン」&「学生アリスシリーズファン」になりました。

No.72 8点 りゅう
(2011/01/02 09:03登録)
 前2作を凌ぐ、スケールの大きな力作です。
 この作品の核とも言うべき、1番目の事件と2番目の事件を結ぶ真相について、ネット上で偶然ネタバレを見てしまっていたので、なかなか手が出せなかったのですが、今回読んでみました。読者挑戦3回戦はそれでも十分に楽しめました。いずれも、ページをめくり直して、真剣に考えてみました。結果は、核となる真相を知っていたにもかかわらず、1勝2敗でした。でも、言い分けと言うか、不満と言うか、反論があります。

(ネタバレをしています。注意!)
・ 読者への第一の挑戦
 別の犯人を想定していました。香水の使い方は、私の考えていた方法よりもうまいやり方で、さすがだと思いました。ただ、香水の香りがどれくらいの範囲まで及ぶのか、読者にはわかりにくいのが難点ではないでしょうか。それがわかりにくいため、犯人特定に至ったロジックを読んでも、別の人物でも可能ではと思ってしまいました。
・ 読者への第二の挑戦
 犯人、手法ともほぼ完全正解でした。
 「右の尻ポケットの論理」はいらないと思います。
・ 読者への第三の挑戦
 犯人を特定するロジックが見つからず、動機面だけから別の人物を犯人と想定していました。江神の披露した犯人特定のロジックには不満があります。このロジックは、マリアが音楽室からのピアノの音を一切聞いていないことが前提となりますが、作品中では、「足音はいくつか聞きました。でも、注意を払っていたわけではありませんから、....」と言うマリアの曖昧な証言しかありません。マリアが音楽室からのピアノの音を聞いていないことを明示すべきだったのではないでしょうか。さらに、このロジックはある可能性を見逃しています。それは、「八木沢が音楽室に入った後、犯人は八木沢が演奏していない時に入室し、演奏を聴かせてもらうよう依頼して、八木沢が演奏に夢中になった時に背後からナイフで刺す・・・・・・」といった単純なものです。犯人の言い分じゃないですが、江神の推理は言掛かり、こじつけと言われても仕方ないと思います。

 「読者への第三の挑戦」のロジックには不満ですが、全体としては非常に良く出来ていると思いますので、この点数で。

No.71 5点 ZAto
(2010/10/17 21:00登録)
この小説には前二作にはあったような余韻が感じられない。
どこか物語を分断してまでも論理に特化してしまったことで、豊穣さを失っているようにも思えるのだ。
最後に明かされる犯行の手口には驚きもしたし、その動機にも納得したのだが、犯人が殺人に至るまでの深層が十分に描きこまれていないのではないか。
やはり真犯人の懐述があって然るべきで、江神がドライな推理マシーンになってしまったようで残念でもある。
私は物語の論理は好きだが、論理の物語にはあまり興味が湧かないということかもしれない。

No.70 9点 seiryuu
(2010/07/20 21:00登録)
犯人との会談は面白かったです。
無駄な脱線もなく展開はスムーズ
長めなのは丁寧な描写と説明のためだと思えました。
好印象です。

No.69 9点 kowai
(2010/05/16 12:55登録)
前作がイマイチだったので、読むまでに間が空いてしまった。。2つのストーリーが最後にどのようにクロスするのかを考えながら読み進めることができ(全部敗北しましたが)面白かった。4作目も楽しみにしてます(文庫化まで待つけど)。

No.68 7点 yoneppi
(2010/03/11 00:26登録)
ロジカルな謎解き過程には脱帽。読者への挑戦3連投もすごい。これだけの大作なのに最後が少し駆け足な気もする。

No.67 7点 星屑の仔
(2009/11/23 20:48登録)
学生アリスの三作品目。


突然大学を休学したマリアを追って、アリス一行は陸の孤島とも言われる山奥の村にやってきた。
突然の大雨により、「マリアのいる村」と「その隣村」と2チームに分断されてしまう。
しかも悪いことに、その両者で殺人事件が起こってしまう。



結論を言うと、「マリアのいる村」に存在するとある人物が両者の殺人事件を引き起こしていたのだ!
・・・という結論らしいのだが、正直最初から「この2つの事件は裏でつながっているものだ」と思い込んでいたので、そこまでの驚きはなかった。

しかし一作目二作目同様、その繊細なロジックは健在で、しかも無駄がない。
また切羽詰まった状況をこれまた巧みに表現していて、小説の分量ほど冗長に感じなかったのはすごい。

No.66 9点 sai
(2009/11/19 12:43登録)
トリックそのものでなく、その結論に達する論理が秀逸。そしてそれに必要な要素をフェアに盛り込んでいる。だからこそ読者への挑戦が生きるし、それが3度も提示された本作に興奮させられた。個人的にこの類のものがストライクなので9点。

No.65 4点 ある
(2009/11/07 00:41登録)
高評価なのと,題名に惹かれて初めて有栖川氏の作品を読んでみました。
んー。少し題名負けしているような…。

最後のトリックと動機がいまいち納得出来ない。
シリーズを続けて読んでいたのであればもっと楽しめたのであろうか?

No.64 8点 isurrender
(2009/09/28 03:23登録)
読者への挑戦は、一問目だけはわかったんですけど二問目以降は全くでした…
トリックは素晴らしいし、話の長さも気になりませんでした
しかし動機が弱いような…
あのトリックを実現させるためのこじつけ感がして否めません
とはいえ、個人的に推理小説内で動機はそれほど重視していないのであまりマイナスではないんですけどね

No.63 7点 E-BANKER
(2009/08/15 23:10登録)
学生アリスシリーズの3作目であり、最高傑作との呼び声高い作品。
火村&アリスシリーズより、数段勝るロジックが魅力的です。
~四国山中に孤立する芸術家の村へ行ったまま戻らないマリア。英都大学推理研のメンバーは大雨の中、村への潜入を図るが、程なく橋が濁流に呑まれて交通が遮断。川の両側に分断されたマリア・江神とアリス・・・双方が殺人事件に巻き込まれ真相究明が始まる。~というストーリー。
本作最大の魅力は、何といっても3回も繰り返される「読者への挑戦」。
それだけロジックに自信があるということなのでしょうし、江神が語る解決編は、E.クイーンを彷彿させる「これぞ王道パズラー小説」だと思います。
伏線の貼り方もフェアですし、フーダニットの魅力が十分に味わえる良作という評価でいいでしょう。
ただし、読む前に「ハードル」を上げすぎたところがあって、その辺やや評価が辛くなってしまったようです。
個人的には、前作「孤島パズル」の方がより好きかな。
(作者には、是非火村シリーズよりも、こちらをメインに書いて欲しいんですけどねぇ・・・)

No.62 10点 okutetsu
(2009/07/01 04:05登録)
ロジックミステリとしては最高におもしろかった作品。
真剣にエラリーの作品を読んでるのかと思うような鮮やかな解答編でした。犯人を糾弾するシーンはかっこよく、今まで超然としている印象だった江神二郎を人間として好きになれた。

No.61 7点 sasami
(2009/06/16 02:33登録)
1問目はよかった
2問目は無理矢理感が強いけども許容範囲
3問目はかなり無理があるように思う
そして動機があまり説明されてませんよね。
もうちょっとで本当に傑作になったと思うので、それが残念

No.60 7点 touko
(2009/05/24 22:29登録)
古典的な謎解きミステリー。
読者への挑戦は1勝2敗でした;(一人目の犯人以外は確信持てず)。
動機が全然考えていたのと違っていたんですが、勝手に私が考えていた動機でも成立しそうな気も?;

解決編を読むと、おーなるほど、よく出来てるなあ……と感心するんですけど、驚愕とか衝撃って感じではないんですよね。
大掛かりな長編作品なわりにそこがちょっと物足りないんですが、手堅い名作だと思います。

No.59 8点 江守森江
(2009/05/22 08:59登録)
何故だか3度の挑戦全部が正解にたどり着けてしまった思い出深い作品。
初読時には女王国までこんなに待たされるとは思いもしなかった。

No.58 10点 測量ボ-イ
(2009/05/03 16:57登録)
世間の評価通り、有栖川氏の最高傑作だと思います。3度に
わたる「読者への挑戦」、好きな人にはたまらないでしょう
ね。謎解きの論理もしっかりしています。
僕は基本的に、火村ものより江神ものの方が好きなのですが、
江神ものは作品数が少ないのが難点です。

(2012.7.28 追記)
最近再読。う-ん犯人判ってて読んでも面白い(笑)
でも第三の殺人など、犯人判っててもどうやって真犯人を
絞り込んだのか思い出せなかった・・・
でもいい作品です。一発トリックではなく、ロジックで
犯人を絞り込むタイプが好きな方にはお勧め。

No.57 9点 makomako
(2009/03/11 19:57登録)
学生アリスシリーズは大好きな推理小説。月光ゲーム、孤島パズル、と進んでこの作品は断然完成度が高い。本格物としても非常に優れていると思います。細部にいたるまで緻密に構成され隙がない。初めて読んだときは推理小説化としての有栖川の進歩と実力を思い知らされ感嘆したものです。再読してもやっぱりすばらしい。ただ本格物として完成してくると若き青臭さが減少してくる。青春小説として物足りなくなってしまうのだ。孤島パズルにあるみずみずしさが少なくなったのは残念である。こんなことを感じるのは年かなあ。
 さすがの有栖川もこれほどの作品を書くと次はなかなかかけない様で学生アリスは女王国の城まで10年以上待たされることとなったのはファンとしてはずいぶんつらかった。

No.56 10点 だい様
(2009/03/04 14:02登録)
学生アリスシリーズ第3弾

言わずと知れたロジックミステリーの傑作。
真相にたどり着くまでの論理の組立が秀逸で純粋に物語としても面白かった。

No.55 7点 nobiinu
(2009/03/03 21:37登録)
江神さんやアリス達のロジカルな推理が素晴らしい。推理する楽しみを十分に盛り込んだ上で、キャラクターや雰囲気も楽しめる名作。

芸術家の集まる村で起こる事件と、川ひとつ隔てた村で起こる事件、一冊で二冊分の推理が楽しめて、なおかつ、その二つの事件が一つにつながって行く。読み終わったときの満足感(この場合は満腹感といった方が近いかも)は大きかった。

ただ、不満な点も。まず、アリス達の推理が右往左往、二転三転しすぎて無駄に長く思え、その割に真相は意外性に欠けたということ。それから、真犯人の動機や「この人にその犯行が可能だった」という背景をもうちょっと練って欲しかったということ。特に後者に関しては残念だった。意外性のある壮大な真相だったわりに、それを支える動機と背景が物足りないというのは個人的には大きな減点だった。

No.54 7点
(2009/01/28 22:13登録)
第3の殺人でのドアの手がかりには気づいたものの、犯人を絞り込めませんでした。
謎の論理的解明を中心とした作品であるにもかかわらず、最後に控えているトリックの現実性については大いに疑問があります。このような状況下では、犯人は最初の2つの殺人は危険すぎて、犯す気にはなれないのではないか、としか思えないのです。また、このような殺人計画は、通常かなり時間をかけて煮詰める必要があるでしょうし、よほど確固たる動機がなければ、こんな計画を実行しようとは思わないものです。少なくとも、あの大監督の某有名映画を見た後ではそう思えます。
とは言え、実は読後の印象はよかったです。小説としては、退屈だというような意見もちらほらありますが、個人的には意外に長さも気にならず、心地よく読み終えることができました。3回の「読者への挑戦」の理由も、この作品では納得がいきます。

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