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ミステリの祭典

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黒猫館の殺人
館シリーズ

作家 綾辻行人
出版日1992年04月
平均点5.68点
書評数73人

No.73 10点 密室とアリバイ
(2023/05/03 22:13登録)
意外と点数が低いね びっくり館以外の書評が終わったところで個人的館シリーズランキングを作ると
時計館(ダントツ)>>>>>>人形>水車>奇面>>十角>>>黒猫>迷路>暗黒の順番です。(霧越邸入れるとしたら時計と人形の間)

No.72 6点 じきる
(2020/08/23 19:22登録)
スケールの大きなトリック。つまらなくはないけど、館シリーズとしてはややヤラレタ感に欠けました。

No.71 6点 パメル
(2017/02/22 13:22登録)
記憶喪失になった老人が「自分が何者かを調べてほしい」と冒頭から引き込まれる
読み進めていくうちに「おかしくないか?」と思う記述がいくつかあり違和感を覚えるがどういう事か解読出来ないでいた
ただこれはトリックの伏線になっており真相は壮大なスケールで衝撃度も高い
しかしこのメイントリック以外は今までの館シリーズに比べると館の雰囲気・登場人物の魅力度そして殺人事件の密室トリックも今一つといった感は否めない

No.70 7点 名探偵ジャパン
(2016/10/18 22:33登録)
「館の見取り図」は、綾辻のこのシリーズの名物で、不可欠のものと言えるでしょう。当然本作にも冒頭に見取り図が付いています。これは綾辻は悩んだのではないでしょうか。読者は当然、逐一見取り図を見ながら事件を追っていくので、「館」の構造が大まかにでも必然、頭に入ってくるのです。このため、探偵鹿谷が謎解きをする前段階のある記述で、メタ視点にいる読者は、「あれ? 変だぞ」と思います。そこでそっと本を閉じて、その記述のおかしさから、連鎖的に謎が解けてしまう人が多いはずなのです。

「見取り図さえ、見取り図さえなければー!」綾辻は苦しんだのではないでしょうか。見取り図さえなければ、文章でさらっと書いて流せたはずです。しかし、綾辻は見取り図を入れます。本作だけ見取り図がないと、その段階で変だと思われる危険性も考慮したのでしょうが、綾辻はフェアに横綱相撲を挑んだのでした。

本作の魅力は、この大トリックだけでなく、犯人の殺人の動機。密室トリック。と見所は多くあります。密室トリック自体は使い古された手なのですが、それを行えたのは誰か? がテーマのため、陳腐に写ることはありません。手掛かりもしっかりと出します。

騙す意図のない人物が書いた手記なのに、明らかに読む人を騙す記述がある点に疵を見いだす方も多いですが、この手記は、作中冒頭に記されているように、「記述者が探偵小説としても読めるように書いたもの」なのです。意図してそういう記述を省いたと考えることも出来ます。

さて、「館シリーズ」もここまで来て、次はいよいよ「暗黒館」です。恐らく書評を書くのは当分先になるでしょう……

No.69 7点 斎藤警部
(2016/08/18 10:37登録)
短くてパラパラ行ける、小さな作品。 中心にある物理(..?)トリックは壮大だが、その割に。。なーんか、文章や物語には結構なリアリティがあるんだけど、そのメイントリックだけ取ると机上の楼閣のような。。(『十角館』と真逆だな) だけど、もう一つの(こちらは見え見えの..)大トリックの味わいも相俟って記憶に残る。 まるで、小柄だがアレだけは巨大な、だけど小市民気質の男、でも面白くてイイ奴なんだ、みたいなそんな感じ。 『時計館』の後にこんな小粋な箸休めも悪くない。とにかく面白くてスイスイ読めた。 鏡はそこに置いたのか。。。。


最後に、ちょっとした考えネタバレ ..

黒猫がまさかキティちゃんだったとはね。。。
ぃや正確には彼女の食べこぼし(当然リンゴのかけら)か。。

No.68 7点 青い車
(2016/02/16 21:32登録)
世間の評価はそれ程ではないのであまり期待せずに読みましたが、予想外に快作と感じました。メイン・トリックはこれまででもっとも大胆と言えるのでは。そして、その叙述がかなり力技であるものの殺害トリックを解くのに必要不可欠であるところに感心しました。鮎田老人の正体が想像つきやすい、伏線が文章で浮き気味、などの弱点を差し引いても素直に面白かったと言えます。そして何よりもインパクト大だったのが、犯人の異常な信念が生み出した殺害動機です。復讐や怨恨などのエモーショナルなものでも、いわゆるサイコパス的なものとも違う、その異質さにはおぞましさを覚えました。

No.67 5点 風桜青紫
(2015/12/21 03:49登録)
「ここが伏線になっていたんだよ!」をやりたいがための親切設計。メイントリックにしろ、老人の正体にしろ、伏線が露骨すぎてすぐ気づいちゃうんだよね。密室トリックに関しても、もうちょいやりようがあるだろうと。まあ、アーヤは同期(法月や有栖川)に比べて細かいトリックを煮詰めるのがヘタクソっぽいしねえ。いつもはメイントリックの派手さでごまかしてるが、こういうあざとい作品だとそこが浮き彫りになっちゃう。アーヤのフェアっぷりが伝わるのはいいんだが、これ以降、館シリーズが長らくお休みしてしまった理由がなんとなくわかります。舞台の雰囲気は相変わらずいいし、読み物としては結構楽しめるので5点。なんでソバージュヘアの人たちはいつも不幸になるんですか(笑)。

No.66 6点 CHABI
(2015/02/22 20:58登録)
あとがきに、「多くの読者が80%は解るが、問題は残りの20%にこそある」と。
なるほど、と思いました。
ある程度までは解りやすくなっていますが、肝心のアレの“場所”が解らなければ、全ての謎が解けない訳です。
衝撃度はあまり高く無かったですが、かなり練りこまれた作品ではないでしょうか。

No.65 6点 虫暮部
(2014/11/11 12:17登録)
 叙述トリックと殺人そのものの謎解きが有機的に結び付いているところが上手い。ちょうど良い塩梅の長さだし、バランスの取れた作品だと思う。が、他の綾辻作品と比べて衝撃度はやや劣るかも。
 尚、どじすん氏が少女愛者であった疑惑について、現在では否定的な意見も強いとのこと。

No.64 5点 sophia
(2014/04/14 18:58登録)
これまでの館シリーズとは異なり、読者を驚かせるためだけの叙述トリックです。事件そのものと結びついていませんし、振り幅が大きすぎて「なるほど」「やられた」という気持ちにはあまりなれません。あざとさを感じました。

No.63 6点 ボナンザ
(2014/04/07 01:43登録)
これまでの作品とは一風違った趣ですね。郷土ものを取り入れたのはなかなかいいです。
トリックも久しぶりになるほど!と思わされる出来でした。

No.62 6点 バード
(2013/10/16 21:30登録)
館シリーズの中で人形館と並ぶスーパー変化球。今読んだらどうなるかわからんが当時は微妙な相違点に全く気付かない迂闊な読者だった。(今は少しは成長したと信じたい。)
「こんなアホみたいなのありか!?」と突っ込みたい人も多いと思うが自分はこういうのこそ館シリーズに求めるものだと思っているので問題なし、手記内の事件ははっきりいって大したことはない。

No.61 7点 メルカトル
(2013/09/08 22:20登録)
再読です。
初読の際はどうも地味な印象でイマイチだと思ったが、今回読み直してみてその面白さを再認識できた。特に手記にばら撒かれた伏線の数々は、あらすじを知った上で読んだせいもあり、これはそんな意味があったのかと感心しながら読み進むことができ、随分楽しめた。
メイントリックに関しては、同時期に発表されたS氏の某作品との類似性が盛んに指摘されているが、果たして単なるシンクロニシティなのだろうか、真相は藪の中である。
どなたかこれに対してご存知の方がおられたら、是非ご教示願いたいと思う。
これだけのスケールの大きいトリックが、同年に二作別の作家によって使用されるのはいささか不自然と思われるがいかがなものだろうか。
まあそんな些細なことは別にして、本作は「館シリーズ」の雰囲気を十分継承した由緒ある異色作と言えるのではないかと思う。
これまで過小評価していたきらいがあったので、今回再読して評価が変わり、取り敢えず個人的に満足している。

No.60 7点 アイス・コーヒー
(2013/06/22 17:19登録)
作家鹿谷のもとにやってきた記憶喪失の老人は自身が持っていた「手記」を手がかりに自分の正体を教えてほしいと頼む。「手記」には彼が働いていた館「黒猫館」で起こった殺人事件が書かれていた―

綾辻氏が「変化球」と呼ぶ異色作。「手記」は手がかりが満載で、分かりやすい謎もあったがさすがにこの真相は分からなかった。短い作品で気軽に読めるが、個人的にはリアルタイムで起こる「吹雪の山荘」パターンの方が好きだ。

No.59 7点 蟷螂の斧
(2013/05/27 08:49登録)
このような大胆なトリックは好みですね。人物の謎、密室の謎はおまけのようなものと思います。同じようなテーマ、似ているトリックの作品があれば、読みたいと常々思っています。どちらが元祖?や、どちらの方がうまく料理しているか?などに非常に興味があります。本サイトを参考にしていますが、某巨匠、某有名作品では、なかなかヒントになってくれません。本作品も同年発表の某巨匠の作品があるみたいですが・・・。エラリー・クイーン、折原一氏の館ものとは違うし・・・。

No.58 7点 songpu gu
(2013/05/14 21:16登録)
話の時系列は相変わらずです。まあ慣れれば何てことは無いですけれど独特です。今回は「鏡の中の住人」という博士自身自らを評した言葉がキーワードになって、館のトリック解明の手がかりになりましたが、「どじそん」についてはちょっと失念して気付きませんでした。ただ謎が思っていた以上に壮大なもので、月並みな感想で申し訳ないですが、いつも通り驚かされました。

少し短かい出来物で不満もありますけど、全体的に読みやすかったのも好印象だったかと思います。

No.57 6点 まさむね
(2012/10/20 23:05登録)
本当に偶然なのですが,道東地方の旅行中に読んだのですよねぇ。雰囲気が出ましたねぇ。一方,あれほど散りばめられた伏線をスルーしていたのは,きっと旅行中であったせいだと,自分を納得させている今日この頃であります。

No.56 7点 makomako
(2012/09/08 17:39登録)
 これが出た20年程前に読み、当時は館シリーズとしてはもうひとつの感があった。今回再読してみたが、トリックなどたいていは忘れてしまうわたしでもさすがにこのトリックは覚えており、ついでに犯人も不思議に覚えていたのになかなかおもしろかった。
 たくさんの伏線が張ってあり、まあフェアといえばフェアでもありといった作者の苦心の跡がしのばれて楽しめた。 
 まあ本格物の中毒症状がひどくなったということかもしれませんが。

No.55 7点 ミステリ初心者
(2012/07/13 15:17登録)
ネタバレあります


 読んだ直後は、5点ぐらいかなと思いましたが、好きな部分があったため、7点にしました。

 十角館や、時計館の後に読んだため、あまり衝撃はありませんでした。ただ、一番大きなトリックと、手記の犯人を当てるロジックがうまくつながっている感じが良いです。大きな叙述トリックがある小説は、それが分かったとしても、犯人が当てられない場合があると思います。

 館シリーズはどれも面白いものばかりですね

No.54 5点 スパイラルライフ
(2012/02/05 23:13登録)
採点通り。
まぁ楽しめた。

少しネタバレ

地球規模の叙述?トリックなのに地味というか
逆に国内に留めたほうが館シリーズの世界観が出たと思う。

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