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ミステリの祭典

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毒猿 新宿鮫II
新宿鮫シリーズ

作家 大沢在昌
出版日1991年08月
平均点7.56点
書評数25人

No.25 7点 文生
(2022/12/11 10:30登録)
台湾からやってきた殺し屋の毒猿が規格外の強さで、その暴れっぷりに血湧き肉躍ります。切ないラストにはグッとくるもがあり、滅茶苦茶面白い作品です。ただ、毒猿の強さが格闘少年漫画のラスボスレベルで世界観からやや浮いていたような気も。

No.24 7点 クリスティ再読
(2020/05/27 23:33登録)
評者鮫の旦那は奇数番が好きだ。本作のド派手な劇画調はやや苦笑しながらも楽しんだのは否定しないよ...超人的なプロの殺し屋、それを執念で追う刑事、刑事に友情を感じてサポートする鮫島、殺し屋に恋して同行する女、と話の骨格はこれ以上のないくらいのベタ。まあこのベタをうまくカバーするのが作者の腕前、ということにはなるんだけどね。
なので、骨格に肉付けした要素が何か、というのが大きなポイントだと思うんだ。本作が画期的だったことがあってね、それは、
・東洋人(非日本人)のヒーローとアンチヒーローを造形した
という時代に大きく先駆けた要素がある。これが一番の評価ポイントになると思うんだ。もう手垢がついちゃったので何だけど、発表は1991年だから平成が始まったばかり、バブルと「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の余波がまだあった時期なんだ。いやなかなか感度のいいアンテナをお持ちのようだ。
でまあ、こういうベタな男の友情話なので、本作とか評者は腐った読み方をしたいのではあるけども....まいいか。そういう読みは大いにアリな作品だからね。

(中華系ヒーロー像の日本のパイオニアは池上遼一×小池一夫「クライング・フリーマン」だと思うんだよ。1986~1988年連載だから、5年こっちが早い。マンガに負けているんだよね....池上遼一というと、カッコイイ東洋人を描ける、というので東アジア全体で人気&影響力絶大だそうだよ)

No.23 8点 斎藤警部
(2019/12/18 18:09登録)
「軍隊でいちばんの友だち。」

鉄則は脆い。命を超えた優先順位の金剛則を命に刻み込んだ奴の決断は捷い。国際警察でもグローバル警察でもユニバーサル警察でさえない、男と男の警察事業を軸に据えた万感の一篇。 相次いで台湾から渡って来た、復讐に滾る病気持ちの過激な職業兇手(殺し屋)と、それを追う職務外の武闘派刑事。歌舞伎町の仕事場を舞台に二人と関わりになる男や女。東京の魔都新宿でヴェトナム戦争勃発なるか。 シリーズ二作目でいきなり通し主人公の鮫島が一歩引いた準脇役の位置に(だが主役級との友情譚で大いに盛り立て沸かせる)、副主の晶に至っては三四歩下がったチョイ役扱い(鮫島とのラブシーン、緩むなァ..)という斬新な展開。 野暮の極致を承知で言えば、『毒猿』の正体明かすのをもうちょっと遅く(なんなら最終章にでも)してミステリ度合いを少し高めに設定って手は無かったか、なんてね。 このままで充分イケるから何の問題でも無いんですが。

御苑がメイン舞台の一つということで、いま話題の「桜を見る会」が’何の問題もない例年行事’としてさり気なく登場して来たのはちょっと笑ったス。

No.22 4点 レッドキング
(2019/08/18 14:59登録)
このサイトで知り、興味を持って読んだ一冊。素直な感想は「面白かった」。「ハードボイルド」とか「クライム」なんてジャンルでの評価ならば7点8点とか遠慮なく付けちゃうと思うが、やっぱりジャンルにはこだわりたい。だからこのサイトでは「ミステリ」として評価して、おまけ付けてこの点数。
風俗店バイト店員が、自身を「ドゥ・・ユアン(毒猿)」と正体を明かす場面がカッコイイ。 ただ我が国のヤクザをゴミみたいに扱う戦闘描写は何とも・・・彼らだって人間だろうに・・・。
※ところで空手やってる奴に「脳天かかと落とし」なんて技は無意味だと聞いた。(真相は知らん)

No.21 6点 TON2
(2012/11/05 20:55登録)
吉川英治文学新人賞。日本推理作家協会賞受賞作。
台湾から潜入した殺し屋との対決です。

No.20 6点
(2012/03/11 21:08登録)
本サイトでの評価が高かったので新宿鮫に引き続き読みましたが、やはりミステリではないのでこの点数です。

No.19 8点 ナナ
(2012/01/13 16:23登録)
初新宿鮫シリーズ。テンポよく最後まで一気に読めた。いや~面白かったな~。毒猿も奈美も心にしみる。台湾人の刑事さんが鮫島をかばって死ぬ場面はグッとくる。これはおススメです。シリーズを読破したくなりました。

No.18 8点 VOLKS
(2011/03/11 14:47登録)
鮫シリーズ、1作目は心揺すぶられることもほとんどなく読み終えてしまったが、2作目の本作は震えがきた。
毒猿と台湾刑事、かっこよすぎ。
そして2人とも切なすぎ。

No.17 9点 ZAto
(2009/10/21 01:09登録)
大沢アクションの魅力は見せ場のアクションになだれ込むまで次第にボルテージを加速していく呼吸のテンポにあり、背景にそれを効果的に演出する人物造形の巧さがある。
見た目だけの派手さでは決して読者を活字に釘付けにすることできないということだ。

No.16 8点 E-BANKER
(2009/09/05 23:10登録)
「新宿鮫シリーズ」の第2作目。
台湾から来た殺し屋、その名も「毒猿」。シリーズ屈指の感動作。
~歌舞伎町の女・奈美。孤独な彼女が心惹かれる外国人・楊は、謎の影を持つ男だった。一方、「新宿鮫」と恐れられる新宿署刑事・鮫島は、完璧な職業兇手(殺し屋)が台湾から潜入していることを知る。「毒猿」と呼ばれる男が動き始めた刹那、新宿を戦慄が襲う! 鮫島は恐るべき人間兇器の暴走を止めることができるのか?~

「名作」の名に恥じない作品。
とにかく、新宿御苑を舞台に描かれるラストが秀逸。
傷を負いながらも、まさに神がかりの強さでヤクザたちを次々に血祭りにあげていく「毒猿」。そんな相手に、1人で挑んでいく孤高の男・鮫島!
何とも言えない緊張感が読者の心を捕らえて離しません。
そして、ついに迎える悲しい終局には美しささえ感じてしまう・・・

本シリーズでは、1作品ごとに魅力的なサブキャラクターが登場しますが、本作では、台湾から「毒猿」を追ってやって来た刑事・郭がいい味出してます。
銃撃戦で鮫島の身代わりになり命を落としてしまう郭、そして「毒猿」の逮捕を鮫島に託すシーン・・・まさに名場面です。
胸が震えるようなシーンの連続!
感動を覚えること必死の作品。

No.15 6点 あびびび
(2008/12/05 15:09登録)
なかなか緊迫感があり、全体の流れも良し。
しかしこれはミステリなのだろうか?Vシネマあたりで
出くわしそうなアクション映画…。

No.14 7点 itokin
(2008/05/10 11:01登録)
ハードボイルドタッチで楽しめたのは確かだが、鮫島が何の為にでできたか解らない。つまり誰が主人公なのだだが、それならそれで毒猿にもう少し単なる殺し屋ではない深みのある性格を持たせてほしかった。

No.13 9点 あい
(2008/03/25 15:39登録)
シリーズの中でもトップクラスのできだと思う。最後のシーンは圧巻

No.12 10点 Tetchy
(2005/07/10 01:10登録)
通常好評をもって迎えられたシリーズの2作目というものは「〜のジンクス」という方程式めいた呪縛があってエネルギーが失速するのですが、これは逆にジェットエンジンを搭載したかのような加速をもたらしました。
素直に作者の剛腕に恐れ入った次第です。
自信を持って他人に薦められる1冊ですね。

No.11 10点 くりからもんもん
(2005/06/23 12:42登録)
ミステリという分類にかかわらず、小説が人を楽しませるために存在しているのであれば、やはり10点以外はありえないと思います。

No.10 8点 どんたま
(2004/11/05 22:38登録)
実は鮫シリーズでは一番好きです。シンプルな大活劇がたまりません。鮫島が脇役に回っているのもいいですね。

No.9 9点 kenichi
(2003/06/30 00:24登録)
毒猿、超カッコイイです。これ、映画化できそうなんだけどなあ。やっぱ無理なのかなあ。

No.8 8点 ろん
(2003/06/17 10:40登録)
1作目に劣らず、素晴らしいと思います。
全てにおいて非常に楽しく読めました。
減点ポイントとしては、毒猿が人を殺しすぎってとこ位です。

No.7 8点 ギザじゅう
(2003/03/08 00:32登録)
主人公鮫島を取り巻く毒猿や郭さんなどのキャラクター造詣も深く、ラストの緊迫感も前作以上。
それにしても毒猿強すぎ・・・。

No.6 9点 くらら
(2002/07/16 05:44登録)
9点。
内容も濃くてよかったし、読み応えもあったから
本当は10点あげたいけど、毒猿があまりに不幸すぎたので。

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